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2019年06月23日

地球史と生命の起源年表(補)~全球凍結と多細胞化

23億年前と6億年前の二度、地球全体が氷床に覆われたといわれている。(後期は7.5億年前と6億年前の二回説もある)

1度目は27~30億年前に登場したシアノバクテリアに起因する。
光合成に伴い放出された酸素は当初は海中の鉄などと化合したが、23億年前、海中の鉄分がなくなり大気中へと放出されはじめた。
それまで大気は二酸化炭素と火山やメタン菌が出すメタンに覆われており、メタンと二酸化炭素の温室効果で地球は温暖であった。
火山活動が衰退した後、シアノバクテリアが放出する酸素とメタンが化合し、水と二酸化炭素に分解される。二酸化炭素の20倍の温室効果があるメタンの減少が地球を急速に冷却させ全球凍結へと至った。
太陽光の届かない=光合成が不可能な海底1000mまで凍結したようだが、海底火山付近や地中へと適応したものがかろうじて生き残ったと言われている。数千万年、氷の中に閉じ込められていても、解凍後に活動を再開することも可能であっただろう。

地殻変動などで火山活動が活発になり再び地球が温暖化し、全球凍結は終焉したが、注目すべき点は、この時期に真核生物が登場していることだ。2度目の全球凍結が起こった6億年前にもエディアカラ生物群~カンブリア爆発と呼ばれる大型化を伴う多様な進化が見られた。

真核生物も原核生物より遥かに大きく、嫌気性と好気性の原核生物の共生(多細胞様な進化)とみれば、多細胞化~大型化が全球凍結~温暖化という自然外圧の変化に適応した進化と考えられる。

このように、地球史の中で最も過酷だったと言われる2回の氷期の直後にはそれぞれ、2倍体細胞or真核細胞生物の登場、あるいは多種多様な多細胞動物の誕生など、特筆すべき大進化が確かに起こっている。

氷期というのは生物にとっては逆境中の逆境とも言える生存のピンチだが、この逆境を乗り切るためにしばしば採ってきた戦略が細胞融合や合体である。30億年以上前の原核生物の時代からこれらの生存戦略をとって生物は生き延びてきた。

20数億年前の超寒冷期が、単細胞同士の融合(≒DNAの溜め込み・生体保護のための核膜や細胞壁の創出etc)から出発したひとつの完成形としての2倍体細胞や真核細胞を生み出し、同じく8億~6億年前の超寒冷期が、群体形成の次のステップである多細胞化の実質的母胎、つまり細胞間シグナルやコミュニケーションのシステム(≒細胞の役割分化系統)をほぼ完成させた。これが後のエディアカラ動物群やバージェス動物群などの所謂カンブリア大爆発と呼ばれる多細胞動物全盛の時代に繋がっているという仮説もある。

氷期の到来や地殻変動などの絶望的とも言える環境の大変化を前にして、生物たちは種が存続できる唯一の可能性だったであろう同類同士の連携や協力関係に収束することで、細胞内の器官(俗にオルガネラと呼ばれる)や細胞同士の組織化(=細胞の役割分化と統合)のシステムを構築してきた。

なぜ多細胞化したのか?、なぜ高度な細胞間システムが生まれたのか?
これらは大きな謎だったがが、地球環境激変という危機に遭遇するたびに、同類間の協力関係を強め、例えば氷の中で一番外側の細胞はシェルターとしての機能だけに後退し(≒死をもって種の存続に貢献し)、その次はその内側の細胞が周りの細胞とのシグナル交信によってその役割を継承した。そして、大半の細胞がほとんど物質直前というレベルに耐えながら、将来の神経系統の進化に繋がる細胞間のシグナル伝達機能だけを高度化しつつ、多細胞生物の開花に備えて静かに静かに生き延びることに成功したと考えられる。

この秘策こそ、それまでも危機に瀕するたびに単細胞生物たちが採ってきた細胞の集合化や共同体化という戦略であり、その延長線上に多細胞生物が登場した。

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