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2020年10月27日

母権制から父権制への転換で生まれた「囲い込み競争」

女性は新しい命を腹から産み出す力を持っていること。また、たとえ産まなくても月経といういう、規則正しい自然サイクルを体が表現するようにできていること。それゆえ、地上のもろもろをの命を産み出す「大地母神」を崇拝する信仰が歴史のはじめにあったことは、人類の共通項ともいえる。その歴史がどのように変容していったのか?

以下、夏目祭子・著『なぜ、性の真実(セクシャルパワー)は封印され続けるのか』より引用します。

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女神の時代はまた、母権制社会の時代でもあった。母権制というのは、生まれてくる子供を、主に母方の家が管理する仕組み動いていく社会のことだ。これは子育てにには都合がいいし、何か事を決めるのにも女性の意思がよく尊重されていた。ただし、杓子定規に母親方の家系が重視されていたとは限らないので、そこは日本の平安貴族たちの「通い婚」制度とはまた違う。たとえば、縄文時代や古代マヤ文明の社会では、父方でも母方でも、どちらか都合がいいほうに身を寄せるような柔軟な流儀が見て取れ、本質的には「男女が平等」の姿勢であったことがうかがえる。

★それが古代国家の成立の頃に父権制に取って代わったというのは歴史学で言われている事実だが、この大きな変化が、一体私たちの意識にどんな作用をもたらしたのだろうか?

父権制とは、手っ取り早く言えば「囲い込み競争」のことだ。土地や財物と、自分に従う人間たちについて、「俺だけのものだ」と各自が独り占めを主張して、それもできるだけたくさん持っているヤツこそ偉い、という価値の物差し仕切られる。競争の土俵に立つのはもっぱら男の役目で、妻も子供も男が所有物として管理する。

しかも、自然の周期を月経や出産で体感できる女と違って、男の考えて権力というのは、自然のままに生まれたり消えたりするものではなかった。一度ゲットしたら、永遠不変のものとして、この世界に「固定」されること願った。だから大なり小なり権力を得た男たちは、支配を「維持する仕組み」に力を入れた。

そこで古代から中世にかけて固まっていったのが、自己保身の得意な「官僚組織」と、お家安泰の「封建制度」。この法則は、万国共通のものだったといえる。封建制度はとうに崩れさった現代でも、もう一方の「官僚組織」は今なお現在で、「体制の現状維持」にこれ努めていることがわかる。

★ここで肝心なのは、そうした形の変化の裏にある、意識の変化のほうだ。

男の始めた父権制支配の本質を一言でいうと、自然界にあるものを、もっぱら自分の方ばかりに吸い上げようとする心のベクトル(すなわち矢印の向き)だといえる。その上そこに、自分だけで独占したいという、他者と対立するトゲトゲした意識が加わる。そうした見えない矢印が、ひとりひとりから放たれ、飛び交っている場面を想像してほしい。そこから、世のあらゆる仕組みが狂っていったのだ。

この「母権制から父権制へ」という仕組みの変化を、意識の変化を言葉に直せばそれは、「女性原理(女性性がリードする世界)」から「男性原理(男性性がリードする世界)」への転換、ということになる。

女性性のイメージを図柄で表現するなら、生まれて消える命の営みのように、満ちては引いていく海の潮のように、ぐるぐると円を描きながら循環を繰り返す、始めも終わりもない曲線の軌道、といえる。これに対して男性性は、より多く・もっともっと、と飽くなき向上を志向する、右肩あがりの直線の軌道、と言える。
女性性と男性性
こうした世界の主流をなす意識の形が変質したことは、社会の仕組みをもちろん、やがてはセックスの作法にまで、逆転とも言える変質をもたらすことになったのだ。そして男女の婚姻は「与え合う」美しい自然讃美的なものから、「所有する」我欲実現のものへと、その性質が塗り替えられていく。

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