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2007年11月12日

一夫多妻の世界 <モニ族編 >

今日はダニ族(ダニ族①ダニ族②を参照)と同じ一夫多妻制でありながら、一戸の家族がそれぞれ独立して、家族中心主義的な住まい方をしているモニ族をピックアップしてみたいと思います。
現地を訪れた【ニューギニア高地人】の著者本多勝一氏によると、モニ族は、現代日本の家族に近い家族形態をした一夫多妻制のようです。氏族集団をより細分化し、家族集団としたモニ族の生活形態はどのようなものなのでしょうか?
(↓ダニ族とモニ族は下の地域に住んでいます。画面をクリックすると大きくなります。)

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山地パプア諸族のうち、ダニ族のような「男の家」「女の家」をもつ社会は東ニューギニアからパリューム谷の東ダニ族につながる地域に存在し、モニ族のように家族単位の社会は、西側のカポーク族などにつながる地域に存在しているようです。山地パプア諸族のあいだに見られる東と西の2つの類型の社会構造は、前回紹介したウキンバでぶつかり合ってるようです。ウキンバはダニ族とモニ族が近接した地域といえるようです。
モニ族の居住形態は、家族が独立して居住する家屋をとりまいて、家族の畑があります。家と家との間は、離れ離れになっています。家屋は一棟を「男の部屋」「女の部屋」にしきって家族の男性成員と女性成員を隔離するか、または一つの敷地内に「男の棟」「女の棟」をつくるかで、家族単位に独立した居住形態をとっています。
耕作も一家族の労力のみのよってなされ、ダニ族の様に家族以外の社会単位に男女隔離をする形態はとっていません。耕作など労働も家族以上の社会単位による共同労働はないようです。
そのためダニ族の氏族集団で切り拓いた耕地に対して、モニ族は点在する狭い耕地での家族集団による耕作を行なっています。
散村形態をとるモニ族には、血縁集団の男子成員が共同生活をする「男の家」「女の家」のような性格をもつ建物はないし、集会場となるげき広場もない。
モニ族の社会には、共同生活や共同労働をうちだすべき、集団意識を強化する核となるものがなにもないのです。
文献【ニューギニア高地人 本多勝一著】 より、要約引用

ダニ族の生活が集落=【氏族】を単位としたものであるのに対して、モニ族の生活は集落=【家族】を単位としたものといえるようです。
ダニ族が男集団・女集団の集団性に重きを置いているのに対して、モニ族はそういった集団を解体し、家族集団による独立生活をおくっています。
このような社会構造の違い、集団意識の違いは、外圧状況に起因するところが大きいのでしょうが、人々のパーソナリティにまで、多大な影響を与えているようです。
次回はこの氏族単位の集団と、家族単位の集団によるパーソナリティの違いに触れてみたいと思います。

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