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2020年05月28日

スーパーシティ構想は共同体社会とは対極!超監視型の特定企業統治で利権社会そのもの

コロナ禍が束の間、落ち着きつつある状況だが、表題のスーパーシティ法案が参議院で可決されたという報道がにわかに出てきた。このスーパーシティという構想自体、海外(ドバイ、杭州、トロントなど)の先進事例から遅れまいとした薄っぺらい構想でしかなく、特定の企業に都市を統治させるという危険な意図が隠されている。このことからカナダでは住民の反対から中止に追いやられたらしい。

そもそも安倍政権の国家戦略特区という政策に基づくものであるが、政権に近しい利権団体がお仲間による審議会ででっち上げて政策化制度化しその利権を分け合っているに過ぎず、国家戦略とは程遠い。このご時世、あまねく国民の恩恵がある政策こそが有効であるが、現行の政治、行政制度では実現が困難である。

地域の自主自立とこのスーパーシティ構想は規模こそ同じように感じられるが、根本原理が違うようだ。この違いをあぶりだすことが次代の社会に向けて必要だと思う。

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■スーパーシティ構想の中身は?

数年前から、あの竹中平蔵や片山さつきが絡んでいる。その経緯と概要を下記の記事からつかんで頂きたい。特に問題は運営主体が特定の企業も参画するところ。利権がらみで住民の自治、主体性が逆にうとなわれてしまいかねない。また、首長の権限を強化しいわば準独裁体制を敷きかねないところで、合意形成の方針について記載がない。

また、ひたすら利便性を謳い上げているが、これ以上の利便性は必要なのか?その見返りの犠牲があることを考えると疑問である。

 

【saya】竹中平蔵氏の最先端都市スーパーシティ~企業が国家を経営する


From saya@歌手/チャンネル桜キャスター

『政府は29日、国家戦略特区制度を活用した最先端都市「スーパーシティ」構想について検討するための有識者懇談会(座長・竹中平蔵東洋大教授)の初会合を開いた。』

2016年頃より政府が打ち出してきた科学技術政策の基本指針【ソサエティ5.0】の舌の根も乾かぬうちに今度はいったい何をしようというのか。

片山さつき地方創生担当大臣が有識者わずか7名を集め私的懇談会を開き座長に迎えたのはかの有名なパソナグループ会長の竹中平蔵氏だった。

さて11月末には基本コンセプトをまとめるとの事だが、 現在までの概ねの方針は国家戦略特区のホームページで確認できる

自動運転車両と現金を使わないキャッシュレス化が目下の目玉とのこと。A.Iを取り入れた海外都市の先行事例についても検証が行われた。

有名なのは中国杭州市とアリババが手を組んで開発した人口知能による交通のシティブレイン化。これによって交通渋滞はほぼ無くなり、 車両のスピードが15%も速くなったとの事。カナダトロント市郊外でヒト・モノ・カネの動きをセンサーで把握し ビッグデータを活用した街づくりが行われている例や、ドバイでは警察のロボット化や政府の電子化(手続きの全てを電子化)などが
実行されている例など資料も公開されている。

しかしながら、トロントでは個人情報の利用について住民と係争中、 一元管理に反発し街から去る人々も多くいるという。また杭州市の場合、交通網という大きなインフラ管理ゆえ、コンピュータウイルスやサイバー攻撃などで万が一システムが崩壊した時
どれだけの人命が危機にさらされるかは計り知れない。

新しい事には新しいリスクがつきまとう事を片山大臣と有識者には充分に検討し日本に本当にこのような特区が必要なのか考え直してほしい。

さて、そんななか私が最も驚いたのは座長竹中氏が打ち出している【スーパーシティ五原則】(たたき台)だ。https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/supercity/dai1/shiryou3.pdf以下転載

1、何を目指すか 世界最先端の技術を実証するだけでなく、 第4次産業革命後の未来の社会、生活を包括的に先行実現するショーケース

2、基本構成要素
・未来像:少なくとも、自動走行、キャッシュレス、行政ワンスオンリー。その他、医療、介護、教育、エネルギー等を含め、未来像の包括的な提示
・住民の参画:未来像の実現に合意し参画する住民
・強い首長:住民の合意形成を実現できる、ビジョンとリーダーシップを備えた首長
・技術を実装できる企業:世界最先端の技術を実装できる、中核となる企業

3、エリアの選定
都市の一部区域を含め、ごく少数のエリアを、透明なプロセスで選定

4、域内の運営
・国・自治体・企業で構成するミニ独立政府が運営主体
(従来の特区の区域会  議のさらなる強化、住民参画の仕組みも組み込む)
・社会設計を担うアーキテクトを置き、権限を付与

5、国の役割
・域内の規制設定の権限は原則としてミニ独立政府と住民に委ねる
・必要なインフラ整備は国主導で迅速に行う

2018年10月29日
竹中平蔵

スーパーシティ

画像はhttps://www.asahi.com/articles/ASN5N6RSBN5NUTFK004.htmlよりお借りしました。

 

■課題はこういう利権勢力をいかに乗り越えるか

現政権が利権勢力のやりたい放題となっていることはすでに多くの国民も知っている。そしてこの対コロナ政策のでたらめぶり。国民としてはそういう政策・制度に依存せず自立する手がかりをつかむことがなりより求められる。例えば、島根県雲南市なども自治体発ではあるがその兆しが生まれている。

 

「地域自主組織」活動計画の策定のために

 

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