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2009年02月18日

スペインの大家族は今どうなっている?

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世界の現在の性意識シリーズ、2月9日の「スペインの家族主義について」に続き、スペインの家族主義が現在どのようになっているのか、調べてみました。

「現代スペイン情報ハンドブック」著者: 坂東省次, 戸門一衛, 碇順治,と言う書籍を紹介したサイトからの抜粋です。


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「スペイン人」という単一の民族は存在しない。「スペイン人」とは「イギリス人」や「フランス人」などと同じくスペインという国家を形成する「国民」をさし、複数の民族から構成されている。そして、近代におけるスペインの国民形成は内戦や独裁といった数多くの困難を克服しなければならなかった。20世紀の著名な哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセットは「無脊椎のスペイン」(1921年出版)のなかで、世紀初頭のスペインを地方主義や独立主義、分離主義といった突風に葉をもぎ取られていく「枯れ枝」にたとえ、スペインを構成する各民族・地方間の相互理解、国家としての共存の難しさを指摘した。

(中略)
50歳以上で孫の面倒を見ている女性が12%(ドイツ10%、フランス4%)となっている。親子が別居している場合の距離は、徒歩15分以内が30%、車を使って30分以内を含めると60%強となる。また、日曜休日に家族そろって祖父母の住まいを訪問するのは、喜ばしい週間として定着している。
スペイン人は基本的に完全個人主義的自由を発想の原点とし、個人の権利主張には強烈なものを持ちながらも、家族血縁関係での結びつきが非常に強い。スペインでは他人への信頼の欠如と自己防衛のため、血縁内での相互扶助としての結束が歴史的環境上不可欠であった。この思考は信頼のシステムとしてDNAにインプットされているのか、今でも大きな変化はなさそうである。
一方、清濁併せ呑んだ女性の解放は、家族の離合集散を促進させた。単親家庭が1981年の6%、1991年の9%から2001年には17.7%に急増した。その内容は離婚52%、未婚の母37%(うち15~19歳が1.8%)である。失業、短期雇用などの経済的不安定と将来への展望の不透明感で、先のことよりも現在を充実させたい若者が70%と、現実重視の国民性が今また芽を吹き始めた。例えば5年後の見通しとして、同棲カップルが増加すると見込んでいる人が84.9%と、刹那主義的な混迷期に入り込もうとしている。
(中略)
徴兵制がなくなって、若者の核になっていた枠組みがぼやけた世相となった。制度の善悪とは別に、広いエリアから集まってきた若者たちにとって、たとえ1年間程度にせよ、寝食をともにする赤裸々な人間関係から生まれた友情は、血縁・地縁関係の強い閉鎖的スペイン社会ではかけがえのない人生の宝であった。彼らは相互に刺激し合い、このときをけじめとして大人への脱皮を心がけてきたように思われた。したがって、当時はせいぜい20代後半までが若者のカテゴリーであった。ところが、2001年では33歳強までと、若者の範囲が上へと急速に拡大した。世にいう乳離れができず、独り歩きのできない若者の高齢化は、心理的には国民性とも言える単数への恐怖、物理的には就職難と失業の慢性化、そして住宅価格の高騰(マドリード市内では過去4年間に宅地が100%、住宅は50%アップ)による。現実、若者のマイホーム入手は極めて困難である。一方、借家住まいも長期労働契約の証がないと無理である(マドリード市での若者就労者のうち57%が短期契約)。
このような若者を取り巻く社会環境の中で、実家から独立したくてもできない若者たち(30歳の男子47.2%・女子33.6%となり、10年間で20%増)の自暴自爆が、いくつかの社会問題の誘因となってきた。マドリード州の「21世紀を迎えた若者像」調査によると、「先のことは頭にない、今を楽しく充実させる」の回答が64%を占めた。この数字を裏付けるように、国家麻薬対策委員会では、全国で15~19歳の男子54.9%、女子50.9%がアルコールを消費し、とくに飲酒する女子数が急増したことを憂えて警告を発した。

  


激しい略奪、闘争の歴史と、乾燥しがちな土地での農業を継続していくため、裏切らない、結束した集団が必要だったのだと思われます。
そのため、スペインでは血縁により結束した集団=大家族が生活基盤となっていたのだと思います。
他者への不信と自己防衛から結束を固める家族、というのは、日本の村を中心とした集団とは異なるようです。
大家族のベースが父系制か、母系制か、というあたりも大きいと思われます。
大雑把に言えば、日本では集団性の上に個人主義が塗り重なっているのに対し、スペインでは個人主義の上に集団性が塗り重なっているように感じます。

しかし、現在のスペインでの大家族は、かなり崩れてきているようです。
元々個人主義に根差しているとすれば、大家族でなければ自分たちを守れなかった時代から個人で生きていける環境に変われば、大家族は崩壊していく流れになるのかもしれません。

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comments

う~ん、これからどうしましょ?
という感じですね。
今後につながる事を期待します。

  • 匿名
  • 2009年5月14日 19:09

>その背景には、社会での力関係の拡張=自己勢力圏の拡大の意図があり、結婚を味方の増加目的とするものがあった。また、結婚は一夫一妻とは限らず、一夫多妻も多夫一妻もあった。
Hikaruさんが引用されている文面からは、比較的最近の話のように思いました。
そういう意味で、外圧状況がいまいちつかめない感じです。
8000年以上の歴史を持つイヌイットの歴史が知りたいです。

  • mm
  • 2009年5月14日 19:26

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