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2020年10月22日

日本人の性意識はどうなっているのか? -3

前回は、「日本に蔓延するセックスへの絶望」という記事を取り上げたが、さらに追い打ちをかけるようにコロナ禍中の今年度の妊娠率の発表が厚生労働省から出た。なんと昨年度に比べ、4月以降の総計で10%ほども激減していることが判明した。この妊娠率は母子手帳を受理するために各自治体に申請された数を集計したものらしいが、ほぼ出生率と相関しているとしてよいだろう。事態の深刻さがわかる。

感染リスクにおびえる心理は否定できないが、年々出生率が低下していることからも原因はもっと深いところにあり、前回指摘したように、主犯が男女同権という勘違いであり、そこから派生した様々な制度や装置に疲れ果てたことも大きい。それを親、学校、メディアなどから浴びせ続けられ、本来の基軸本能である性でさえ発現しなくなった疑いが濃厚である。

今回は、性教育の貧弱な実態を紹介したい。

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■妊娠率(出生率)の低下がとまらない

 

令和2年度の妊娠届出数の状況について

厚生労働省子ども家庭局 母子保健課 発表

新型コロナウイルス感染症の流行が本格化した本年4月以降の届出件数と、前年同月との比較は次のとおりです。
○令和2年4月の妊娠届出数は75,807件であり、前年同月の76,083件と比較すると0.4%減。
○令和2年5月の妊娠届出数は67,919件であり、前年同月の81,911件と比較すると17.1%減。
○令和2年6月の妊娠届出数は67,115件であり、前年同月の70,973件と比較すると5.4%減。
○令和2年7月の妊娠届出数は69,448件であり、前年同月の77,929件と比較すると10.9%減。

1

・妊娠届出は、母子健康手帳の交付や妊婦健康診査、両親学級、産前産後サポート事業などの母子保健サービスが
適切に住民にゆきとどくよう、市町村が妊娠している者を早期に把握するための制度である。
・法令上、妊娠届出時期について時限は定められていないが、厚生労働省では、妊娠11週以下の時期の届出を勧奨
しており、平成30年度には93.3%の妊婦が、妊娠11週までに届出を行っている。

 

■その原因の一つとして学校などからの性の誤った考え

思春期以前からの性に関する誤った知識、感覚、感情がその後の行動に結びつく。ここを抜本的に見直し、本来の生命原理である雌雄の分化から、その役割と主としての淘汰原理を含めた得心が必要である。現状は性に対して否定的あるいは注意深く取り扱わなければいけない危険物であるかのように指導されている。また、あくまで性を個人あるいはその周辺領域の家庭計画という枠内でしかとらえていないから、性が軽視あるいは誤解されていくように思われる。さらに、近代の個人を原点とし、権利をことさらに強調する根本姿勢が生命原理からかけ離れており、性という在り様を見誤らせる原因となっている。

その問題点を示唆した記事を抜粋する。

 

わが国の性教育の現状と課題

現代性教育研究ジャーナル 日本性教育協会 東京医療保健大学看護学部教授 齋藤益子氏の記事から

1 .文部科学省の学習指導要領に示されている性教育の内容

1)小学生への指導

体の発育・発達について理解できるようにする。

解説:①男子はがっしりした体つきに、女子は丸みのある体つきになるなど、男女の特徴が現れることを理解できるようにする。②思春期には、初経、精通、変声、発毛が起こり、また、 異性への関心も芽生えることについて理解できるようにする。③これらは、個人によって早い遅いがあるもののだれにでも起こる、大人の体に近づく現象であることを理解できるようにする。④指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮することが大切である。

各学校では4 年生女子に月経教育が行われる。しかし、多くの学校では射精教育を中心にした男子への性教育は十分ではない現状がある。また、一般に使用される「性教育・二次性徴」ということばは使用されていない。筆者は初経教育を終えた5年・6年生を対象に「命のバトン」として生命誕生の話をしており、『成長する自分の体を知ろう』2)を指導テキストにしている。

2)中学生への指導

心身の機能の発達と心の健康について理解できるようにする(中学1年生)。
解説:①思春期には、下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの働きにより生殖器の発育とともに生殖機能が発達し、男子では射精、女子では月経が見られ、妊娠が可能となることを理解できるようにする。②身体的な成熟に伴う性的な発達に対応し、性衝動が生じたり、異性への 関心などが高まったりすることから、異性の尊重、性情報への対処など性に関する適切な態度や行動の 選択が必要となることを理解できるようにする。③指導に当たっては、発達の段階を踏まえ学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮することが大切である。

健康な生活と疾病の予防(中学3年)
解説:①エイズ及び性感染症の増加傾向とその低年齢化が社会問題になっていることから、その疾病概念や感染経路について理解できるようにする。②予防方法を身に付ける必要があることを理解できるようにする。例えば、エイズの病原体はヒト免疫不全ウイルス(HIV)であり、その 主な感染経路は性的接触(※「性交」という用語は使用していない)であることから、感染を予防するには性的接触をしないこと、コンドームを使うことなどが有効であることにも触れるようにする。③指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ること などに配慮することが大切である。

男子の精通平均年齢は13.2 歳、女子の平均初経年齢は12.3 歳であり、中学生への性教育は大変重要である。学習指導要領には、表2に示すように総論として示されている。中学3 年生で、性感染症の予防としてのコンドームの使用が有効であることには触れているが、コンドームについての正しい使用法などは指導外になっている。具体的に性感染症の予防について、感染経路や性的接触をしないことなどをどのように指導するかは個々の教育者に委ねられており、学校の校長の方針の違いや、教員の学習指導要領の解釈の違いなどから、内容に大きな差があるのが現状である。筆者は妊娠や出産に関する中学生の理解のための教材として、『生命の誕生~私たちの命のバトン~』を出版している。

3)高校生への指導

保健の科目の観点
健康の保持増進と疾病の予防
内容:①感染症の発生や流行には、時代や地域によって違いがみられる。②その予防には、個人的及び社会的対策を行う必要がある。

解説:①感染症は、時代や地域によって自然環境や社会環境の影響を受け、発生や流行に違いが見られることを理解できる。その際、交通網の発達により短時間で広がりやすく なっていること、また、新たな病原体の出現、感染症に対する 社会の意識の変化等によって、エイズ、結核などの新興感染症や再興感染症の発生や流行が見られることを理解できるようにする。②感染症の予防には、衛生的な環境の整備や検疫、正しい情報の発信、予防接種の普及など社会的な対策とともに、それらを前提とした個人の取組が必要であることを理解できるようにする。生涯を通じる健康―生涯の各段階における健康①思春期における心身の発達や健康課題について特性的成熟に伴い、心理面、行動面が変化することについて理解できるようにする。これらの変化に対応して、自分の行動への責任感や異性を尊重する態度が必要であること、及び 性に関する情報等への適切な対処が必要であることを理解できるようにする。なお、指導にあたっては、発達の段階を踏まえること、学校 全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに 配慮する。②健康な結婚生活について、心身の発達や健康状態など保健の立場から理解できるようにする。その際、受精、妊娠、出産とそれに伴う健康課題 について理解できるようにする、家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響などについても理解できるようにする。また、結婚生活を健康に過ごすには、自他の健康への責任感、良好な人間関係や家族や周りの人からの支援、及び母子への健康診査の利用などの保健・医療サービスの活用が必要なことを理解できるようにする。なお、男女それぞれの生殖にかかわる機能については、必要に応じ関連付けて扱う程度とする。

高校では、上述の様に、集団教育としては総論で、必要時に具体的な指導は個別に対応するという方針である。性に関しては結婚生活と合わせて教育することになっており、性教育としてよりも生涯を通した健康という視点であり、実際の授業でも「コンドームの付け方」は不要なのである。わが国では「雨降り保健」といわれ、晴れたら体育、雨がふったら保健という学校もある。性教育は保健体育の担当教員の裁量に委ねられており、体育を専門にしている教師はほとんどの時間を体育に費やし、保健の授業はテキストを読ませて終えている現状もある。文部科学省の学習指導要領に示された「性に関する箇所」の表現は極めて表面的であり、明確な性教育の内容を示すものではない。田代は「過激な性教育バッシングが激化するなかで、性交やコンドーム、避妊などの科学的な知識を扱う性教育が過激な性教育とされ、現在でも文科省は性教育を積極的に推進する姿勢は示していない。」と述べ、日本は東アジア諸国の中でも遅れていると指摘している。望まない妊娠や性感染症に悩む高校生がいる現実とは乖離したものである。筆者は高校生向けのテキスト『もしも妊娠したら… 中絶しますか? 産みますか?』を作成している。

 

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