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2020年10月15日

日本人の性意識はどうなっているのか? -1

性に関して無関心な若者が増えているという。さらに嫌悪感まで抱くものまで。原因は親世代からの刷り込みやメディアの倒錯した性イメージ、そしてそもそも性に対するまともな教えを受けていない。性病や性犯罪などの負の事象だけが強調されていることも問題である。

ここでは、実際若者の性意識がどうなっているのかを調査した資料を紹介しながら、実態を探っていきたい。注意しなければならないのは、世代により性イメージが極端に変化しているので、調査した設問の意図と回答者の意識がすり合っているのかという点である。例えば、性関係、恋愛感情、結婚意識は一昔前では一連のつながりとしてとらえられていたが、今やそれらの意識そのものが衰弱しているとともに、それぞれの関係も分断しているのではないかというぐらい変化していることが垣間見える。

以下、調査事例を紹介したい。

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■若い男性やはり「草食」化 16~19歳、セックス無関心倍増 

厚労省調査 2011/1/12付 より抜粋

セックスに無関心だったり、嫌悪感を持ったりしている16~19歳の男性の割合が2年前から倍増し、3分の1を占めるようになったとの調査結果を、厚生労働省研究班が12日公表した。

分担研究者の北村邦夫・日本家族計画協会クリニック所長は「若い男性の草食化を裏付けた」としている。

セックスレスの夫婦も増え、40%を超えた。

男女の生活と意識を調べる目的で2010年9月に調査。全国の16~49歳の男女2693人が対象で、1540人(57.2%)から面談で回答を得た。男性が671人、女性が869人。

16~19歳の男性でセックスに「関心がない」「嫌悪している」との回答は合計で35.1%。08年の前回調査は17.5%でほぼ倍増した。20~24歳でも11.8%から21.5%へと増加した。女性も各年齢層で上昇した。

 
茨城大学教育実践研究 37(2018), 287-302 児童期における男女交際の実態と恋愛観

大 澤 愛 海* ・ 青 栁 直 子

より抜粋。

・調査内容
2017年11月~12月に、I県内の公立小学校4校の第5学年と第6学年の児童117名(第5学年31名、第6学年86名)と同県内の公立小学校20校の養護教諭20名を対象として、無記名式質問紙調査を実施した。

・対象者の基本的特性
配布数117名に対し、全体の回収数(回収率)は112名(95.7%)であり、有効回答数(有効回答率)は112名(100.0%)であった。対象者の学年と性別の内訳は、第5学年28名(25.0%)、第6学年84名(75.0%)、男子56名(50.0%)、女子56名(50.0%)であった。

・好きな異性への恋愛感情
好きな異性への恋愛感情について、「その他」を含む12項目から回答を得た。なお、この問いは複数回答可とした。全体では、「その人に会うとうれしい」47名(70.2%)が最も多く、次いで「その人のことをたくさん知りたいと思う」32名(47.8%)の順に多かった。性別では、男子は「その人に会うとうれしい」14名(60.9%)が最も多く、次いで「その人のことをたくさん知りたいと思う」11名(47.8%)の順であった。女子は「その人に会うとうれしい」33名(75.0%)が最も多く、次いで「その人と話すとドキドキする」21名(47.7%)、「その人のことをたくさん知りたいと思う」21名(47.7%)が同率であった。

・男女交際開始の理由
「今までに、異性と付き合ったことがありますか」という問いに対し、「ある」と回答した児童32名に、直近の男女交際における交際を開始しようと思った理由について、「その他」を含む14項目から回答を得た。なお、この問いは複数回答可とした。全体では、「好きだから」21名(67.7%)が最も多く、次いで「やさしいから」16名(51.6%)の順に多かった性別では、男子は「好きだから」9名(75.0%)が最も多く、次いで「かわいいから」6名(50.0%)、「やさしいから」6名(50.0%)が同率であった。女子は「好きだから」12名(63.2%)が最も多く、次いで「やさしいから」10名(52.6%)、「おもしろいから」10名(52.6%)が同率であった。

・男女交際の内容
「今までに、異性と付き合ったことがありますか」という問いに対し、「ある」と回答した児童32名に、直近の男女交際の内容について、「その他」を含む17項目から回答を得た。なお、この問いは複数回答可とした。全体では、「学校でおしゃべりする」21名(80.8%)が最も多く、次いで「プレゼントをする(される)」10名(38.5%)の順に多かった。性別では、男子は「学校でおしゃべりする」7名(77.8%)が最も多く、次いで「プレゼントをする(される)」4名(44.4%)の順であった。女子は「学校でおしゃべりする」14名(82.4%)が最も多く、次いで「グループであそびに出かける」6名(35.3%)、「プレゼントをする(される)」6名(35.3%)が同率であった。

・恋愛観
恋愛に対して抱くイメージ、恋愛に対する積極性、交際人数に対する考え方、恋愛に対する理想像について、自分自身の考えに最も近い数字を5段階から1つ選択する形式で回答を得た。
恋愛に対して抱くイメージにおいて、全体では、「恋愛はたのしそうだと考える者」61名(55.5%)が最も多く、次いで「どちらでもないと考える者」26名(23.6%)の順に多かった。性別では、男子は「恋愛はたのしそうだと考える者」19名(35.2%)、「恋愛はつまらなそうだと考える者」19名(35.2%)が同率で多かった。女子は「恋愛はたのしそうだと考える者」42名(75.0%)が最も多く、次いで「どちらでもないと考える者」10名(17.9%)の順であった。
恋愛に対する積極性において、全体では、「恋愛がしたいと考える者」49名(44.6%)が最も多く、次いで「どちらでもないと考える者」35名(31.8%)の順に多かった。性別では、男子は「恋愛はしたくないと考える者」21名(38.9%)が最も多く、次いで「どちらでもないと考える者」19名(35.2%)の順であった。女子は「恋愛がしたいと考える者」35名(62.5%)が最も多く、次いで「どちらでもないと考える者」16名(28.6%)の順であった。
恋愛に対する理想像において、全体では、「ロマンチックな恋愛はしたくないと考える者」47名(43.1%)が最も多く、次いで「どちらでもないと考える者」43名(39.5%)の順に多かった。性別では、男子は「ロマンチックな恋愛はしたくないと考える者」28名(52.83%)が最も多く、次いで「どちらでもないと考える者」22名(41.5%)の順であった。女子は「どちらでもないと考える者」21名(37.5%)が最も多く、次いで「ロマンチックな恋愛はしたくないと考える者」19名(33.9%)の順であった。

 
■性と恋愛2019ー日本の若者のSRHR意識調査ー 約80%が恋人に性の悩みや要望を相談した経験がないと回答

悩みを相談しないということは、例えば仕事や料理などのようにスキルを向上させようとする意識がないということなのでは? 以下抜粋。

国際協力NGOジョイセフは10月11日の国際ガールズデーに向けて、 SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)に関する情報提供を行う「I LADY.」キャンペーン(http://ilady.world/)の一貫として、18-29歳の日本の若者1000人を対象に「性と恋愛2019ー日本の若者のSRHR意識調査ー」を行いました。

(1) 告白未経験女性が約4割。さらに4人に3人が恋愛では相手に合わせた経験あり
・女性はやっぱり告白されたい。告白を相手からしてほしい女性は97.3%。男性は45.3%
・相手に嫌われないよう本来の自分を出さずに相手に合わせてしまう人が全体の74.8%(4人に3人)

(2) 性の悩みを言えない?約80%がセックスの悩みや要望について恋人と話し合った経験なし
・性交渉(以下セックス)の悩みを恋人に相談したことがない人は81.4%も(5人に4人)
・50.2%(2人に1人)が気が乗らないのにセックスに応じた経験あり。既婚女性だと73.6%に

(3) 性について語るのは男女平等。しかし、セックスのイメージには大きな男女差
・女性がセックスについて語るのはタブーだと回答した人は18.7%(5人に1人)
・セックスに対してのイメージに大きな男女差。 セックスのその先の深まる気持ちを大事にしたい女性。
・女性がコンドームを用意していたら驚く男性は47.1%(2人に1人)

 
■「性に関する調査(高校2年生)」結果 茨城県教育委員会 H28年

この調査では12年間で性経験者が半減しており、性を忌避する意識が3倍に増大している。以下抜粋。

・調査方法
(1)調査時期 平成27 年10 月
(2)調査対象 県立の高等学校,中等教育学校後期課程 全97 校の第2学年(各校第2学年の1学級を抽出)
(3)調査人数 3,384 人(県内県立高等学校,中等教育学校後期課程2年生の17.3%)

・調査内容及び結果の概要(一部抜粋) (単位:%)
性交や性感染症に関する意識・実態に関すること

※男子(H15→H21→H27) 女子(H15→H21→H27) 全体(H15→H21→H27)の順に表示

◆高校生が性交することについて,「しないほうがよい」と回答した生徒の割合
(4.9→11.9→15.4) (7.8→17.1→21.7) (6.3→14.5→18.7)

◆好きな人から性交を求められた場合,「絶対拒否する」「性交しないと思う」と回答した生徒の割合
(8.4→15.8→20.7)(16.9→33.1→37.6)(12.6→24.5→29.6)

◆性交を経験した生徒の割合
(29.6→25.2→15.3)(35.7→27.6→18.0)(32.6→26.4→16.7)

 

 

 

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