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2020年05月12日

言語の進化過程(4) ~人類は1.5万年前に洞窟を出てから、一気に言葉の数を増やした~

動物の鳴き声は、みんな(or相手)に、何かを伝えるためにあります。伝えたい内容は、主に危険や餌の発見、あるいは威嚇や発情。
人類の言葉も、みんなに何かを伝えるためにあるように見えます。しかし、人類の言葉の生命部分は、伝える手前の追求の過程にこそ宿っています。即ち人類の言葉は、「みんなで考える(答えを出す)」と同時に、「みんなに伝える」という二重性を持っています。大事なのは、言葉を発する前にある伝えたい答え=何らかの意識or認識なのです。
以下、『るいネット」の記事から言語の進化過程を紹介します。(リンク)(リンク

●予測の重要性から、未来への意思や推測であることを区別する意志動詞や予測動詞が生み出され、続いて過去と現在の区別(時制)を明示する動詞の語尾変化が生まれた。

先を読む必要は、洞窟時代から極めて高かったが、それは動容詞や時詞や所詞によって示されていた。しかし、それらだけでは、現在の事象を伝えているのか、未来に向けての意思・願望を伝えているのか、あるいは先の予測を伝えているのかが、不分明である。
しかし、洞窟の外に出る時間が増えてゆくにつれて、未来に向けての意思や願望を伝える必要や先を読む必要も高くなってゆく。かくして、(未来に向けての)意思や推測を示す接頭詞に加えて、意思や推定であることを明示する「~したい」「~だろう」等の意思動詞や推測動詞が生み出された。

また、先を読むためには、過去を知る必要も高くなる。そして、それを正確に伝えるためには、現在と過去を区別する必要も高くなる。そこで、動容詞の語尾を変化させて現在と過去を区別するようになり、それに伴って動詞の時制による語尾変化の活用規則が不文律として定められていった。

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●観念機能の発達と道具の発達。人類は1.5万年前に洞窟を出てから、一気に言葉の数を増やした。

人類は、500万年に亘って洞窟の中に閉じ込められてきたが、人類にとって生存力の強化は一貫して最先端の追求課題であり、利用できる物は何でも利用したに違いない。従って、原人の頃(数十万年前)には、すでに動物の毛皮(=衣)や丸太(=舟)ぐらいは利用していたと考えられる。
ところが、利用できる素材は限られている。おそらく、「こうすれば上手くいく」という数々のイメージは頭の中にあっただろうが、それを実現できる素材が見つからないまま数十万年の時を過ごしてきたのだろう。
しかし、観念機能が発達し、実現イメージを言葉で伝えることができるようになると、みんなで必要な素材を探し始めるようになる。
こうして数万年前に石刃が発見されると、木や骨を加工することが可能になり、石製の槍先や刳貫きの舟や釣り針や針等が、次々と発明されていった。この3万年前前後の爆発的な道具の進化は、実現イメージを頭に描き、更にそれを言葉で伝えることができる段階にまで、観念機能が進化していた証しである。

観念機能の発達→道具の発達によって生存力を強化してゆくにつれて、人類が洞窟の外で過ごす時間が更に増えてゆく。そして、それにつれて対象世界が大きく広がってゆき、それにつれて対象を示す言葉の数が増えてゆき、それが更に観念機能を進化させてゆく。
こうして2万年前頃、遂に人類は他の動物たちと互角以上に闘える武器=弓矢を発明した。(ほぼ同時期に、土器を発明し、洞窟壁画の顔料を生み出している。)
この、弓矢の発明をもって人類は遂に洞窟から出て野や森で安全に暮らせる段階にまで生存力を上昇させることができたが、それは同時に言葉の数を爆発的に増やすことになった(人類平均としては、1.5万年前頃)。

ラスコー壁画
画像は2万年前の「ラスコーの壁画」

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