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2021年01月21日

性の現役世代の大人たちこそ「性の学び直し」が必要になる

私たちはもうずっと長い間、性的なことを「下品でイヤらしい下ネタ」で、「恥ずかしくて人前では話せないこと」という社会の空気に慣らされてきました。

その結果、21世紀の日本では、恋愛やセックスに苦手意識があって、その機会を遠ざける男女が急速に増え続けています。独身かつ恋愛のパートナーを持たない「おひとり様」と、パートナーがいても「セックスレス」状態の夫婦やカップルの割合が、史上かつてないほど上昇しています。
その一方で、例えば結婚できても、その絆を維持できずに離婚に至る夫婦が増え続けているという事実。離婚原因の中でも最も多い「性格の不一致」の中には、実は「性の問題」がかなり大きな割合を占めています。

以下、夏目祭子・著『あなたが目覚める愛と性のギフト』より引用します。

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◆恋愛・結婚の悩みの裏には「性の問題」が隠れている
恋愛や結婚に対する「もう一歩、積極的に踏み込めないためらい」や、「相手がいても、どこか満たされない不完全燃焼感」の裏には、必ずと言っていいほど「性の問題」が隠れています。それだけ多くの人が、性に対して「いけないことをしているような罪悪感」や「心の底から楽しめていない苦手意識」を抱え持っているということです。
今、数十年前よりも恋愛や結婚を難しく感じる男女が増え続けている原因は、一つには社会的な事情も背景にあります。

第一に、相手を見つけにくいという点について。いい悪いは別にして、昔の社会にはあった、自分が所属している地域や職場などの生活集団の中で「自然に周りの人たちから出会いや結婚をお膳立てされる仕組み」が失われてしまったこと。
第二に、性生活がうまくいかないという点については、大古から戦前頃までに存在していた、「性の肝心なところを教育する場」が消えてしまった影響が大きいでしょう。

こうした事情が絡まり合って、今や多くの人たちが、「自分の性を心の底から肯定して、相手と本能的な喜びを分かち合う体験」から遠ざけられているからだといえます。
そこでもし、なかなか人に言えない、性という「心の中の闇の部分」に光を当てることができれば、性別にかかわらず、自己肯定感が大きく高まるし、本来誰もが持っている「人を愛する力」も、屈折することなく素直に発揮されやすくなるのです。

◆性の現役世代の大人たちこそ「性の学び直し」が必要になる
最近では、多くの人が「もう自分の性の問題について、見て見ぬふりができない」と気づき始めています。だけど、そこからムクムクと湧いてくるのは、「性に関することを猥談としてではなく、まじめに話す機会が身近にない」という不満と、「新しい子どもを産む“いいこと”のはずなのに、どうしてイヤらいしいこととして扱われているんだろう?」という素朴な疑問。そのモヤモヤして空気は、次の三つの方向からきています。

一つ目は、家庭で「親が子供に隠す」こと。たとえば、子供から「どうやって赤ちゃんがお腹に入るの?」と聞かれても、その話には触れないように言葉を濁したり、テレビで男女の濡れ場が出てきたら子供に見せないようにチャンネルを替えたり、まして自分たちのセックス現場は子供には絶対見せられない! とコソコソ隠れてすることになる。そんな親たちの態度を見て育った子供は、それは「いけないこと」「後ろめたいこと」のような感覚を受け取ります。

二つ目は、学校で「そこだけ教えない」こと。実際に文部科学省の学習指導要領では、月経や射精といった男女それぞれの体の仕組みと、妊娠・出産の仕組みは教えるけれど、その間をつなぐセックスの行為には触れないことに決められています。

三つ目は、商業メディアで「ことさら性をイヤらしく描き、暴力的な表現が目立つポルノ情報があふれている」こと。

この三拍子が揃うと、とてもマズイことが起きます。というのは、「性行為ってどうやればいいの?」という素朴な疑問に対する適格な答えを、親からも先生からも教えてもらえず、好奇心だけがかき立てられた少年少女たちが、真実とはかけ離れた、ことさらにイヤらしく暴力的に歪められた、AV(アダルト動画)などのポルノ情報を“性の教科書”として学習してしまうことなのです。

これはなにも、今どきの青少年に限った話ではなくて、戦後に育った中高年世代にも当てはまること。そうして、いびつに歪められた性の姿を、当たり前のように意識に刷り込まれて育った今の大人たちが、子供に性について語れない原因は、ざっくり三つ。まずは、イヤらしい気がして恥ずかしいから。次に、自分もきちんと教わったことがないので、適切な言い方がわからないから。さらに、自分があまりいい性体験をしていないために積極的に話せないから。

これはつまり、子供や若い人たちへの性教育以前に、まず性の現役世代の大人たちこそ、「本当の性の学び直し」が必要ということなのです。

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