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2021年12月10日

外敵圧力から逃れ、洞窟に隠れ棲んだ原始人類

(フィリピン・ルソン島北部にあるカラオ洞窟。画像はコチラから借りました)

足の指が先祖返りし、樹上生活ができなくなったサル=人類の祖先。

樹上生活ができなくなったカタワのサルにとっての外圧は、食料確保の難しさや外敵からの影響もあると思いますが、その中でも1番の外圧は、やはり地上に棲む外敵(大型肉食獣)からどう身を守るかということでしょう。

サルが手に入れた第4の世界(樹上世界)は、外敵がいないという最高の防衛力と、果実・木の実等の栄養価が高い食べ物が豊富な高い生産力がありました。その世界から身を投げ出されるわけですから、長年面していなかった相当な外圧だったに違いありません。

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地上世界で外敵からどう身を守るか。樹から落ちたカタワのサルが逃げ込んだのが洞窟でした。前回の記事でも触れたように、地上においては外敵と互角に闘えるような武器はなく、光も入らず、食べ物(動物や植物)も無い環境でジッと隠れ棲みながら、他の動物の隙をうかがって食べ残しや草木を拾って食べていたような、想像を絶するような過酷な自然圧力の下に置かれていました。

 

この洞窟に隠れ住んでいた人類にとっての極限時代は、500~700万年の人類史の99%以上をも占めます。

人類のゆりかごとも言われる南アフリカの遺跡群や、フィリピン、イスラエルなど、人類の祖先とみられる化石が多く残っている場所がほとんど洞窟であることからも、原始人類は洞窟に隠れ棲んでいたことが分かります。(関連記事はコチラ⇒洞窟に隠れ住んでいた初期人類たちリンクリンク

 

では、そもそもどのようにして洞窟に移り住むようになったのでしょうか。また、どのような集団形態でいたのか?そもそも一匹で洞窟に行ったのか?複数で行ったのか?

まず、雄単体の場合はどうでしょうか。縄張りを確保できない雄にはそもそも雌が寄り付かないため、子孫は残せません。

雌単体の場合は、雄を惹き付けることができれば子孫を残せる可能性はありますが、子育てしながらの食糧確保などの難しさから、生存の確率は低かったのではないでしょうか。

他にも可能性として考えられるのは、ある程度近いエリアの中で、少数ながらも複数個体の足の指が先祖返りしたカタワのサルが集まって洞窟に隠れすんだという場合。少なくとも雌雄一対がいれば、(相当な外圧状況から性闘争を弱め)集団で生き延びる戦略をとれたと考えられます。

 

ちなみに、複数個体が同時多発的に足の指が先祖返りするということは起こりえるのかといえば、先祖返りなどの突然変異が起こりやすいことは、分子生物学的に実証されているそうです。

また、あらゆる生物において、進化過程において既に獲得した機能が不要となった場合には、そのような機能を削除させるのではなく休眠させています。(参考;実現論

そういった意味でも、新機能の獲得と比較すると、足の指の先祖返りは日常的に起こりやすい構造と言えます。

 

こうして隠れ住む環境を見つけた洞窟時代の人類は、サル時代に獲得した共感=共認機能を基盤にどのようにして生き延びていったのでしょうか。

ここでも、身体的特徴や集団形態(雌雄関係)などの変化を紐解きながら追求していきたいと思います。学会などで人類の定義として言われている「直立二足歩行」や「犬歯の縮小」なども、どう関係しているのか見えてくるかもしれません。

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