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2019年9月16日

2019年09月16日

逆境進化説(弱者進化論)4~6550年前の隕石衝突を生き延びた、水辺に棲む爬虫類と夜行性の哺乳類

6550万年前 隕石衝突 恐竜絶滅。

この過酷な環境を生き抜いた生物たちはどのようにして、この大災害を乗り越えたのか。その原因もわかっていないが、生き抜いた生物たちには共通点があるという。THE21 ONLINE「最強の恐竜が滅び、弱者が生き残った理由とは?」稲垣栄洋

【1】水辺に棲む爬虫類と空に棲む鳥類
それは、恐竜たちに虐げられ、大型の恐竜が棲まない限られた生息場所「水辺」を棲みかとしていた敗者たち=爬虫類である。爬虫類たちは水辺を棲みかとし、巨大なワニのような大型の爬虫類も発達した。

爬虫類が棲む水辺は生命に必要な水がある。高熱を避けることができ保温効果のある水は「衝突の冬」と呼ばれる厳しい環境を乗り越えることにも役立ったかもしれない。また、爬虫類が変温動物であったことも幸いしたのかも知れない。ヘビやカメなどの爬虫類が冬眠をするように、変温動物である爬虫類は気温が低くなると代謝活動が低下し、エサを必要としなくなる。

鳥も隕石衝突を乗り越えた。鳥となった恐竜は、他の恐竜の支配が及ばない空を生息場所としていた。地上では弱者であった鳥たちは、穴の中や木の洞の中に巣を作っていた。こうした隠れ家を持っていたから災害を逃れることができたのではないかと考えられている。また、翼を持つ鳥は遠くに移動することができることも功を奏した。

もちろん、鳥類の多くも絶滅したが生き延びた少数の種が適応放散し、多様な鳥類に進化してゆく。

哺乳類も隕石衝突を生き延びて適応放散した。哺乳類はなぜ生き延びることができたのか?

【2】夜行性の哺乳類
現在まで生き残る哺乳類は共通して、元々は夜行性だったらしい。
『進化の歴史』「大量絶滅からの再出発」長谷川政美

恐竜はいなくなったものの、依然として恐鳥類と呼ばれるディアトリマなどの巨大な肉食鳥やワニが繁栄しており、哺乳類は昼間の世界で活動できなかった。

5600~3400万年前の間にディアトリマなどの恐鳥類が絶滅。その原因は、その頃台頭してきた肉食哺乳類だったとされている。恐鳥類を絶滅させた肉食獣は昼行性だったと思われるが、現在の肉食獣とは別の系統であり、その後絶滅した。

2.5億~6600万年前まで、哺乳類は夜行性だった。稀に昼行性も現れたが絶滅。

6550万年前恐竜が絶滅すると昼行性哺乳類が増えたが、3400万年前、気候が寒冷化に転ずると絶滅。化石からもそれまで繁栄していた多くの哺乳類が3400万年前の寒冷期に入ると絶滅したことが知られている。
3300万年前段階で、現生哺乳類の祖先はほとんどすべて夜行性だったと推定されている。

寒冷な気候がなぜ夜行性と結びつくのかは明らかになっていない。夜行性は寒冷化の前適応だったという説もある。つまり、恐竜全盛時代に夜行性に追いやられた哺乳類は、太陽光を浴びられない不利を克服するために体温を代謝熱で維持する内温性やその熱を外に逃がさないための毛皮などの保温装置を進化させた。3400万年前に始まる寒冷期が終わるまで、そのような特徴を生かして夜行性の生活を続けた種の子孫だけが現在まで生き残ったと思われる。

 

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