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2007年12月23日

セム語の起源を比較言語学により探る

セム系部族社会の形成調査機関ビシュリ山系北麓ケルン墓サーベイで、セム系部族社会が紹介されていますが、戦争の起源父系社会の起源を探る意味でも、中東(西アジア)の初期遊牧文化を解明する事は、重要な意味を持つものだと思います。
未だ未解明な部分の多い初期遊牧民と思われるセム系部族社会ですが、北メソポタミア山麓地帯の南方・ジャジーラ地方から、東と西に展開したセム系部族社会の形成過程を、見ていくことで様々な実体が掴めてくるように思われます。
今日は、セム系部族社会の実体を掴む上で、セム系言語について、
<セム系部族社会の形成>サイトより、【比較言語学から見たセム語の起源】 池田 潤(筑波大学大学院人文社会科学研究科)
より、セム系言語の起源について、要約して紹介したいと思います。
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セム語の起源については、
■メソポタミア起源説
■アラビア半島起源説
■複数起源説
■アフリカ起源説
■シリア・パレスチナ起源説
等の学説があるようですが、新たに『比較言語学』から、セム語の原郷を辿る試みがなされているようです。
その方法としては、Linguistic Migration Theory(=直訳すると言語移動論)という手法が用いられています。

2. 比較言語学から見たセム語の原郷
2.1. Linguistic Migration Theory
 Linguistic Migration Theoryとは、語族の下位分類(語派)とその地理的分布をもとに語族の原郷を探る方法で、その基本的な考え方は次の通りである。
 Model of maximum diversity and minimal moves─語族が分岐していく際に、娘言語はもとあった場所の近くに残る可能性が高く、遠くまで移動したり、何度も移動したりする可能性は低い。(Campbell1999, p.105)
 Center of gravity model─多くの上位語派が混在する地域がその語族の原郷である可能性が高い。
(ibid.)
 この方法をセム語に適用し、セム語のcenter of gravity を探ってみよう。
2.2. 再建語彙から原郷を探る
 セム祖語の再建をおこなうと、再建された語彙の中から原郷に関する手がかりが見つかる場合がある。この方法は印欧語では19世紀中頃から試され、一定の成果を収めた。基本的な考え方は次の通りである。
 一般に同系の(ほとんど)すべての言語で偶然同じ語が借用される可能性は皆無に近い。
 一般に同系の(ほとんど)すべての言語で規則的に対応する語彙は祖語から引き継がれたと考えられる。一般に借用語は規則的に対応しない。
 一般に祖語に再建される語彙は祖語の話された地域の自然環境や文化を反映している。
 この方法をセム語に当てはめるには、まずセム祖語の語彙を再建する必要がある。上で述べたように、この作業はすでにTyloch(1975)によってなされている。しかし、それから30年以上の時間が経過しているため、Tyloch の研究は再検討を要する。個々の言語の語彙に関する情報が飛躍的に増えたこともあるが、最大の問題点はセム語系統樹におけるアラビア語の位置付けの変化である。
 
 1975年当時、アラビア語は南セム語に帰属すると考えられており、Tyloch もそれに従っているが、現在は北西セム語とともに中央セム語派をなすとされる。前提となる系統樹が異なれば、祖語の再建にも影響する。したがって、個々の語について再建をやりなおし4、その上で原郷に関する手がかりを探す必要がある。
 今回あらためて再建した語彙の一部を下にあげる。これらを見ると、セム祖語の話し手は地を耕し(1)、種をまき(2)、穀物をあおぎ分けていた(3)ことが分かる。作物には大麦(4)、小麦(5)、雑穀(8)があり、それをひいて(6)粉(7)にしていた。近くにクミンが生え、アーモンド、テレビン、イチジク、ナツメヤシ、ブドウの木もあり、実を食べたり、酒を作ったりしていた。(ハチ)ミツも食べた。また、ウシ、ロバ、ヒツジ、ブタ、ヤギ等の大小の家畜を飼っていたようだ。
 これらの語がセム祖語に存在するのは、セム語の原郷で農耕や牧畜がおこなわれていたからにほかならない。したがって、セム語の原郷はそれが可能な場所であったと考えられる。言い換えるなら、比較言語学から見るとビシュリ山系は「セム語族」の原郷ではなさそうである。無論、これはビシュリ山系がセム系一部族の原郷である可能性を否定するものではない。

この比較言語学の研究によると、北メソポタミア山麓地帯の南方・ジャジーラ地方から東と西に展開したセム系部族社会の形成の起源、及びセム語の原郷を、ピシュリ山系に起源を見出す事は難しいようです。
セム系部族は、別の地帯から遊牧によりビシュリ山脈に入植してきた部族と考えるのが濃厚なようです。
その地にもともと住む農耕民族とのいかなる接触があったのか興味の湧く事象だと思います。

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