2009年10月24日
イスラムは日本に彼らの理想を見る
みなさんこんにちは!
突然ですが、かつて('80前半)日本で放送された『おしん』がイスラム社会で爆発的な人気があったこと知ってました?
Wikipediaによると・・・

エジプトのカイロでは、『おしん』放映時間に停電が発生、放送を観られない事に怒った視聴者が電力会社やテレビ局に大挙押し掛け、投石や放火等の暴動を起こすという事件があった。その後、政府が該当話の再放送を約束する声明を出し、事態はようやく収束した。
アフガニスタンやイランではペルシャ語吹き替えにて放送されたが、イラン国営テレビでの放映が最高視聴率90%超を記録する爆発的人気となり、長きに亘り「Oshin(ウーシン)」は日本を表す代名詞となった。
・・・ってなことになっていたようです。
イスラム社会と日本。何処か近しいところがあるんでしょうね?
そこで今日はイスラムと日本について興味深い記事があったので紹介します。
今後、世界が大変動していく中でどうなるか気になるイスラム世界ですが、彼らが日本を見ると、イスラムの教えを守っていると感じるらしいのです。世界おもしろニュース から
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日本の生活習慣に驚愕するイスラム教徒 (エジプトから)
エジプトやサウジアラビアなどアラブ・イスラム諸国は9月21日に30日間にわたるラマダン(断食月)を終了した。例年この期間、国民がラマダンを楽しく過ごせるようテレビなどは“正月番組”ならぬ“ラマダン番組”を組み、盛り上げる。
今回、特に注目を集めた番組の一つが何と日本の生活習慣を賛美するものだった。サウジアラビアのシェイク(イスラム指導者)が日本を訪問、驚愕した事実を取材して30日間毎日放映した。
視聴者が殊に驚愕したのは、日本人は、(1)時間をきっちり守ること(2)食べ物を残さない(3)ごみが分別されて収集されること(4)地下鉄や電車の中では、他人に迷惑を掛けないため携帯電話を使用せず騒々しくないばかりか、多くの人が本を読んでいること(5)生徒が学校や教室を掃除すること(6)工事中の労働者が安全靴やヘルメットを着用していること――など。
シェイクの結論は、イスラム国家でもない日本で、イスラム教の教えが最もよく実践されており、イスラム国家でこれらの反対が実践されていることを恥ずかしく感じたというもの。
殊に視聴者の反響が高かったことの一つは、生徒が放課後、自分たちで教室やトイレを掃除するシステムで、掃除は、使用人や召使いがやる仕事として手を付けたがらない自分たちの姿勢や、ごみをポンポン投げ捨てる生活習慣を反省、日本に倣って、幼い段階から、他人に迷惑を掛けないよう、自分のことは自分でする教育を導入しようとの声が上がっているという。
~もうひとつ、おそらく同じ番組への反響~
Global Voices Online から
中東・北アフリカ:ラマダン特別番組、日本を紹介で反響ラマダン中、アラブ世界では日本を取り上げた特別番組が放映され、視聴者を喜ばせた。現在5シーズン目のテレビ番組『Khawater(思考)』は日本を訪れ、若いサウジの説教師Ahmed Al Shugairyが日本のサクセス・ストーリーを伝えた。
一か月間放映され続けたこの番組は、日本が経験した発展の過程と成功の理由を解説した。Al Shugairyは、日本人はイスラム教でないものの、イスラム教の教えを生活に取り入れている、という絵を描いた。
アラブの多くのブロガー・思考家・作家・牧師は、同番組を褒め、いつか自分たちの国も日本のように成長させたい、と期待を寄せた。・・・
この放送に対するアラブ世界各地の反応
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若者よ、今日のアラブ人がバカであることは、あなたたちの責任ではないし、誰にも非難する権利はない!でも今日の若者は、アラブ諸国の将来の責任、つまり25年後の私たちの姿に責任を負っている。2030年のイスラム世界がどのようなものになっているかは、我々が決めるのだ。
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今年、Khawater は第5シーズンに突入した。Ahmad Al Shugairyは日本へと旅をして、そこで撮影をした。そして、日本人は急成長をしながらも、伝統や習慣を守り続けていることを見せてくれる。すごいよ、絶対に観た方がいい。
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今年、Khawater 5は、視聴者を日本へと連れていってくれるのだ!Al Shugairyは「別世界」と呼ぶ日本とアラブ世界が抱える課題を並べる。番組を見ると、日本人がまめで、清潔で、規律正しく、時間を守る人たちだということが分かる。また、日本人はお互いを尊敬し、高齢者を尊敬し、境界線を尊敬し、そして自分自身を尊敬する、ということが分かるのだ!これがまさに私たちのあるべき姿ではないだろうか?宗教が何であれ、善い人間というのは、このようであるべきではないだろうか?これらのモラルやコンディションが世の中を良くして行くのではないだろうか?
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浅はかな比較はやめよう。日本人の生き方が気に入ったなら、私たちの価値観や伝統をもって文明的なムスリム社会を築こうよ。番組で取り上げられたトピックのほとんどは、ムスリムコミュニティーとして私たちが持っているべき価値観についてなのだから。例えば、宗教は清潔さと善行に心を砕くよう促す。また、イスラムは科学を非常に高く評価し、他の人を尊重する。宗教は他の職業を軽蔑することを禁じている。これらの例はすべて、イスラムにおける私たちの人との付き合い方の核心部にあること。つまり、私たちは国外から何も持ち込まないということだ。本当に変わりたいと願うなら、私たちの中で大きく変わってしまった伝統を直していくしかない。/////////////////////////////////////////////////////////////////
イスラムの価値観は日本人が持つ共同体的価値観に近いようです。他でも在日イスラム(中東出身)の方が「日本でこそイスラムの教えが実現されている」と言われているのを何度か読みました。
中東から世界を見るとき、やはり圧倒的にヨーロッパなんでしょう。アジアはまだあまり認識されていない。車と家電製品以外は。近代化はしたいが、ヨーロッパを見るとあんな社会は受け入れられない。そんな感じでしょうか。
原油輸出によって、貧困からは解放されているだけに、社会のモデルを形作れなかったのでは無いでしょうか。そこに近代化に成功し、ヨーロッパとは全く違う価値観の日本を見つけた。それも、自分たちが過去に持っていた価値観で。近代化=欧米化ではない!・・彼らの希望となるわけです。
やはり、ドル崩壊後の世界でもイスラムの社会規範が生き残る可能性はあります。且つ、日本にシンパシーを感じてくれるはず。ただ、現状は理想とはほど遠いようで、金はあるけどやることのない状態に慣れた世代が続く中で、どこまで規範性を保持できるのか怪しい部分は有ると思います。
筆者も“イスラムの価値観は日本人が持つ共同体的価値観に近いようです。”とコメントしていますが、視聴者が殊に驚愕した(1)~(6)の行いはやはり共同体=集団性に根ざした規範意識に共通点がありそうです。
そうなると次は“イスラムの共同性ってどのように形成されたの?”また“日本との違いは何?”という疑問が生まれてきますね。
当ブログでは以前アラビアの女性の中で
>イスラムは強い私権性をもちながらも、外圧適応の為に集団第一の文化性と共同体文化~母系性という、矛盾するような二面性を堅持しているように思えます。
とありました。詳細はそちらに譲ります。改めて本稿とアラビアの女性を合わせて読んでみてください。
- by mrran
- at 15:35





comments
イスラム世界で放映された日本の紹介番組で、イスラム教徒が驚き感心したと言う日本人の特性とは、要約すれば、勤勉性、節約の意識、集団性、規範性といったところでしょう。
その中でも特に「生徒が学校や教室を掃除すること」に感銘した理由はどこにあるのでしょうか。
王侯貴族が統治するイスラム社会を考えると、序列規範は厳然と存在しているわけで、イスラムの教義で説いている平等の精神とは一見矛盾するところが有ります。
>掃除は、使用人や召使いがやる仕事として手を付けたがらない<というイスラム社会の通念を超えた、日本人の「だれもが平等に」の実践は、”一般のイスラム庶民”の目には、「ここまで徹底してやれるのか」という思いではなかったかと思います。
その意味で、統合階級にはこの日本人のシステムはどう写ったか、興味のあるところですね。
>ただ、現状は理想とはほど遠いようで、金はあるけどやることのない状態に慣れた世代が続く中で、どこまで規範性を保持できるのか怪しい部分は有ると思います。
規範意識は、生まれてからの成長過程の中で、親をはじめ周りから獲得していくものです。
イスラム教の教えに限ったことではありませんが、その意味を理解していなければ、本末転倒の結果となります。
断食月の「食べ残し」を批判 宗旨に反すとアラブ紙
http://www.sanyo.oni.co.jp/l/news/2009/09/08/20090908010005591.html
日本人は気が付いていないのですが、世界から見て日本文化の本源性はすごいのだと思いました。
集団本源性は 日本 > イスラム > 欧米 なのだと思います。
【欧米社会】の根源は、略奪文化です。略奪~奴隷制~身分制~搾取の社会です。近代社会では先行して略奪した勝ち組の「欧米文化」が世界を覆っています。
欧米での宗教は、国王が奴隷国家の維持に都合が良い内容で、奴隷に夢を見させて支配を強固にする道具です。目的は奴隷支配(≒搾取社会)の維持です。
本源集団は崩壊して、個人第一です。
【イスラム社会】は、宗教教団が国になった国です。
経済活動での個人競争を放置すると本源集団が崩壊するので、集団性を維持しながらの商売を続ける規範(コーラン)作った宗教です。
経済活動を肯定しながらも集団が中心と言う価値観があります。ここが欧米文化と異なるところです。
【日本社会】は、いわゆる宗教がありません。
共同体を中心とする集団第一の価値観があり、自然の中で生かせて頂いているという本源的な文化があります。さらに、現実直視と工夫志向で、物作り文化が発展しています。
現実から逃れて夢想する「宗教」は必要がなかったのでしょう。
集団性を近代宗教に依存する必要なかったのだと思います。
『自然に感謝して、仲間の期待に応える喜びを活力として生きる』この本源的な文化だけで充分だったのでしょう。
集団性を中心軸においているイスラムは、本源集団を崩壊させた欧米文化を志向できないのでしょう。そして、本源集団性を強く残している日本文化に、感銘したのだと思います。
欧米の市場経済主義の文化が閉塞している現在、今後の可能性として「日本文化」を日本人自身が再認識するべきなのだと思いました。
イスラムの制度は、共同体規範に依った本源性の強いものですね。
これは意外でした!
しかし、中東は略奪部族発祥の地でもあります。
この「本源規範」の根底にあるのは私権闘争の抑止なのでは無いでしょうか。
これは縄文体質に則った日本の共同体規範とは大きく異なります。
イスラム諸国が、本源規範を「宗教」という次元にまで高めながらなお徹底されず、極東の島国でそれが実現されていると感じる背後には、両者の規範が表面的には酷似していてもその精神に於いて大きな隔たりがあると言う事を示しているのではないでしょうか。
鯉太郎 さんコメントありがとうございます。
>王侯貴族が統治するイスラム社会を考えると、序列規範は厳然と存在しているわけで、イスラムの教義で説いている平等の精神とは一見矛盾するところが有ります。
イスラム社会ほど強烈な意識はないにしろ、日本においても序列は存在しますよね。江戸時代にはそれこそ、士農工商なんてものもあった訳ですし・・・。それでも勤勉性、節約の意識、集団性、規範性は高かった訳です。
>その意味で、統合階級にはこの日本人のシステムはどう写ったか、興味のあるところですね。
もしろ、殆ど宗教が根付いていない日本において何故、それらが実践されているのか?それが気になるところではないでしょうか?
オールグリーン さんこんばんは。
>断食月の「食べ残し」を批判 宗旨に反すとアラブ紙
>http://www.sanyo.oni.co.jp/l/news/2009/09/08/20090908010005591.html
上記拝読しました。断食月って現在は普段よりも食べているんですね。しかも食いきれずに残している…。
イスラム指導者達がぼやくのも分る気がしますね。
猪飼野 さん コメントありがとうございます。
>欧米の市場経済主義の文化が閉塞している現在、今後の可能性として「日本文化」を日本人自身が再認識するべきなのだと思いました。
同感です。現代の日本人、あまりにも自虐的ですからね~。
客観的な意見としてこんなのもあるんですよ。
『外国人から見た日本人はどう見えていたのか?』
http://blog.kodai-bunmei.net/blog/2009/10/000932.html
是非読んでみてください。
yama33 さんコメントありがとうございます。
>イスラム諸国が、本源規範を「宗教」という次元にまで高めながらなお徹底されず、極東の島国でそれが実現されていると感じる背後には、両者の規範が表面的には酷似していてもその精神に於いて大きな隔たりがあると言う事を示しているのではないでしょうか。
イスラム教をはじめとする一神教は非現実世界の架空観念だといってよいでしょう。それに対し日本の本源規範は現実世界を導く関係規範といっていいと思います。
嫌な現実を逃れる為“マイナス発” と
とことん現実を受入れる“プラス発” では
180°異なるのだと思います。