2011年08月22日
歴史に学ぶ男女関係3 ~古代の対偶婚(3)婚姻習俗「祓除」~
歴史に学ぶ男女関係1 ~古代の対偶婚(1)~
歴史に学ぶ男女関係2 ~古代の対偶婚(2)~
に続いて今日は、古代の対偶婚における婚姻習俗の一つ「祓除(はらへ)」を見ることにします。
最初に日本の対偶婚の独自性から。
モルガン、エンゲルスが対偶婚概念を定立した社会が単系・外婚制を特徴とする氏族制社会であったのに対し、日本社会はかかる氏族制を基礎とする社会ではなく、従って外婚制という明確な氏族規制による制約下に置かれなかった。
よって共同体規制は氏族制社会ほどの厳格さをもって貫徹されないが、存在しなかったわけではなく、何らかの婚姻(=性関係)への共同体規制は存したはずで、それが『大化二年三月甲申詔』(646)の、律令国家成立以前の民間の婚姻習俗に対する、古代国家側からの禁止に垣間見える、とされています。
そこで今日は、この詔の中から、対偶婚の発生と同じように古く、それと結びついた慣行である(二)の(5)項「祓除(はらへ)」の項を見ることにします。
(写真は「腰かける巫女(埴輪)」6世紀。)
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- posted by okatti at : 2011年08月22日 | コメント (3件)| トラックバック (0)