2009年02月11日
骨が語る古代の家族と社会5 古墳時代になぜ父系化したか?
シリーズ最後に、古墳時代に父系化した原因を考察します。田中良之著『骨が語る古代の家族-親族と社会』(2008年)より。
骨が語る古代の家族と社会4 古墳時代で見たように、
双系のキョウダイ原理(基本モデルⅠ)に基づく社会が、
5世紀後半に男性家長の傍系親族を排除して、家長の子を加えた父系構成へと大きく変化した(基本モデルⅡ)。
6世紀前半~中葉になるとさらに基本モデルⅡに家長の妻が葬られるようになり、はじめて夫婦同墓となる(基本モデルⅢ)。
しかし、第二世代は基本モデルⅡ(=Ⅰ)のまま、すなわちキョウダイによって構成されており、それぞれの配偶者は同墓ではない。
このように5世紀後半の父系かつ直系への変化が、家長などのリーダーにのみに生じたものであり、家長権の父系継承にともなって家族が編成された結果、父系家族が成立したものと考えられる。
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- posted by okatti at : 2009年02月11日 | コメント (6件)| トラックバック (0)