2008年10月23日
DNAでたどる日本人の成り立ち4 縄文の漁撈文化
DNAでたどる日本人の成り立ち1で紹介しました、縄文文化の中心的な担い手であるD2系統は、現在日本にしか残っていませんが、当時は朝鮮半島にも存在していた(もともとは朝鮮半島を経て日本列島に渡ってきた)ことを、両者で共通する漁撈文化を通して見たいと思います。朝鮮半島の系統は【図解】を参照。崎谷満著『DNAでたどる日本人10万年の旅』より。
気候変動と大型哺乳動物の絶滅という危機から縄文時代が開かれた
共通する漁撈文化を見る前に、それまでの栄養源の弱体化という危機が、縄文時代を開いた経緯を見ておきます。
後期更新世の後半、もっとも寒冷化が進んだ約2万年前を境に次第に温暖化が進み、約1万年前の完新世になると現在に近い温暖な気候へと移っていった。それとともに多くの大型哺乳動物の生存に適していたマンモス・ステップ(以前の記事シベリアのマンモス・ステップ、シベリアの究極の狩猟具・細石刃を参照)が次第に縮小してきたため、動物相の貧弱化弱体化を招いてしまった。大型哺乳動物の絶滅の原因として、温暖化による環境変化と、ヒトの乱獲があげられるが、両者が重なった結果と考えられる。この大型哺乳動物の絶滅は、それを栄養源の中心としていた旧石器時代人にとって大きな危機をもたらした。
応援よろしく by岡
- posted by okatti at : 2008年10月23日 | コメント (6件)| トラックバック (0)