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2009年10月02日

始原人類の婚姻制 ①原始婚と性習俗

 当ブログ『知られざる人類婚姻史と共同体社会』では、これまでも婚姻史や、集団と性に関わる投稿を数多く行ってきましたが、このような話題を扱うブログは他にはあまり見られません(と思うのですが…)。

 9/23に行われた『なんでや劇場~意識潮流(過去~現在~近未来)』では、性に関する問題が一気に展開されました(詳しくはリンク参照)。参加者の反応も大きく、大いに盛り上がりました。これは、自我・私権の性が行き詰まり、性が「棚上げ状態」になりつつある現状ゆえに、本源的な性の充足可能性に対する興味・関心が急速に高まりつつある表れなのではないかと思います。


 このような期待に応えるためにも、一度原点に立ち返り『集団と性』に関わる事例を紹介した投稿を『るいネット』から引用してみることにします。



(ダニ族の男)

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■原始婚と性習俗リンク

 原始社会での性習風俗は、地域によって様々であり、性を肯定的に扱う場合と否定的に扱う場合、その中間形があるそうです。

【パプア・ニューギニア サンビア】
男子が7~8歳を過ぎると、年長者への口唇性交によって精液を受ける。併せて知識も伝授される。成人すると、今度は若い少年に精液を与える役割を負い、同性との性関係の快楽を経験する。その後、同性、異性の性関係を持ち、若い少女と婚約する。彼女が成人すると、同性愛をやめて、夫婦の性行動となる。

【アマゾン メヒナク】
男性は性交に快楽と恐怖の信念を持つ。男女とも10歳前後から性行動を開始。少年は12歳頃から隔離生活。隔離をおえると、未婚、既婚を問わず、女性との性関係を奨励される。少女も自由な性を謳歌するが、未婚の母とならないため、初潮を迎えると結婚する。婚外性交はよくないとされるが、既婚者の殆どが行う。男性は、性行為に種々の禁忌事項があり、女性器には破壊力があり、男性を去勢するという観念を持つ。

【ポリネシア マガイア】
性的活動を抑制することは、身体的に害をおよぼすとみなされる。男性は相手を興奮させるために性器を変工したり、結婚するまで10人以上の女性と性経験を持つ。女性は、最も強烈なエクスタシーを体験した相手を配偶者に選ぶ。婚外性交は公には禁止。女性は、最初の男性または夫が性的義務を果たさない場合は他者を相手にすることは認められる。

【メラネシア マヌス】
性事象は、宗教的-超自然的存在とされ、罪深く、恥ずべき行為と考えられる。生殖を目的としない性交は、生業での失敗、病気や死につながる。前戯だけでなく、妻の胸にふれることも禁止。一緒に食事することも、連れ立って歩くことも忌避。

【アイルランド イニスビーグ】
性行動を気が咎める罪深い行為であるとし、夫婦間にだけ許され、女性は性交を子供をつくるために我慢しなければならないけれど、虐待の一種とみなしている。あらゆる性的活動を抑制し、罪悪視し、否定することにエネルギーを費やす。

【イリアンジャヤ ドゥグム・ダニ】
子供の誕生後4~5年にわたり性交は禁止。マスターベーションや同性愛も行わない。性行動の不活発性が知的・感情領域における不活発性に符合。性を抑制する規制が殆ど存在しない。
                                      
 『性の民族誌』序より


 これらは、ほんの一例でしょうし、これらの例から何が読み取れるかはよく分かりませんが、性の規範を考える作業は、一筋縄ではいかないような気がしてきました。


 いかがでしょうか、 私たちを取り巻く環境から生み出される常識の中からはみ出る事例ばかりなのではないかと思います。しかし、どのような性規範であれ、必ず集団にかかる外圧に適応する方向で形成されていくものです。つまり、私たちから見れば常識外れに思えるような規範でも、それは全て適応収束した結果なのです。

 その意味では、私たちが当たり前のように受け入れている一対婚という性規範も、私たちの置かれた外圧に適応した結果であり、一対婚が最も進んだ婚姻形態というわけではありません。(外圧が変われば当然、一対婚の規範も変わって行くでしょう。)

 そういった意味で、次回は集団の性規範の事例についてもう少し詳しく紹介していきます。(続く)

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comments

アフリカ・ケニアに暮らすマサイ族も、現代の私たちからすると奇妙に感じる性習慣を持ち、現在も暮らしています。

マサイ族の男女間にはスキンシップの習慣がなく、性は生殖のための行為に特化しており、充足を得るためのものではないようです。
さらに、女性は結婚前に女性器を切除する風習があり、性充足を封鎖していきます。

一見理解し難い性風習ですが、マサイ族は誰もがその性規範を共認し、部族として存続し続けて来ました。

性充足を求め、それが個人の自由な性として認められていると考えてきた私たちですが、その行き着いた先が性の衰弱、セックスレスの蔓延であったことを考えると、現在の性のあり様を正とすること自体が間違っているのではないかと感じます。

現実の様々な部族の性を知る中で、人類本来の性とはどのようなものか、婚姻様式=集団の性規範はどのように決まっているのかを学んでいきたいと思います。

  • sinkawa
  • 2009年10月03日 18:49

今後の社会の可能性を見出すには、人類が外圧にどう適応
し、どう集団・社会を築いてきたかを見て行くなかで
見えてきそうです。

そう言う意味でこの投稿のように原始共同体や未開部族の
事例を挙げ、一つ一つの集団についてそこに掛かる外圧は
何か、その外圧にどういう規範(集団、婚姻規範)で集団
を維持してきたかを整理していくことが必要だと思います。

  • mukai
  • 2009年10月03日 18:49

現在見られる世界の性習俗や婚姻様式は、歴史のある時点での適応的なかたちであって、普遍的なかたちではないと思います。

生物が外圧に適応するために変異するように、人類集団の適応様式である性習俗・婚姻様式も常に変化していくものでしょう。

世界に見られる様々な婚姻様式についても、このような視点で見る必要があると思います。これは、未開部族に限ったことではなく、現在の私たちも同様ということです。

  • hayabusa
  • 2009年10月03日 22:28

ニューギニアのトロブリアンド島では、性は肯定的に扱われています。
娘は性交に束縛はなく、幼い頃から性的遊戯にふけり、女は6~8歳、男は10~12歳から本格的な性生活を始めます。

12~13歳で母親から性交のテクニック等を教わり共に奔放にセックスを楽しむそうです。

人類学者、マリノフスキーの報告では、トロブリアンド島に関して、「子供たちは年長者の性生活について、多くの事を見たり聞いたりする。
親たちは、せまい家の中でかくれるところもないので、
子供たちは性行為について、自分自身の見聞で知る機会をもっている。」
とあります.

性には肯定的で、集団で認め合っていることがわかります。

  • Hikaru
  • 2009年10月06日 20:52

私もボス集中婚の風習を残す部族として、アポリジニー(オーストラリア原住民)を調べたことがあります。
確かに私たちの常識から考えると、考えられない習慣にも多く出会い、驚きの連続ですが、反面資料そのものが著者の常識が混じって書かれていることもあり、資料を読む私たちにも論理整合をしながら、確認していく作業が必要ですね。
もう一つ重要な点は、同じ部族であっても過去、環境の外圧の変化などで、それ自体が変化していっているということです。
特に西欧人が侵入してきた近世から近代は人為的外圧も加わり、要注意ですね。

  • 匿名
  • 2009年10月12日 18:09
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