2019年06月02日
西欧科学の成立年表
なぜ、西欧においてのみ近代科学が登場したのか?
その過程を年表化した。
時系列で並べると、
十字軍→ルネサンス→商業数学の発達→大航海→前期魔女狩り(カトリック)→宗教改革→後期魔女狩り(プロテスタント)と戦争(植民地戦争と三十年戦争)を経て、1600年代に西欧科学が誕生。
1096~1270 十字軍 教皇権絶頂
1100年代 (伊)北イタリアで都市国家成立
1200年代 為替手形等の商業技術が発達。遠隔地間の決済が可能になり、遍歴商業→定住商業へ転換(13世紀商業革命)
1202 (伊)フィボナッチがイスラムの計算術と代数学、アラビア数字と十進法による計算をイタリアに紹介
1204 (伊)ベネチア艦隊がコンスタンチノープル攻略、クレタ島などを得て、東地中海最強国家に
1220頃 (仏)テンプル騎士団 仏王の財産管理者に
1241 (独)ハンザ同盟 北海貿易を独占
1300~1500 (伊)ルネサンス(恋愛小説→絵画・建築・魔術)
(伊)商人や職人の算数教室が広まる
1328 (伊)算数の教科書『諸問題の書』で代数学(方程式論)
1300年代 中国から火薬が伝わる
製鉄技術の発達(フイゴの駆動に水車使用→高温の銑鉄→高炉)
1390 (伊)ベネチアで利子が正式に解禁→銀行が次々と設立
1400年代 (伊)商業都市で、商業・銀行実務から複式簿記(借方=貸方)が発達
1410 (伊)フィレンチェのメディチ家が教皇の財産管理者に
1420~ (ポルトガル スペイン)大航海(1488喜望峰、1498インド到着 1519~35南米征服)
1450年頃 (英仏)百年戦争末期に火砲使用 グーテンベルクの活版印刷
1450~ 硬貨需要と兵器需要→金属鉱石生産急拡大→定量的測定が重視される
1452 (伊)マネッティ『人間の尊厳と優越について』人間中心主義
1480~1520 前期魔女狩り(カトリック主導)
1486 (伊)ピコ『人間の尊厳について』自然支配魔術
(伊)異端審問官インスティトリスとシュプレンガー『魔女の槌』→魔女=女性イメージが確立。
それ以前から異端審問はあったが、女性をターゲットとした迫害が過激化。
1494 (伊)パチョリ『算術大全』ベネチア式複式簿記の体系化→代数学・方程式の発展(16世紀数学革命)
1500頃 (伊)ダ・ヴィンチ 絵画・解剖学・力学など様々な分野を追求
1517 (独)ルター免罪符批判→宗教改革(異端審問批判)~前期魔女狩り沈静
1534 (英)イギリス国教会成立
(仏)イエズス会結成
1536 (スイス)でカルヴァンの宗教改革。蓄財を肯定
1537 (伊)タルターリア 弾道学(→力学・機械学へ)と三次方程式の解法
1543 (ポーランド)コペルニクス地動説発表
1545 (伊)カルダーノ 四次方程式の解法と虚数概念
1555 (独)帝国議会でルター派承認。諸侯はカトリックかルター派を選択可能に
1558 (英)デッラ・ポルタ『自然魔術』磁力の定量的測定→数学的関数で表される力概念への端緒
1558~1603 (英)エリザベス1世(中央集権の絶対主義と重商主義)
1560~1670 後期魔女狩り(プロテスタント主導)
1568~1609 (蘭)オランダ独立戦争
1563、1580 (英)エリザベス1世の魔女狩り強化令
1579 (英)技術者教育機関グレシャム・カレッジ設立
1581 (蘭)オランダがスペインから独立
1588 (英)イギリス、スペイン無敵艦隊撃破
1592~1598 (仏)ユグノー戦争(カルヴァン派のブルボン家とカトリック派の内戦)→ブルボン王朝成立
1590年代 (伊)ガリレオ 落体の法則
1600 (英)イギリス東インド会社創設
1604 (英)ジェームズ1世の魔女狩り強化令(ジェームズ1世著『悪魔論』)
1609 (独)ケプラー 惑星運行の法則
1618~1648 三十年戦争→カルヴァン派とオランダ独立承認。ドイツ騎士団発のプロイセン(ルター派)が台頭
1620 (英)フランシス・ベーコン『ノヴム=オルガヌム』
1633 (伊)ガリレオ 地動説を擁護し、カトリックの異端審問で有罪判決
1637 (仏)デカルト『方法序説』
1640 (英)ピューリタン革命
1651 (英)ホッブズ『リヴァイアサン』
1652~1674 (英蘭)第一次英蘭戦争
1661 (英)ニュートン 万有引力の法則
1662 (英)ボイルの法則
(英)ロンドン王立協会設立
1670頃 後期魔女狩り終焉
1687 (英)ニュートン『プリンピキア』
1689 (英)名誉革命でオランダのウィリアム3世が英王に。英仏植民地戦争開始(~1763)
1690 (英)ロック『統治論』
1694 (英)イングランド銀行設立
- posted by KIDA-G at : 2019年06月02日 | コメント (0件)| トラックバック (0)