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2006年12月31日

年末に当たって:人類の課題

本年を締めるに当たって、当ブログを立ち上げた問題意識の一つ“何故人間だけが殺し合いをするのか?”について、本年最後(12/29)のなんでや劇場より。
哺乳類は、性闘争本能(メスの獲得をめぐるオス同士の闘い)を強化したが、あくまで個体間闘争で、かつ殺したのでは種が絶滅してしまうので、負けた方が勝者に従う敗従本能がセットされている。∴殺し合いはしない。
サルは同類間で縄張り闘争をするが、やはり敗従本能または逃避することによって殺し合いはしない。
★人間だけが殺し合いをする。何でだろうか?

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鍵は人間だけが持っている観念機能。殺し合いを正当化する観念なしにはできない。逆に自部族を正当化する観念さえあれば、敵対する他部族を殺したり排他的になることも可能。
それに人類500万年のうち499万年間は戦争はなかった、6000年前の遊牧部族の掠奪闘争から殺し合いは始まった。西アジア、ヨーロッパも、インド、中国もすべて遊牧部族に侵略された。
★遊牧部族だけが、何故正当化観念を形成したのだろうか?
☆遊牧部族の特殊性は出自に起因する
遊牧集団は牧畜部族から、人口増圧力を受けて発生した。
最初は乾燥化等を契機に、男だけの遊牧部隊(いわば斥候部隊)として派遣。母集団に年何回か帰る形態だったものが、次第に遠方に拠点ができ帰って来れなくなる。そこで男だけの遊牧部隊に女が帯同するようになるが、母集団が消滅すると互いに小集団間の紐帯が保持できなくなる。そこで同族他集団から女を調達するようになり父系制に転換した。
この結果遊牧部族は、それまでの狩猟・採集、農耕・牧畜民とは全く異なる際立った特色を持つに至った。
①母集団と遊牧部隊、それぞれが離れて遊牧する小集団を統合しなければならない複層集団であったこと
――他は同居する単一集団
父系制の一夫多妻に転換したこと
――哺乳類は母系制のボス集中婚(チンパンジーだけは父系制)、人類も500万年間の大部分は生まれた集団でずっと過ごし、その後も遊牧部族以外は母系制
③出自の異なる女が同居するようになり、嫁入りする際の持参財が私有物になっていったことから、本源共認が困難になり、共有制にひびが入ってきた。自我や利害意識が増大したことから共認原理で統合することが困難になり、力で制圧するしかなくなってきた
――他は母系制なので女の本源共認と共有制は揺るがない=共認原理で統合
遊牧部族は最終的には、集団をどう統合するかに収束していき、複層集団⇒観念統合に依拠することになる。最初は自部族を正当化する観念(精霊信仰から→守護神信仰へ)であったものが、力で制圧⇒他集団を殺すこともいとわない観念へと先鋭化していく。
遊牧部族の3つの特色は、その後現代まで続く私権社会の原型をなしており、正当化観念によって戦争が繰り返されていることも変わっていない(アメリカがその典型)。
人間は殺し合いをなくすことができるか?それには上記3つの特色のうちのどこをどう転換していけばいいか?その基盤はどこにあるか?人類が取り組むべき課題はここにあると思う。
読んでもらってありがとう(^_^) by岡 
なんで屋劇場にもありがとう

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