2007年08月07日
江戸の女子教育は男よりも高水準だった?!
『以前から様々な人が言っているが、江戸時代の社会の実態は、もの凄く誤解されているそうである。江戸時代といえば「貧しい農村」である。百姓は厳しい年貢に苦しみ、喰うに事欠き、赤子は間引きされ、娘は苦界に売られていく、と相場は決まっている。
教育やテレビの力というものは恐ろしいもので、今さらそんなことを言われても、小学校や中学校で習った歴史や『水戸黄門』が描く歴史像からは、なかなか抜け出すことができない。
女性の地位についてのイメージも例外ではない・・・・
封建制度と男尊女卑の思想に女性は虐げられ続けてきたのであって、その出発点は江戸時代にあったと理解されている。が、これは大きな間違いである。』
以上: 新書マップ 「江戸時代の結婚・家庭・女性」: 読書ガイドから引用
その様な内容を紹介する書籍「大江戸生活事情」石川英輔著に見つけました。
江戸の女子教育は、手習いの段階から男よりも水準が高かった。中小の商工業では、女性の果たす役割が大きいため、女子教育が重要になり、日本橋、赤坂、本郷などは女子の就学数のほうが多かった。当然の成り行きとして、女師匠(女性教師)がすこぶる多く・・・・(中略)・・・・<女筆指南>の看板を上げた女専門の師匠も多かった。・・・(中略)・・・・また、女子教育と男子教育の最大の違いは、男は職業を覚えることが優先されているため、手習いも適当なところで切り上げて就職させることも多かったが、女子は、読み書きだけでなく芸事やさらに高い教育を身につける必要があった。
その結果、職人であるよりははるかに教養があって頭の切れる、しっかり者のおかみさんが、江戸落語に登場する。実態としても女房が実権を持って運営している商家は珍しくなかったらしい。江戸の庶民は男尊女卑の世界とは縁遠かったらしい。
- posted by koukei at : 2007年08月07日 | コメント (5件)| トラックバック (0)
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>江戸前期は主に金持ち武士が対象だったが、後期は主に金持ち商人を対象とした。
これって、あくまで「花魁」とか言われる格の高い遊女と遊べた人が、金持ち=商人だったという事ですよね?
吉原の料金体系は約2500円~15万円と、どこかにかいてありました。
一般庶民も十分払える金額だなぁ~と想像していたもので・・・。
卑弥呼さんが言われる通りで,吉原遊郭はランクが有りました。大見世、仲見世、小見世と分かれていました。
大見世は「花魁」、「大夫」などで最高級の教養と容姿を併せ持ったトップスターの遊女です。様々で複雑な遣り取り(手続き)が必要で、それを理解して散財する事を、「粋」と言っていました。金額も破格(25万程度+お土産その他で70~100万程度かかることもあったと言われています)。
庶民の対象は、仲見世~小見世です。難しい形式もなく金額も数万円程度だったらしい。さらに、敷地外の無許可の場所ではもっと安い遊女もいたらしい。
しかし、最高級の「花魁」、「大夫」は客に呼ばれて揚屋まで通うのにも、「花魁道中」と言う演出として行進したそうです。庶民はそれを見て、そのファッションや身振りに憧れて話題としたそうです。
現代の、下着姿(?)で歌って踊るスーパースターと同じかもしれません。性の幻想化の極めですね。
吉原って本当に不思議な社会が出来ていました。調べていると華やかな世界のような器がしますが、内部の位の差はものすごく大きく、不幸な死を迎える人も多くいたようです。
その当たりを調べていこうと思いました。出来れば吉原以外も含めて....
ちなみに「大夫」は「太夫」と書かれることの方が多いです。
共同体社会と人類婚姻史 | 江戸性文化の吉原とは、何だったのか
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