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2010年07月30日

集団を超えた、共認原理に基づく婚姻体制って過去にあるの?2~過去投稿インデックス~

%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9集団を超えた、共認原理に基づく婚姻体制って過去にあるの?1に続いて、第2回目は、
(氏族)集団を超えた婚姻制=外婚」に関するるいネットおよび当ブログの投稿をおさらいして、当面の追求すべき課題を探ってみたいと思います。
最初に、主に参考にしようとしているレヴィ・ストロースの問題意識について。
(写真はココからお借りしました。)
相対論(=真理主義の自己否定)の限界と突破口より。

レヴィストロースは、神話や未開社会のフィールドワークを通じて、「神話には人間の自然に対する傲慢や堕落思考に対する戒め」が語られていることや「婚姻制度や贈与により異なる集団が巧妙に対立を回避させている」ことを知り、未開社会における「自我の防止策」に敬意を払いながら、それに比べると西洋の「自我に拘った」世界認識の稚拙さと、それが結果的に未開社会の侵略を推し進めたことに深い反省を持った人です。

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●互酬性と外婚
次に、「婚姻論」の史的価値では、婚姻論の歴史を俯瞰して
19C後半:社会進化主義(バッハオーフェン、モルガン)
→20C初頭:機能主義(マリノフスキー、ラドクリフ・ブラウン)
→20C中盤:統計的解析(マードック)および構造主義(レヴィ・ストロース)
→20C後半:人類学の混迷→霊長類学の台頭
と押さえた上で、
レヴィ・ストロースの『親族の基本構造』(1949)について、

核家族の普遍性に疑問が投げかけられ、単体の家族の「機能」よりも、社会全体の中で家族(引用者注:氏族集団)同士の結び付きがどのような「構造」になっているかが着目されていきます。その上で、父系社会における「嫁入り」=「女性の交換」という社会統合の視点が導入されます。

と紹介されています。
ただ、父系社会における「嫁入り」だけを「女性の交換」と言っているわけではなく、
・(氏族集団間の)外婚は互酬性に基づくあらゆる現象の原型で、その婚姻規則(交換体系)は集団を集団として存在することを保証する
女そのものが贈り物の一つ、互酬贈与でしか獲得できない贈り物のうちでも最高の贈り物にほかならない
と、大きく外婚全体を視野に入れています。
互酬性についての投稿は以下の通りありますが、外婚との関係を直接扱ったものはないので、補強しましょう。
「互酬」か「再分配」か
捧げものが同類闘争圧力により変質したものがポトラッチ
ポトラッチの実態
贈与の意義
ポトラッチによる集団間統合様式は私権社会を超えるヒントになる
「クラ交易」にみる贈与
●インセスト禁忌と外婚と互酬性
レヴィ・ストロースは、「インセスト禁忌と外婚は実質的に同一の規則をなしている。いずれも互酬規則である。」と、インセスト禁忌と互酬贈与とは根本において同一としています。
これについても以下の過去投稿がありますが、集団統合からの視点が多く、互酬性との関係の記述がないように思われます。
インセストタブーについて

敢えて、観念化してタブーとしたのは、やはり文化的な問題と考えた方が自然です。レビ・ストロースの『社会全体からみて,婚姻による女性の交換は,家族や親族などの集団が他の集団との紐帯をもつのに最も有効な手段であり,その機会を確保するため近親相姦や集団内の婚姻が禁じられるようになった』との主張を支持します。

「近親相姦のタブー」はどうして出来たの?
部族統合・氏族間結束のためのインセスト・タブー?
●外婚の事例
オセアニアを中心に多くの投稿がありますが、その代表をあげると以下。
「交叉婚」の集団性は?
カミラロイ族の交叉婚とアボリジニの集中婚
アボリジニ先住民族のプロミスト婚
また、「通い婚」→「母方交叉イトコ婚」→「父方交叉イトコ婚」への変遷を基点に、
婚姻規則の構造化に取り組んだものは以下。
【図解】交叉婚って何?(1)
【図解】交叉婚って何?(2)
【図解】交叉婚って何?(3)::スキンネームの謎に迫る
トロブリアント諸島における母系社会の再整理
これらの見直しから入って、順次アジアの構造解明へと進めて行きたいと思います。

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