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2019年9月15日

2019年09月15日

哺乳類の進化過程~母乳は汗が変異し、胎内保育は免疫を抑制するレトロウィルスから生まれたという説

哺乳類はどのようにして登場したか?

母乳の起源は殺菌力を持つ汗であるという説がある。

「生命大躍進 こうして母の愛が生まれた|NHKスペシャル2015.6.8」の要約。

【1】母乳はどうやって生まれたか?

汗のように吹き出すハリモグラの母乳は、卵がかえる前から湧き出している。赤ちゃんの栄養とは別の役割がある。ハリモグラの母乳には、αラクトアルブミンという母乳の甘い栄養分を作るたんぱく質とリゾチームという殺菌力を持つたんぱく質が含まれている。ハリモグラはリゾチームを含む液体で卵を濡らし、雑菌の繁殖を防いでいると考えられる。
全く働きの異なる2つのたんぱく質だが、構造はよく似ている。母乳の起源は殺菌物質のリゾチームを含んだ汗のような液体で、それが変化して母乳のもとαラクトアルブミンを含む栄養豊富な液体に変わったという説がある。

哺乳類の祖先たちは薄く柔らかい膜に覆われた卵を産んでいた。卵に雑菌が入り込むと中の赤ちゃんが死ぬ。そこで母親たちは、殺菌物質リゾチームを含む汗のような液体で卵を濡らし、雑菌の繁殖を防いでいた。
その後、リゾチームを作る遺伝子の一部に突然変異が起こり、作られるたんぱく質の形がわずかに変わり、母乳たんぱく質αラクトアルブミンが生まれ、卵の殺菌が目的だった母親の汗に甘い栄養分が含まれるようになった。これを卵からかえった赤ちゃんが舐めたことが母乳の誕生。

【2】胎盤はどうやって生まれたか?

2.5億年前の史上最大の大絶滅を生き延びた哺乳類ジュラマイアの化石(1.6億年前)には、胎盤があった。
これによって、赤ちゃんは母親の子宮に密着し、栄養や酸素を母親から受け取れるようになった。哺乳類も元々は、受精卵を殻で覆い外へ産み落としていたが、受精卵の中にある赤ちゃんの尿を溜める袋が発達し母親の体の一部に密着したのです。これが胎盤となり子供は母親の胎内に留まって育つようになった。

胎盤の登場によって子供が無事に育つ確率は卵の時代に比べて飛躍的に高まった。なぜ哺乳類は突如、胎盤を手に入れることができたのか?
PEG10という遺伝子が重要な役割を果たしている。この遺伝子は1.6億年以上前に突如現れ、その後の哺乳類に受け継がれた。PEG10遺伝子は、様々な病気を引き起こすレトロウイルスとよく似ている。レトロウイルスが祖先のDNAに入り込み、胎盤を生み出すPEG10遺伝子になったと考えられる。

胎盤には、ウイルスから貰ったとも考えられる不思議な能力が備わっている。それは、母親の免疫を抑えるという能力である。
親子であっても時に血液型すら違う別人である。そんな赤ちゃんが体内にいれば、母親の免疫によって異物とみなされ攻撃される。それを胎盤が母親の免疫を抑えることで防いでいる。レトロウイルスも相手に感染するために免疫からの攻撃を抑える能力を持っている。この力がレトロウイルスをDNAに取り込んだ哺乳類にも伝わり、胎内保育を可能にした。

その後、胎盤の能力は強化され、子を身ごもる期間は長くなっていった。安全な母親の胎内でより成長してから生まれてくるように。

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2019年09月15日

逆境進化説(弱者進化論)3~低酸素下で繁栄した恐竜と隠れ棲む哺乳類

3.6億年前 生物の大量絶滅(寒冷化と海洋無酸素事変)

3.6億年前 肺を進化させた最初の両生類(ペデルペス)が水辺で陸上生活。

3.15億年前 両生類の一部は「羊膜」を獲得して地上で繁殖。羊膜は、胚(多細胞生物の個体発生における初期段階の個体)を乾燥から守る膜。羊膜を獲得した種は乾燥地帯や砂漠にまで生息範囲を拡大。
この羊膜類が、乾燥適応した先爬虫類(双弓類)と寒冷適応した先哺乳類(単弓類)に分岐。
乾燥適応した先爬虫類(双弓類)は、変温動物であったために赤道近辺にしか棲息できなかった。
寒冷適応した先哺乳類(単弓類)は恒温性を獲得し寒冷下で生き延びられるようになり、卵胎生=卵を体内で孵して生む種も登場した。こうして寒冷適応した先哺乳類(単弓類)は、爬虫類よりも広い生息域を確保し、様々な種が登場した。

2.5億年前 史上最大の大量絶滅。地球上の全生物種の70%、海中に限ると96%が絶滅。メタンハイドレートが大量に気化し酸素濃度が著しく低下したため。以降1.4億年前まで低酸素時代が続く。酸素濃度が3億年前35%→2.5億年前15%→2億年前12%に低下。(現在は20%)
先哺乳類(単弓類)のほとんどが低酸素の環境に適応できなかったため絶滅。一部の種が横隔膜を進化させ呼吸効率を高めることで生き残った。

一方、爬虫類は、より呼吸効率の高い気嚢システムを進化させ低酸素に適応し繁栄。爬虫類の肺には前部と後部に気嚢という器官がつながっており、空気は後気嚢→肺→前気嚢に還流する。それによって、息を吐いている時も肺には新鮮な空気が流れる仕組み。鳥類も同じ呼吸システム。「哺乳類型爬虫類の絶滅と恐竜の台頭」長谷川政美

2.25億年前 横隔膜をもつ単弓類から最古の哺乳類アデロバシレウス。 体長10~15㎝、トガリネズミに似る。夜に森林の落ち葉の中に隠れ棲み、虫などを食べていた。胎盤なしで卵生or卵胎生とされているが、本当?

 

2.2億年前 大量絶滅←隕石衝突?火山活動? 以降、気嚢システムを進化させた恐竜が繁栄。哺乳類は恐竜が活動しない夜に活動する小型の夜行性動物として生き抜く。

1.6億年前 最古の有胎盤哺乳類ジュラマイア。中国で化石発掘。体長10cmでトガリネズミに似る。樹上で昆虫などを食べていたとされるが、本当に樹上?

1.45億年前以降 大気中の酸素濃度が上昇。

1億年前以降は、現在と変わらない酸素濃度20%にまで上昇。

6550万年前 隕石衝突 恐竜絶滅。

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