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2012年08月11日

【世界の宗教から見える男女の性】(プロローグ)~世界の古代宗教の基本構造

前回までの「世界の神話から見える男女の性」に続き、今回からは「世界の宗教」と男女の性関係を追及していきます。
神話の形成とは、、部族間闘争→連合国家の形成と、それによる母権制から父権制への転換に伴って各部族に伝わる伝承が再統合されてきたことが分かりました。
男女の性関係もそれに伴い、兄弟婚→略奪婚へと変化してきました。
それ以降は、連合国家の出現により力の序列統合の社会となり、その後世界各地で古代宗教が登場しますが、それらの特徴を地域ごとに外圧状況とともに押さえた上で、宗教と男女の性関係を追求していきたいと思います。
中でも古代宗教の代表格ともいえる、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教について、それぞれの特徴と、成立時期、その時代背景をおさえてみたいと思います。

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1.古代宗教の元祖、ユダヤ教:
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             ヤハウェとの契約                     モーゼの十戒
古代宗教の特色比較1 一神教=ユダヤ・キリスト・イスラム教 その①
より引用します。

◆ユダヤ教
<始祖>モーゼ:ヘブライ人(イスラエル人)
 増えすぎたヘブライ人の子供を殺そうとするファラオ追撃から逃れる為、ナイル川に流されるがエジプト王族によって拾われ育てられる。
<成立時期・過程>
・第一段階 紀元前1280年頃
 400年に及ぶエジプトでの長い奴隷時代を経て、モーゼがヘブライ人(エジプト貧民層)をつれてエジプト脱出。その後の流浪の果てに、十戒を遵守することと交換に神がユダヤの民を守ることと領土を約束し、初めて神ヤハウェと契約。→原始ユダヤ教(ヤハウェ信仰)の成立
・第2段階 紀元前587年~539年
 ヘブライ人国家ユダ王国が新バビロニアに滅ぼされエリート層全員が捕囚される。王国もなく、神殿もない状況の中で、民族の歩みを根本から捉えなおし、原始ユダヤ教を基に宗教改革。
(一神教・選民思想・メシア思想の確立)→今日に至るユダヤ教の成立
<特徴・教義>
1.「一神教」
 唯一神ヤハウェのみを信仰する。
2.「選民思想」
 ユダヤ人は選ばれた民→ユダヤ人のみが救われる
3.「メシア(救世主)思想」
 救世主が現れ、ユダヤ人を救ってくれる。
4.「律法の遵守」
 信仰、教義よりも、行為・行動の実践を重要視。律法を守って初めてユダヤ人は救われるとする。※ユダヤ教を信じるもの=ユダヤ人となる。

この様に、ユダヤ教は迫害された集団が世界で唯一神と契約を結んだとする、強烈な選民思想に貫かれている。それ故排他性が非常に強い。またユダヤ人だけの民族宗教である。
2.ユダヤ教を改革したキリスト教:
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     聖母マリア                 キリスト                        十字架 

◆キリスト教
<始祖>イエス(イエースースー)・キリスト:ユダヤ人
「キリスト」とは救世主を意味する。大工の家に生まれたとされるが、その出生は怪しい。(マリアの処女懐妊含め、美化・正当化されている部分が多い)
<成立時期・過程>
・第一段階:紀元30年頃
 パレスチナ(イスラエル。当時ローマ属州)に生まれたイエスが、ローマ支配体制下、重税と宗教的戒律(律法)によって苦しむユダヤ教徒貧民層を、戒律から解き放つ宗教改革を行う。(戒律の遵守=「行為」ではなく神を信じる「心」が重要)
 →キリスト教の基礎が作られる
・弟2段階イエスの手による宗教改革はユダヤ教指導層の反発を買い、ローマ総督によってイエスは処刑される。(イエスをローマに対する反逆者と密告)その後イエス復活の伝説の基に、イエスの弟子(パウロ)がイエスを救世主(キリスト)とする教えを広げる。
 →今日に至るキリスト教の成立。
<特徴・教義>
1.「三位一体の一神教」
 ”父なる神”と”子なる神(キリスト)”と”聖霊なる神”の3つの位格から成る唯一の神を信仰する。(要はキリストを神にする為に位格と言うヤヤコシイ観念を作り出した)
2.「神の愛の信仰→隣人愛」民族が違えど、卑しくても、貧乏でも、戒律を守れなくても神は信じるものを愛し救ってくれる。神がそうしてくれるように、我々も隣人を愛する必要がある。
3.「最後の審判=救世主思想」世界の終末にメシアが出現し神を信じるものを救ってくれる。(終末には、全ての死者が蘇り、神を信じるもののみが永遠に救われる=救いは死後にもたらされると言う思想)
4.「戒律否定」戒律の遵守等の「行為」ではなく神を信じる「心」こそ重要

ローマの支配下で奴隷生活を送っていたユダヤ人の間に、メシア待望論が高まっていた時期。「主の御霊が自分に宿っており、神の言葉を人々に伝える為に使わされた」として、自身を神=救世主に祭り上げている。戒律遵守という”形”よりも心の有り様が大切だとした為、バリサイ派などのユダヤ教徒からも迫害される。
また個人の内面での信仰が保証されて、支配者に対しては面従腹背となり、自我の温床となる(後に近代思想・個人主義へ発展)。
3.一神教3兄弟の末っ子、イスラム教:
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       ムハンマド                 ムスリム女性                     メッカ
引き続き「古代宗教の特色比較2 一神教=ユダヤ・キリスト・イスラム教 その②」より引用します。

◆イスラム教
<始祖>ムハンマド(マホメット):アラブ人(クライシュ族)
 アラブ人商人。富豪の妻と結婚し不自由ない生活を送っていた。
<成立時期・過程>・紀元610年頃
 悩みを抱いてマッカ郊外のヒラー山の洞窟で瞑想していたムハンマドが、大天使ジブリールに会い、唯一神(アッラーフ)の啓示を受けたとされる。モーゼ・イエスを預言者として認めながら、自らを最大にして最後の預言者とした。
 →イスラム教の成立。
イスラム共同体の維持と部族間闘争(市場化競争)との折り合いを付ける為の、超集団的統合観念(集団を超えた唯一神の崇拝)。
<特徴・教義>
1.「一神教」
 唯一神(アッラーフ=ヤハウェ)のみを信仰する。
2.「平等観念」
すべての信者は神の下に平等である。聖職者の存在は認めない。
3.「聖戦(ジハード)推進」
イスラーム世界を拡大あるいは防衛するための行為、戦い=異教徒に対するジハードは、イスラームの教えに照らせば原則正しい行為と認識。(必ずしも戦争を意味しない)
4.「六信五行」
「信じる心」も「行動」もどちらも重要視(六信=「神」「天使」「啓典」「預言者」「来世」「天命」5行=「信仰告白」「礼拝」「断食」「喜捨」「巡礼」)
以上4つの特徴に加えて、「商人の倫理」を重視している点(ムハンマドも商人)も見逃せない。

アラビア半島は、半島で砂漠によって文明の中心から隔離されていたこともあって、古来からの部族集団が残っていた。その部族集団の規範を生かしつつ広域統合(←市場化)の必要性から、部族の枠を超えた一神教を取り入れた。部族共同体の枠を拡大して、相互扶助的規範で一体感を高めようとした。
■ユダヤ教・キリスト教・イスラム教 共通点と差異・いずれも原始ユダヤ教(ヤハウエ信仰)をルーツにもつ一神教。
・それぞれに考え方の違いはあるが、選民思想が強い。
・メシアは現れていない=メシアを待ち続ける    :ユダヤ教
 キリストがメシアである             :キリスト教
 最後にして最高のメシアはムハンマド       :イスラム教
・「心=信仰」よりも「行為=戒律(律法)」を重視 :ユダヤ教
 「行為=戒律」よりも「心=信仰」を重視     :キリスト教
 そのどちらも重視                :イスラム教
・戒律(=規範)による共同意識の形成       :ユダヤ教
 博愛観念+教会中心の地域集団による共同意識形成 :キリスト教
 平等観念に基づく教団組織による共同意識形成   :イスラム教
・「選ばれた民=必ず救われる」と言う幻想観念に収束:ユダヤ教
 「信じるものは必ず救われる」と言う幻想観念に収束:キリスト教
ユダヤ教・キリスト教が現実否定⇒幻想観念収束したのに対し、当時の世界の市場化(私権闘争の拡大)により、残存する遊牧部族の共同体社会の破壊の危機に瀕して、市場を制御しようと「現実の規範観念」に収束したのがイスラム教。そう言う意味で、古代宗教の中でも観念位相が違う。
4.東洋の多神教宗教、仏教
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         釈迦                       仏教
最後に、古代宗教の特色比較3 仏教より仏教に関する引用です。

◆仏教
<始祖>釈迦(悉達多)
:現ネパールに存在した釈迦族の王子。裕福な生活(妻も子供もいた)を送っていたが、19歳で出家。30歳で悟りを開き、仏陀(=悟りを開いたもの)となった。
<成立時期・過程>
 紀元前5世紀頃(古代インド系民族は時間感覚・歴史の記録に無頓着な為、正確な成立時期が記録されておらず不明)アーリア系16大国に加え、多くの小国が争い、混乱を極めるインド地域において、釈迦は生ある故に、老も病も死もあると無常を感じ、出家。数々の難行・苦行を重ねる。しかし悟りは開けない。釈迦は苦行を捨て、菩提樹の下で瞑想。ついに悟りを開き、(人々が悟りを開くための)布教を始める。
 →仏教の成立
<特徴・教義>
1.「多神教」かつ「神は全能ではない」
 仏教は、古代インドのバラモン教を始め、多くの宗教の神を取り入れた多神教。また神も「輪廻の苦」の中にあり、特別・全能ではないとする。
2.「無常観念」+「煩悩否定」
 無常観念に基づく四法印(4つの教え)が根本思想。
・諸行無常:一切の形成されたものは無常。
・諸法無我:全ての存在には、我=主体はない。
・涅槃寂静:煩悩が消え去り、苦から解放された境地が目標。
・一切皆苦:一切の形成されたものは、苦しみである。
3.「輪廻解脱」
 輪廻(=何度も転生し、また動物等にも生まれ変わること)を苦と捉え、輪廻から解脱する(抜け出る)ことを目的とする。(これはインド古代宗教に共通の認識)  4.「四諦八正道」
人生は苦→苦の原因は人間の執着→苦を滅した境地が覚り、→覚りに到達する方法は八正道とする「四諦」(4っつの真理)に基づき、救いは神の力によるものではなく、個々人の八正道の実践によるものとする。
 八正道とは、正しく見る、考える、話す、行動する、生活する努力する、思いめぐらす、正しい心を置くと言う八つの正しい道を言う。これは間接的に「苦行の否定」を意味する。

これらの特徴・教義から解るように、仏教は非常に難解であるが、その教えは「無常観念」=「現実否定」に貫かれている。
現実は全て無常=意味がないものとし、煩悩を否定することで、私権だけでなく性闘争本能や共認充足を求める欠乏など生物・人類として根底的な欠乏をも否定している。
仏教は、極端な現実否定に基づいているが故に、その教義は徹底的に(倒錯観念によって)理論武装されている。(∴非常に難解)
西洋の3大宗教はいずれも一神教であるが、東洋で生まれた仏教は多神教である。
この違いは、私権闘争圧力の違いと、本源集団の残存度の違いによるものと考えられます。
さて、上記の古代宗教の特徴を押さえた上で、次回からはいよいよ個別に世界の宗教と男女の性関係を探っていきたいと思います。

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