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2019年6月23日

2019年06月23日

地球史と生命の起源年表(補)~雌雄分化の過程(原核単細胞→真核単細胞→多細胞)

雌雄に分化する過程は、①原核単細胞の性→②真核単細胞の性→③多細胞の性に分かれる。

1.原核単細胞時代(40~15億年前)
・原核単細胞には、古細菌と真正細菌の2系統があるが、DNAは剥き出しの状態。DNAをなぜ格納しなかったのかは、最近の定説によると、分裂するのが最大の闘争課題で、そのためにはシンプルである必要があったからだと言われている。また、種の概念が成立する以前の生物であり、DNAが種を越えてやり取りされていたのも大きな理由のひとつらしい。
・危機に瀕した際のDNAの交換は、バイオフィルム状の階層空間を利用したプラスミドの相互交換が中心。さらに、超寒冷期などの最悪の状況下では接合して、相互に相手のDNAを利用し合うケースも稀にあったらしい。それが後のボルボックスなどの群体に進化していったと考えられている。
・真正細菌も古細菌も、本格的な性はまだ持っていないし、大きさ自体が非常に小さく、形態的な分化の限界もあった。そのため、学術的には長年無視されてきたが、最近のDNA解析の技術で、中間種でありながら生殖可能なタイプが次々と発見されてきており、種の区分が不明瞭な点は証明が進んできている。

2.真核単細胞時代(15~6億年前)
・約10億年前には繊毛虫類が登場。当時から遅くとも2億5000年前までには現在と同じ構造のゾウリムシに進化したらしく、代謝核としての「大核」と生殖核としての「小核」を持っている。性の起源として以前から注目されていた。
・この2核の分化が運動と生殖の分化であり、生活環と同型配偶子生殖の起源だと言われている。
・多細胞生物の初期段階あるいは高度な群体とも言えるカイメンも約10億年前に登場したが、カイメンの機構は襟細胞との近似性が高い。また、同型配偶子を活用した生殖を行っている。
・真核単細胞生物の性は、原核単細胞生物と真核多細胞生物の中間に位置し、雌雄分化の前段階の殖産分化のステップと思われる現象が多々観察されている。実は、真核単細胞生物の系統的解析は、最近の分子生物学の成果が活用され始めてからまだあまり期日が経っていないため、かつての分類自体が見直されてきているが、あと4~5年程度で原生動物の全貌がわかると推測されている。
・他にも、真核単細胞生物には多様な性現象を有したものが多く、原生生物の研究は、マーグリス以降、非常に活発になってきた。その影響もあって、現在の最先端では、多細胞動物の起源は何かという視点での系統研究も行われている。

3.多細胞生物(6億年前~現代)
・種の概念がほぼそのまま適用できるようになったのが、多細胞生物時代以降。雌雄分化の“本丸”もこの時代の産物である。
・8~6億年前の全球凍結の直後に、エディアカラ動物群→バージェス動物群が海中で適応放散する。脊椎動物の祖先とも言われる脊索動物も5.3億年前には登場した。その後、動物の地上進出は約4億年前頃になる。
・多細胞生物と群体の線引きは曖昧だが、原生生物段階がゾウリムシの「大核」「小核」などの殖産分化だとすると、異型配偶子の登場=精卵分化が多細胞生物の段階になる。
・精卵分化の次のステップが躯体分化だが、肢体の差が明瞭に現れるのは、節足動物系では4.3億年前の昆虫類の登場、脊椎動物への系譜では初期両生類が登場する3.8億年前頃になる。どちらの系譜も、体格などの差が明瞭に現れてきた時代である。
・雌雄分化は性染色体によるものと人間は考えてがちだが、正確には性染色体で性別が固定されるのは、哺乳類と鳥類だけ。爬虫類以前は、環境要因によってオスメスが決まるため、中には成熟してから性転換する種もいる。
・植物は動物よりも少し早く地上に進出したが、オゾン層が形成されたのが5億年前で、その直後から4.5億年前頃までには、コケやシダの他、地衣類(菌類にクロロフィル保有生物が2次共生した共生体)が上陸し、地上進出の最初の段階から雌雄分化が行われていたらしい。

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2019年06月23日

地球史と生命の起源年表(補)~全球凍結と多細胞化

23億年前と6億年前の二度、地球全体が氷床に覆われたといわれている。(後期は7.5億年前と6億年前の二回説もある)

1度目は27~30億年前に登場したシアノバクテリアに起因する。
光合成に伴い放出された酸素は当初は海中の鉄などと化合したが、23億年前、海中の鉄分がなくなり大気中へと放出されはじめた。
それまで大気は二酸化炭素と火山やメタン菌が出すメタンに覆われており、メタンと二酸化炭素の温室効果で地球は温暖であった。
火山活動が衰退した後、シアノバクテリアが放出する酸素とメタンが化合し、水と二酸化炭素に分解される。二酸化炭素の20倍の温室効果があるメタンの減少が地球を急速に冷却させ全球凍結へと至った。
太陽光の届かない=光合成が不可能な海底1000mまで凍結したようだが、海底火山付近や地中へと適応したものがかろうじて生き残ったと言われている。数千万年、氷の中に閉じ込められていても、解凍後に活動を再開することも可能であっただろう。

地殻変動などで火山活動が活発になり再び地球が温暖化し、全球凍結は終焉したが、注目すべき点は、この時期に真核生物が登場していることだ。2度目の全球凍結が起こった6億年前にもエディアカラ生物群~カンブリア爆発と呼ばれる大型化を伴う多様な進化が見られた。

真核生物も原核生物より遥かに大きく、嫌気性と好気性の原核生物の共生(多細胞様な進化)とみれば、多細胞化~大型化が全球凍結~温暖化という自然外圧の変化に適応した進化と考えられる。

このように、地球史の中で最も過酷だったと言われる2回の氷期の直後にはそれぞれ、2倍体細胞or真核細胞生物の登場、あるいは多種多様な多細胞動物の誕生など、特筆すべき大進化が確かに起こっている。

氷期というのは生物にとっては逆境中の逆境とも言える生存のピンチだが、この逆境を乗り切るためにしばしば採ってきた戦略が細胞融合や合体である。30億年以上前の原核生物の時代からこれらの生存戦略をとって生物は生き延びてきた。

20数億年前の超寒冷期が、単細胞同士の融合(≒DNAの溜め込み・生体保護のための核膜や細胞壁の創出etc)から出発したひとつの完成形としての2倍体細胞や真核細胞を生み出し、同じく8億~6億年前の超寒冷期が、群体形成の次のステップである多細胞化の実質的母胎、つまり細胞間シグナルやコミュニケーションのシステム(≒細胞の役割分化系統)をほぼ完成させた。これが後のエディアカラ動物群やバージェス動物群などの所謂カンブリア大爆発と呼ばれる多細胞動物全盛の時代に繋がっているという仮説もある。

氷期の到来や地殻変動などの絶望的とも言える環境の大変化を前にして、生物たちは種が存続できる唯一の可能性だったであろう同類同士の連携や協力関係に収束することで、細胞内の器官(俗にオルガネラと呼ばれる)や細胞同士の組織化(=細胞の役割分化と統合)のシステムを構築してきた。

なぜ多細胞化したのか?、なぜ高度な細胞間システムが生まれたのか?
これらは大きな謎だったがが、地球環境激変という危機に遭遇するたびに、同類間の協力関係を強め、例えば氷の中で一番外側の細胞はシェルターとしての機能だけに後退し(≒死をもって種の存続に貢献し)、その次はその内側の細胞が周りの細胞とのシグナル交信によってその役割を継承した。そして、大半の細胞がほとんど物質直前というレベルに耐えながら、将来の神経系統の進化に繋がる細胞間のシグナル伝達機能だけを高度化しつつ、多細胞生物の開花に備えて静かに静かに生き延びることに成功したと考えられる。

この秘策こそ、それまでも危機に瀕するたびに単細胞生物たちが採ってきた細胞の集合化や共同体化という戦略であり、その延長線上に多細胞生物が登場した。

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2019年06月23日

地球史と生命の起源年表 46億~5億万年前(定説)

46億年前  ・太陽系誕生≒地球誕生。

45億年前  ・大衝突仮説(地球に天体が衝突し月が誕生)。地球では地殻~マントル~外核~内核が形成される。

43億年前  ・大気は二酸化炭素と水蒸気が中心。大気中の水蒸気が雲をつくり雨が降り注ぐようになったが、地表の温度が高いため蒸発を繰り返す。
・地表は岩石が溶けたマグマオーシャンの世界。

41~38億年前・後期重爆撃期仮説=月のクレーター等の痕跡がそのなごりと言われている。生命体は後期重爆撃期の直後に登場したというのが有力な仮設だが、最近では後期重爆撃期を生き延びた可能性も議論されている。

40億年前  ・原始海洋が形成される。海水の成分は亜硫酸や塩酸が溶けていたため酸性だったが、地上の金属イオンが雨とともに流れ込んで、海水は中和され、二酸化炭素を溶かし込むことが可能になった。
⇒地球全体は還元的な環境になっていたらしい。

40~35億年前・原始生物の登場:最古の化石は35億年前の西オーストラリアで発見されたもの。メタン生成の痕跡がある古細菌の一種と推定されている。
・真正細菌もほぼ同じ時代に登場したと想定されている。

36~32億年前・真正細菌の一種から光合成細菌が登場する。最初の光合成では、水を使わず硫化水素等を使っていたので、まだ酸素発生型光合成には至っていない。
※ただし、クロロフィルは発生と退化を繰り返すという認識には留意しておくべき。

32億年前  ・酸素発生型光合成生物(=シアノバクテリア)が登場。
※シアノバクテリアの体内で二酸化炭素が固定されるので化石燃料ができたという説もある。

27億年前  ・地球の磁気が生まれる。磁気圏が誕生すると、太陽風のバリアとして機能するので、シアノバクテリアの活動はより旺盛になったという説もある。
・シアノバクテリアの繁殖が進み、シアノバクテリアの化石も発見される。酸素の供給量が海中で上昇し2価鉄が3価鉄に変わり、海中には縞状鉄鋼床が形成されていく。
・ほぼ同時期に好気性細菌が登場し、酸素の持つ高エネルギーを活用した肉食性バクテリアの起源になった。

25~19億年前・縞状鉄鋼床の産生の活性期だが、19億年前には海中の鉄がすべて酸化されたため縞状鉄鋼床の産生は姿を消す。

20億年前  ・大気中の酸素が上昇を始める(20億年前で1%)。海中の鉄がすべて3価鉄になると、酸素と化合する鉱石が無くなり、余剰の酸素が大気中に放出されるようになった。

20~15億年前・真核生物の登場時期。化石は15億年前のものが最古。

12~10億年前・原生生物(≒真核単細胞生物)の適応放散。これは近年のDNA解析で証明されたとされている。

10億年前  ・最古の多細胞動物カイメンが登場する。この説は「襟鞭毛虫起源説」と呼ばれ、餌の捕り方が襟鞭毛虫(=原生動物)によく似ているという点から来ている。

8~7億年前 ・全球凍結。この期間に多細胞型有性生殖の仕組みが完成した。

約6億年前  ・エディアカラ動物群→パージェス動物群の登場(カンブリア大爆発)

約5億年前  ・地上の対流圏の酸素濃度が現在と同じ21%になる。
→成層圏にオゾン層が形成。→地上に届く紫外線が減少→生物の地上進出が容易になった。

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