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2006年10月13日

シベリアの究極の狩猟具・細石刃

シベリアのマンモス・ステップ』の続き。
西アジアからアルタイ地方(西シベリア南部)に進出した5万年前の洞穴からは、マンモスの狩りをした証拠が見つかっていない。まだ他の動物の食い残しを密猟する段階。
ところがシベリアに進出する3万年前頃から、狩猟具と見なせる石器が、大量のマンモスの骨とともに各地で見つかるようになる。
2万4000年前のウスチコバ遺跡から出土した石器は、両側に鋭い刃の付いた槍先の形をしている。2万3000年前のマリタ遺跡からは、長さ32.9cmもあるマンモスの牙製の槍先が発見されている。石以外に骨などの素材を積極的に使い始めるのも、この時期の特徴である。
こうした道具の進歩の結果、2万1000年前頃に、究極の石製狩猟具・細石刃が生まれる。

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細石刃(左3点)と細石刃核(右)
旧石器時代の遺物。黒曜石のかたまりから薄くはがして作ったのが「細石刃(写真左3点)」という石器で、もとのかたまりを「細石刃核(写真右)」と呼ぶ。みぞを掘った骨や木に細石刃を並べて埋め込んで、「植刃器(しょくじんき)」という道具にして使っていた。欠けた刃だけ交換できて便利。 『北海道開拓記念館』より

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植刃器(左図)
復元された道具「植刃器」。木などの柄にいくつも細石刃を装着して使っていた。 『北海道デジタル図書』より

シベリアの大寒冷期を乗り切るために大きな役割を果たしたのが、この細石刃であり、その秘密は小さなサイズにあった。動物を求めて広い平原を探し回る移動生活にとって、武器の軽量化は大きなメリットをもたらした。細石刃は原石から薄い石の板を何枚も剥ぎ取るやり方で作られたので、それまでの石を打ち欠いただけの石器に比べて、同じ大きさの石から取れる刃の長さが十倍以上になった。
その破壊力を物語るものとして、バイソン(野牛)の分厚い皮膚を突き破り、肩の骨に突き刺さった例が見つかっている。
当時の狩猟は、次のような知恵と経験を総動員して行なったと考えられている。
①動物の行動パターンや季節による移動習性を見極め、先回りして待機する
②動物にとって最も不利な場所――例えば川や水辺のぬかるみ――で猟を行なう
③卓越したリーダーの統率力とチームプレー
因みに、細石刃は氷河期のシベリアで生まれたが、北海道の千歳でも約2万年前のものが見つかっている。北海道の白滝・赤石山は、日本有数の黒曜石産地で、白滝産の黒曜石がサハリンや大陸に運ばれていたことも分かっており、大陸と日本列島を行き交う人々の様子が解明されつつある。
ところが、1万5000年-1万年前、急激に温暖化し、それまで大型動物が食べていた草木が姿を消し、草原が一面の森に覆われる。こうして大型動物がその数を減らしてゆき小型獣ばかりになる。
同時に細石刃も姿を消してゆき、代わって登場するのが大きさ1~2センチほどの石の鏃で、これを矢の先端につけて射る弓矢を発明することで、すばしこい小動物の狩りに活路を見出すことになった。
参考:『日本人はるかな旅』
読んでもらってありがとう(^_^) by岡

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