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2007年12月20日

2007年12月20日

ビシュリ山系北麓ケルン墓サーベイ

西アジアにおける初期遊牧文化を解明する研究成果が報告されはじめている。まず、墓制に着目した藤井純夫金沢大学文学部教授の研究趣旨から。セム系遊牧部族の墓制に関する比較研究より 
(以下、抜粋)―――――――――――――――――――――――――――――
セム系部族社会の形成過程を解く鍵は、新石器時代の後半から青銅器時代にかけて成立した初期遊牧文化にある。このことは、よく知られている。しかし、この分野の研究はきわめて低調で、遺跡調査すら満足に行われていない。理由は二つ。
第一に、集落を形成する農耕民とは異なり、遊動生活を送る初期遊牧民の遺跡を確認することは、容易でないからである。
第二に、遺跡がうまく確認できたとしても、沙漠の中での調査には様々な困難が伴うからである。
そのため、セム系部族社会の原点とも言うべき先史遊牧文化(特に前・中青銅器時代の遊牧文化)の具体的な内容は今もって明らかになっておらず、定住都市・農村社会の側からの間接的な言及だけがほとんど唯一の手掛かりとなっているのである。この状況を打破しない限り、セム系部族社会の形成過程を解明することは困難であろう。

(さらに…)

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