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2007年04月30日

アボリジニーの交換取引

アボリジニーの議論が盛んになってきていますね。
「アボリジニの外圧状況etc…」で若さんが疑問点の整理を行ってくれています。(ありがとうございます。)
で、そのうちの疑問点の一つ「アボリジニーの集団間交流はあるのか?」について、参考になるサイトを見つけたので紹介します。
「経 済 生 活 の 原 初 形 態-原始社会の財貨取引」
というサイトです。
その前にいつものヤツをお願いします。
↓↓↓↓↓

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『経 済 生 活 の 原 初 形 態-原始社会の財貨取引』 
「第二章 オーストラリアの諸種族」より
『b 石の交易
アボリジニの種族間取引における最古の交換品目の一つは、道具の材料としての石である。このまさに典型的な交換取引について、われわれはオーストラリア・アボリジニに関して今日すでに主たる報告を受けている。
アボリジニたちは石斧の材料として重んじられる閃緑岩を何百マイルもの彼方にひきずって行く。彼らはその閃緑岩を他の種族から、彼らに特有の地域の価値ある産物、たとえば、体に塗るための代赭石のような産物と引き換えに受け取っている。こうした交易は、平和な交易者であるならば戦争状態にある諸種族の間でも妨げられることなく通り抜けられるといった具合に展開されている。若者たちの誰もがそれぞれ平らな砂岩を遠い故郷へと運んでいる隊列に遭遇することがあるが、そうした砂岩はあとで挽き臼を作るためのものである(1)。
~中略~
様々な品目の種族間交換
だが、オーストラリアの諸種族の種族間ないしは対外交換の品目は、決して石だけに限られない。N・W・トーマスは、ピチュリー pituri [ Duboisia Hopwoodii オーストラリア産ナス科の低木で、アボリジニはこれから催眠薬をつくる]という、どこの地方にもあるというわけではない重要な交易用作物を挙げている。それが取り入れられとすぐに、槍、ブーメラン、網その他の商品を携えた使いの者が、それをピチュリーと交換するために、しばしば何百マイルもの彼方へ派遣された(1)。
~中略~
種族間分業
最良の刃器は、中央オーストラリアでは最北端に住む種族、すなわち、ティンギリ族とワラムンガ族のもとで作られる。そしてまさにワラムンガ族の定住域の北境には、長年にわたって利用されたに違いない特別の石切り場がある。その土地のいたるところは大量の石英塊から切り落とされた無数の破片で覆われている。それぞれの使いものになる破片が選び出され、大量の使いものにならない破片が残る。労働における熟練は確かに重要であり、他のアボリジニよりも多くの成果を収めるアボリジニが存在する。何しろ、良質の刃器の製造は偶然のなせる業からは程遠いもので、またどれだけ長い間頻繁に、有用な石英片にたどりつくまで切り出しを続けたかということを、無数の顧みられなかった断片が示しているからである(1)。
~中略~
種族間での財貨流通の諸形態
α 集会、儀式、私闘の際の交換
オーストラリアの諸種族における種族間交換が行われる様式はきわめてさまざまでありうる。
かなり広く行き渡っている方法の一つは、さまざまな種族が、ふつう食糧が最も豊富な春または夏の季節に集まり、食料、衣類、道具、武器その他の道具を交換するというものである(1)。ブラウンもまた、オーストラリア西海岸の諸種族が交易のため、また、余興あるいは大規模なカンガルー狩りを催すために、ある季節にあらかじめ取り決めた通りに一定の場所に集まることについて報告している(2)。
~以降2章の最後まで省略~ 』
600にのぼる言語数、広大なオーストラリアの大地 等など、
アボリジニーの集団同士の交流は、あまりないように思いますが、実は、かなり交流があるという報告です。
特に、いくつかの集団が時期を決めて集まる、というのは驚きですね。
このあたりの実情を含めて、若さんのご友人にヒアリングしてもらうと良いのではないかと思います。
なお、
引用したサイトのフィールドワークを行っているのは、欧米人です。
彼らは、交換取引を当然とする市場社会の住人。ですから、全くの先入観なしに研究を行っているとは言いとは思います。集団間交流の動機などを鵜呑みにすると誤りがあるかもしれませんね。
とはいえ、
オーストラリアの広い台地で、集団間の交流があるというのは事実でしょう。
HAYABUSA

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トーテムという「役割」で統合されたアボリジニの社会

>したがってトーテミズムとは、直接的には、一定のモデルをもった氏族体系のことである。この場合、氏族の成員は、自分の氏族集団を表す同一の対象物やその象徴(ト…

  • ECHO
  • 2007年5月22日 22:52

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