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2022年05月28日

同期とは?①:自然界や人類にみられる同期現象

 

画像はこちらからお借りしました

 

前回までの記事では、人類が”全面受容”に収束していった過程をみてきました。木から落ちてしまい、洞窟の中で、充足源であった同類を喪失し不全状態となった人類は、全てを受け入れる”全面受容”という能力を獲得することになりました。そして、そのような人類がたどった過程が、赤ちゃんの成長過程にも、適応力を上がるメカニズムとして刻印されているのではないか?ということを扱いました。

この”全面受容”とは、自分をなくして、全面的に相手を受け入れる、あるいはゆだねるような状態に至ることですが、これは、自分を一切捨て去り、対象(相手)と思考や行動をシンクロするということでもあります。この全面受容から、相手と自分を同期できるようになったことが、サルと人類の大きな違いです。

そこで、今回の記事では、この”同期”に焦点をあてて、様々な同期に関する事例をみていきたいと思います。

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■同期とは何か

まず同期とは何でしょうか。最初に同期現象を発見したのはホイヘンスという科学者で、壁に掛けた2つの振り子時計の振り子の運動が、いつもいつの間にか揃ってしまうことに気付きました。壁の微小な震動を通して2つの振り子が互いに力を及ぼし合っていたのです。つまり同期とは、波動が相互に交信し、同じ周期になることで一体化することと言えそうです。

 

■人体の同期現象

人にあてはめると、意識がひとつになるような場面でしょうか。例えば、言葉を交わさずとも、お互いの気持ちが分かったり、気が通じ合うことは良くありますよね。スポーツや音楽でも、仲間とのシンクロを体感することがあるかと思います。このとき、自分と相手の声や動きが重なり、自他の境がなくなっています。

人体にも、同期現象があります。例えば、心臓の鼓動はペースメーカー細胞という細胞がつかさどっていますが、多くの細胞がリズムをそろえて、心臓を周期的に動かしています。さらに、この同期は一人の体の中だけで起こるものではなく、ある人の心臓から発せられた電磁波が、周囲の人の脳波とシンクロし、周りの人の感情や身体にも影響を与えていると言われています。ポジティブな人の周りにいるとやる気がでてくるのは、電磁波を通じた人体の同期が、心の充足にも影響を与えているからかもしれません。

 

■動物の同期現象

同期現象は生物でも観測されます。例えば、ホタルの同時発光です。初めはばらばらな周期で明滅しているのですが、周囲とコミュニケーションしつつ明滅の周期を変えていくうちに、突然、すべてのホタルの明滅の周期が一緒になります。そのほかにも、例えば動物の群生行動は、同期により仲間の微細な波動や物質をキャッチすることが、連携行動を可能にしています。

 

■同期現象をもつ最も古い生命体は?

さて、人間や動物にも同期現象があることが分かりましたが、根源的には、どこまでさかのぼるのでしょうか。なんと微生物までさかのぼります。例えば、単細胞アメーバの一種である「細胞性粘菌」は、外圧に適応するために、集団で変化をします。餌がある状況では分割を繰り返して増殖を続けますが、飢餓状態になると分割を停止し、1000個から10万個程度のアメーバが凝集します。次第にナメクジ状の移動体と呼ばれる形状となり、動物のように移動します。その後、移動体は背に光を浴びると植物のように上方に伸びて、胞子を飛ばし、湿り気の有る場所で再び粘菌アメーバとなります。このように、生存上の危機になると、相互に同期して一体化し、エネルギーの授受、増幅をを行うことは、生物の根本的な適応様式となっています。

画像はこちらからお借りしました

 

同期による連携行動は、単細胞から生物が持っており、それはエネルギーを増幅させることで、外圧に適応するための戦略のひとつだったのです。それが、人類が極限時代に入り、同類欠損から主体を喪失し、生存の危機におかれた中で、共認回路や観念回路を進化させていく上での、重要な機能として働いたのだと考えられます。次回は、同期行動が私たちに何をもたらすか、を見ていきたいと思います。

 

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