2008年10月25日
洞窟に隠れ住んでいた初期人類たち(2)~スタークフォンテン洞窟、300万年前の状況はどうだったのか?
洞窟に隠れ住んでいた初期人類たち(1)~スタークフォンテン洞窟のつづき
シリーズ第2段!
お待たせしました。
今回は前回紹介されたアフリカのスタークフォンテン洞窟について初期人類当時の状況に遡って掘り下げて検証してみたいと思います。
■洞窟の周囲の状況
まずは現在の洞窟周囲の様子をグーグルアースで俯瞰してみると・・・

中央がスタークフォンテン洞窟
ご覧のようにまわりは緩やかな平原で樹木もポツリポツリ。
アウストラロピテクス・アフリカヌスが発見された、330万年~260万年頃の気候・植生は熱帯~亜熱帯森林のはずれであったと考えられており、現在より樹木は多かったかもしれません。それでも地上には身を隠すような場所はそれほど多く無かったと考えられます。
(その後250万年以降は乾燥化が進み、草原が広がっていきます)
真上から見ると大地にぽっかり開いた穴のようです。

真上から見るとこんな感じ
ところでこんなぽっかり開いた大きな穴(洞窟)に初期人類が住んでいたと言えるのでしょうか?
これを明らかにするには当時の洞窟の様子を押さえる事が重要になります。
■初期人類発生時の洞窟
スタークフォンテン洞窟は石灰岩の侵食・崩落によって現在の形に形成されてきたと考えられています。
土中に出来た空洞が時間を経て地上に繋がっていくのですが、地上からの侵食と土中空洞が繋がり、地上に開きはじめたのは今から約350~300万年ごろと考えられています。
一方スタークフォンテン洞窟で発見されたアウストラロピテクス・アフリカヌスの推定年代は今から約330万~約240万年前とされており、アフリカヌスの推定年代では、洞窟は現在に比べまだ狭く小さい穴でしかなかった可能性があります。
■外敵は?
スタークフォンテン洞窟からは、アウストラロピテクスの化石に加え、ディノフェリスという肉食獣の化石が見つかっています。また隣接するスワルトクラン洞窟ではヒョウに食べられたと思われるアウストラロピテクスの頭骨が見つかっており、当時の化石からサーベルタイガーやハイエナ、ライオンなどの祖先も生息していたことが分かっています。

ヒョウの牙と一致するアウストラロピテクスの頭骨
レイモンド・ダートの「骨歯角文化」では、オーストラロピテクスのような初期人類は、しとめた動物の骨・歯・角を使ってさらなる獲物を殺していたとキラーエイプ説を展開している。彼はオーストラロピテクスの頭骨に残された窪みや穴は初期の人類同士が殺しあってできたものであると確信していた。
ところがその証拠を詳しく調べた C. K. ブラインはアフリカの大型肉食獣の下顎を測定して、ヒョウの牙がオーストラロピテクスの頭骨化石の穴とぴったり一致することを発見した。オーストラロピテクスはおそらく狩る側ではなく、狩られる側にいたと思われる
(ハート&サスマン、2005)。
学者達の間では、洞窟は捕食者の巣であり、巣に持ち帰って食べた、あるいは地上で食べられたものが、洞窟に雨で洗い流された。その結果洞窟で初期人類の化石が見つかったのだと考えられているようです。
果たして本当なのでしょうか?
■結局人類はどこに住んでいたのか?
まだまだ不十分ではありますが当時の周辺状況を整理すると
・周りには大型肉食獣がいた。人類は食べられる存在だった。
・周囲は平地で樹木も現在より多かったとは言え少なく身を隠すような場所が少ない。
・洞窟は現在よりももっと小さかった可能性がある。窪みのような場所?
やはり洞窟しかないのではないでしょうか?
もちろん洞窟が安全という保障もなく、危険も大きいですが、身を隠す場所の無い地上にいるよりはマシだったのではないでしょうか?
洞窟も現在のような巨大なものではなく、どちらかと言えば窪みのようなところで、そこに身を潜めていたといったイメージが近いのかもしれません。
逆に洞窟でなければ、はたして洞窟より安全な場所があったのか?が重要になると思います。
- by kichom
- at 21:05



comments
外国の論文まで調べて報告してもらいお疲れ様でした。
スタークフォンテン洞窟って鍾乳洞なのですね。当時は今と違って天井もふさがっており小さかったという点は納得です。
ところで、
>学者達の間では、洞窟は捕食者の巣であり、巣に持ち帰って食べた、あるいは地上で食べられたものが、洞窟に雨で洗い流された。その結果洞窟で初期人類の化石が見つかったのだと考えられているようです。
これって誰の説で、どの程度の賛同を得られているのでしょうか?
洞窟を住処とする肉食獣はいるのでしょうが、広い原っぱで狩りをしてその場で食べている映像が多いですが…。
洞窟の周辺の地形も様々で、必ずしも雨で流れ落ちる場所にない洞窟もあるでしょうし…。
また世界には肉食獣のあまりいない地域もあって、そこで見つかっている洞窟からも人骨は発見されていますね。
さらに洞窟壁画もたくさん見つかっていますが、隠れ住んでいた人類以外に誰が描いたというのでしょうか。
総合性がなくトンデモっぽいと思います。
「シリーズ第2段」ついに登場ですね!!
洞窟といっても平地にぽっかり開いた穴なんですね。確かに、廻りには身を隠すところはないとすれば、たとえ窪みであってもそこに身を潜めることは自然なことのように思います。
『人類の本性は共同性にある』(注目投稿一覧の一番下の投稿です)は、初期人類の集団を考えるのに不可欠な視点です。
外敵が近づいてくるのを見張る役割、いざとなったら囮になっても女子どもを守る役割など、それぞれが役割分担することで、厳しい自然圧力・外敵圧力のなかかろうじて生き延びてきたのが人類ではないかと思います。
>逆に洞窟でなければ、はたして洞窟より安全な場所があったのか?が重要になると思います。
ホント、その通りですね。洞窟の調査と共に、当時の自然環境や外敵の状況なども明らかにしていきたいですね。
武器になるものもなく、住まいも自分たちの手で作れないとしたら、自然にあるモノの中で少しでも安全な場所に住むしかないですね。とにかく当時の人類の置かれていた状況と言うものは非常に過酷だったことが分かりますね。