2011年08月27日
シリーズ「日本支配層の思想性と精神性」 第8回 ~“神国”の思想の歴史 後半~
画像はこちら(http://otona.yomiuri.co.jp/history/20090730_01.htm)からお借りしました。
みなさんこんにちは。
日本支配者層の思想性と精神性について前回の記事(http://bbs.jinruisi.net/blog/2011/08/001026.html#more
では、平安時代以前~南北朝・室町時代の神国の歴史を押さえました。
今回は、続編として戦国・安土桃山時代~戦後日本までの歴史を追っていきます 🙄
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●戦国・安土桃山時代
中世以降の紛争の激化や社会の流動化の中、法の下での平和を実現する統一権力が求められた。こうした情勢において、本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)・神仏習合に基づいた中世的神国思想は、人々に正しい道を教える道徳的・超越的権威としての天道を説いた、儒教的な天道思想の影響を受けたものへと変化していった。
戦国時代においては、このような考えに基づき地上に平和をもたらす者が、「国主」の資格を持つ者であるとみなされるようになった。戦国大名は、自らを神仏になぞらえるなど、神国思想を領国統治のイデオロギーとしたのである。
豊臣秀吉が発布した1587年のバテレン追放令の第1条「日本ハ神国たる処きりしたん国より邪法を授候儀 太以不可然候事(日本は神国である。それなのに、キリシタンの国より邪法を広めたことは、おおいに許されることではない)。」におけるように、日本が「神国」である、と強調されたことが、キリシタン禁教・弾圧の理論的根拠となった。
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●江戸時代
江戸時代には儒教や仏教などの外来思想に批判的な立場から古典や神道を研究する国学が盛んになり、復古神道が主張されると、従来の神仏習合的な神国思想から仏教・儒教的要素を廃し、古代へ回帰した神国思想が広く受け入れられるようになった。しかし、それが幕末の黒船来航などの外的圧力の増大とともに攘夷論へと発展し、尊王攘夷運動が展開されて、やがて江戸幕府を亡ぼす原因となった。
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●戦前
明治維新により天皇が政権を奪還すると、国家神道が国教とされ、国家神道を支える理念的思想となるとともに、欧化・近代化路線に対抗する国粋主義と結びついた。日本の帝国主義・軍国主義路線の膨張、植民地の拡大とともに、国内外の民衆を抑圧する思想へと転化して行った。
日露戦争勝利以後、日中戦争・太平洋戦争でその動きは最高潮に達し、「神州不滅」の主張の元に玉砕・神風特攻隊・本土決戦論などの、“臣民(しんみん)全て滅びようとも天皇家だけは厳然と残らねば・残されねばならない、そして日本が勝つのだ”という思想が横行し、多くの生命が失われた。大戦末期には、敗北が目に見えても、民衆の中には“いずれ神風が吹いて、敵艦隊をまとめて沈めてくれる”と本気で考えていた者がいたという。●戦後
戦前の「神国思想」が多くの生命を奪った経緯から、戦後になると、日本国憲法が制定され、政治の場から神国思想を排除するために、政教分離原則の厳格化と信教の自由の導入が行われ、日本社会の表舞台から神国思想は衰微した。
しかし、2000年5月15日に、時の首相・森喜朗が、「日本は天皇を中心とした神の国」等発言した。
江戸~明治期の神国思想と国家との流れを大まかな流れをまとめると・・・。
【江戸】
外来思想批判→国粋主義→神国思想収束→尊王攘夷運動→江戸幕府終焉
【明治】
国家神道(=国教)→国粋主義(近代化・欧化に対抗)→帝国主義・軍国主義→日清・日露戦争(君臣一体観)
江戸~明治期には、神国思想が日本の政治思想・軍事思想に影響を与え、特権階級を中心に多くのものが収束(民は収束させられた)ようです。
江戸幕府終焉に大きな影響を与えており、その後の明治においても国家神道を国教とすることから国粋主義に発展。やがて日清・日露戦争が勃発。昭和期に兵営・兵卒が暗誦させられた軍人勅諭もこのころ下されたもので君臣一体観(天皇と軍人が近い関係を説いたもの)を説くことで軍人に気概を与えていたようです。
これは、これまでの身分分類(兵民分離)より武力行使に縁がなかった「平民の意識向上」と「当時兵役が賎役とされていた風潮の払拭」も大きな目的とされていたと言われています。神国思想の影響を大きく捉えると「諸外国からの外的圧力→観念上の国家統合→戦争」とするとができます。
- posted by Hikaru at : 2011年08月27日 | コメント (4件)| トラックバック (0)
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女子力とは本来、集団や周りを活かす充足性って☆なるほど~っです!特定の人だけに向かいやすい女子力が、もしみんなに分け隔てなく向けられたら、それはどんなに素敵なことでしょう☆
一挙一動が勘違いに裏づけされた計算で行動してる感がある。
hermes 61169 共同体社会と人類婚姻史 | 【集団の母胎は女性が生み出す充足空間】~新テーマプロローグ:本来の女子力とは?
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