2009年02月13日

北欧(スウェーデン)の婚姻制度と可能性~その歴史的背景~

新しいシリーズ「近現代の世界の婚姻制度の変遷」(日本だけでなく、他の国はどのように婚姻制度を考えているのか、その歴史的背景は?)をスタートさせます。

今まで、日本の婚姻制度を中心にやってきましたが、日本の将来を想定する上で、他の(先進)国ではどのようにとらえているのかという視点も必要だと考えました。

北欧(スウェーデン等)、ヨーロッパ(フランス・イギリス・イタリア・ドイツ等)、ロシア、アメリカ、中国、イスラム諸国等について解明していきたいと思います。

第1回目は北欧(スウェーデン中心)をお届けします。
 
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北欧の婚姻制度(現代)

北欧の婚姻制度は、事実婚・同性婚等、何でもありの(先進的)システムと紹介される事が多いですが、婚姻制度だけでなく、社会保証制度や、女性の社会進出なども日本は見習うべきだと言われる事も多くなっています。

婚姻・子育て制度中心に社会制度の特徴は「内閣府経済社会総合研究所」がまとめています。
スウェーデンの家族と少子化対策への含意-「スウェーデン家庭生活調査」から-より

■主なポイント
1.高い女性労働力率と出生率の要因
○高い出産期女性の労働力率(84.3%)と高い合計特殊出生率(1.65)
○充実した育児休業制度
・休業直前の8割の所得を1年半にわたり保障(両親保険)。2年半以内に次の子供を生んだ場合も保障される(スピードプレミアム)
・女性は7割以上が1年以上の育児休業を取得
・労働時間の短縮も可能
○少ない残業と短い通勤時間により男女とも多くは午後6時前に帰宅
○両親保険、児童手当等家族政策に係る財政支出は対GDP比3.31%

2.サムボ(事実婚、同棲)制度
○法律婚の9割はサムボを経て結婚
○ステップファミリーは全体の2割
○サムボ法によりサムボを制度化。財産分与や養育権等を規定
○離婚あるいはサムボ解消後も、父親に子の養育費の負担義務あり

~以下省略


かなり先進的?といわれる婚姻制のシステムですが、実際はかなり問題も発生しているようです。
※統計資料などで書かれている離婚率・犯罪率・自殺率などは、カラクリがあるようで「スウェーデンをディスるコピペに対する疑問。」
にも書かれていて、実態がどうもわかりにくいが、実際にスウェーデンに住んでいた人のサイト「スウェーデン報」喜怒哀楽バックナンバーを見ると
・家庭内暴力
・ドラッグ問題
・学級崩壊
・家族崩壊
等々、こちらもかなり先進的?な問題が山積しているようです。 

問題発生の原因は? 
さまざまな問題の根本原因はどこにあるのでしょうか?
それぞれの原因を見てみると、根本的には個人の権利を社会で保証しまくるという所に問題の発生源がありそうです。 

一方で、アメリカなどの個人的自由を社会的利益に優先させる個人主義と違い、北欧は社会の利益の優先し個人はそのなかで利益を実現させるという個人主義と言われています。 
個人主義について ~エゴイズムとインディビジュアリズム~ 
北欧文化にみる独自性 

北欧の個人主義は非常に理想的に見えますが、るいネット「個人主義者の詭弁 個人と自我」、「個人主義の責任捨象と言い逃れ」にあるように、大きな矛盾を抱えています。 
その矛盾が今、北欧型福祉社会にそのまま現れているのではないでしょうか。
 

歴史的背景~共同体をキリスト教が破壊する 

前出の北欧文化にみる独自性によると8~11世紀においては、北欧の各地は農業・漁業を営んでおり、氏族単位の緩やかな共同体を形成していたらしい。

彼らは北欧神話に登場する神々を讃える多神教民族であり、氏族集団は母系制であったが、キリスト教が伝わるとともに一夫一婦制に変わり、父系制に移行して行きます。
5.グードルン・クリームヒルト・サホビメ←日本の古事記との比較もあって面白い
母系相続(Matrilineal Inheritance)


北欧諸国は、多神教やヴァイキングの影響もあってキリスト教の伝播が他のヨーロッパより遅いらしく、そのために共同体的性質を残していると考えられます。
※ちなみに略奪性・攻撃性が強調されるヴァイキングですが、当時の様子を記述した者の多くが、キリスト教の僧侶であり、異教徒を蔑むために極端な表現になっているらしく、ヴァイキングの主目的は、交易・移民であったらしい。「デンマーク・ヴァイキング時代と北欧神話

つまり、原始から共同体的生活(母系制)をしていた北欧民族は、キリスト教の伝来とともに一夫一婦制に変わり、近世になって個人主義的な価値観を持つようになったと考えられ、そのため矛盾を孕んだ「社会の利益優先の個人主義」といった道を歩んできたと考えられます。
 

北欧型福祉社会・婚姻制度の可能性

社会を自分たちで作って行くという政治に対する姿勢や人口が少ない事による小回りの良さは可能性が感じられるところではあるが… 

結局は彼らが理想とする「社会の利益優先の個人主義」の矛盾に気付かない限り、その矛盾から発生する問題は次から次へと発生すると予測され、次第に社会全体の活力が衰弱し、理想的北欧モデルも過去のものになっていくのではないでしょうか。

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comments

社会保障の先進事例として必ずでてくるノルエーについての実態は、褒めるか、けなすかの両極端で、冷静なその内実分析がなかなか見れれないのですが、少しイメージが出来ました。

その中でも驚きが、バイキングなどがいた北欧の各国が、その昔は、

◆多神教
◆氏族共同体
◆母系制

と言う、日本の古代と似通った形態であったと言うのはびっくりです。それを、一神教で一対婚の私権文化のキリスト教が駆逐したのですね。(日本の大和飛鳥時代~平安時代の縄文文化が弥生文化に駆逐される様に、そっくり!)

このあたりが、個人主義でありながら、国をみんなの集団として対応している(投票率80%以上)と言う集団性を残しているところと、関係があるのかもしれないと思いました。

  • 猪飼野
  • 2009年02月13日 11:17

私も、中世の北欧といえばバイキング(=海賊)のイメージをもっていました。主目的が交易益・移民といういうのは意外でした☆
(それにしても「小さなバイキングビッケ」懐かしい。。。)

  • はるか☆
  • 2009年02月14日 21:27
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