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2022年03月25日

一体化の深さは、不整合感を切り口にどれだけ繰り返し再現して本質に迫れるか

同類を越えた、万物の自然対象との一体化を司る右脳。

一体化するために、対象を捉えようとするための探索・再現回路を司る左脳。

これまでの記事で扱ったように、この両者を結ぶ脳梁をいかに太く繋げること≒あらゆる対象の再現を繰り返すことが、私たち人類の観念機能を育む土台になっています。

 

*****

ところで、皆さんは仕事や学び、遊びなどで日々「再現」していますか?

仕事場面においては、そろそろ新入社員が入ってくる季節。会社では、新人研修が行われていくことかと思います。

また新入社員に限らず、入社して10年目くらいまでは、仕事の「型」を身に着ける大切な時期。

これまでの言葉以前の観念シリーズから現代を生きる私たちの仕事場面に活かすなら、仕事の「型」を習得できるかということも、どれだけ真似して再現してきたかということが重要になってきます。

写真はコチラからお借りしました。

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2022年03月23日

「再現することが充足になる」という人類特有の回路が、観念発達を促した

これまでの記事では、観念とは何か?を明らかにするため、本能以上・言葉以前の脳回路の動きに焦点をあててきました。

 

いくつか事例をみてきましたが、ふりかえると、共通するものが見えてきます。

 

・始原人類は、目の前のものをとにかく観察。こうしたらどうなるという手順や結果を分類し、気づいた成果をすぐさま次の行動に移すことで、言葉がなくとも、道具を発達させることができた。

・言葉以前の地平で探索している赤ちゃん。大人が「同じ」と思っているものでも、子どもは「違う」ものとしてみている違いや変化がたくさん見つけているから、ずっと探索し続けられる

・障がい者のアートから感じるエネルギーのすごみ。言葉による説明や解釈がなくても、何かに没頭し探索することで、作品を見る人にも充足・活力が与えられる

 

これらの事例に共通することとして、未知なる対象や自然現象をひたすら再現しようとしていること。そして、その再現に没頭する過程そのものが、大きな充足エネルギーになっています。

 

もうひとつ、私たちに親近感のある事例が、こどものなりきり遊びです。こどものころは、生き物や大人になりきって遊んだ記憶が、みなさんにもたくさんあるのではないかと思います。鳥やへびのものまね、おままごとやチャンバラごっこ。子どもたちは、この遊びを飽きることなく永遠と繰り返して楽しみます。なりきり=再現することが、ひとつの充足になっている事例だと思います。

このような行動を喚起している脳の働きを、仮に再現回路と呼ぶこととします。再現回路は、オランウータンのときには、実はあまり見られません。動物園のオランウータンが、人の真似をしたりする事例は確認されていますが、それが長続きはしません。彼らの様子からも、真似するに留まり、再現を通じた充足までは至っていないと思われます。また、オランウータンの真似対象は、同類(あるいは同じサルである人類)までですが、人のこどもは、なんにでもなりきろうとします。真似する対象が、無限に広がっているのです。

 

この再現回路は、何かと一体になり充足したいという一体化回路と、未知にどんどん向かっていく探索回路が合わさっており、これが観念発達の原動力になっていると思われます。

この再現することで充足する、という回路を発達させたことが、人類とサルの違い、すなわち言葉や道具の獲得を分けた、ひとつの重要なポイントになりそうです。

 

次回は、この再現回路が、現代において、人類の能力にどう関わっているのかを、紐解いていきたいと思います。

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2022年03月18日

観念機能とは何か?~言葉以前の世界が紡ぎ出す障がい者のアート

写真は井村ももかさんの作品です

 

先日、滋賀県立美術館で開催されている障がいを持つ方々のアートを見てきました。

題して「人間の才能 生みだすことと生きること」 

障がいをもつ・・という言葉自体が不適切なのかもしれませんが、障がい者の方々が紡ぎ出す圧巻の作品群に引き込まれました。

また隣の展示室では、近代芸術家の前衛的な作品も展示されていて、正直そこまで・・・。

 

この違いは何なのだろう?

何故、こんなにもエネルギーを感じるのだろう?

 

このブログで今追求している「言葉以前の世界」と、これら作品には凄く重なる感覚もあったので、今回はそこを深堀したいと思います。

 

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2022年03月17日

観念機能とは何か?~ヒトが言語を獲得したことで失った能力

「観念機能とは何か?」を明らかにするために言葉の無い世界の追求をしています。

 

ヒトは、同類への一体化欠乏を自然対象にも適用することで、対象の本質を掴むことが可能になりました。その延長に言語の獲得があります。他の動物にはない、物理的には知覚し得ない領域、更には未来までもの対象世界を手に入れました

 

しかし、その言語を獲得したことで失った能力もあるようです。今回は、そこに着目してみたいと思います。

 

画像はこちらからお借りしました)

 

 

まずは、その事例を紹介します。

京大霊長類研究所では、チンパンジーの記憶力を調べた研究があります。一番小さな数字に触れた瞬間に、数字が全て白い四角に置き換わります。そこから記憶を頼りに、小さい数字から順に応えていくという課題です。

 

アイの子アユムをはじめ子どものチンパンジーたちがずば抜けた記憶力を発揮します。ヒトは全く太刀打ちできないレベルです。これは、画面を写真のように映像で記憶しているからだと考えられています。映像記憶とよばれるものです。

京大霊長類研究所の動画をぜひご覧ください。

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2022年03月11日

観念機能とは何か?~言葉以前の追求は、成果をすぐに行動に塗り重ねていった~

(画像はこちらからお借りしました。)

 

「観念機能とは何か?」を明らかにするために、言葉の無い世界を追求しています。

・言葉を生み出す前から人類は、さまざまな道具を生み出し、火の使用もはじめています。数百万年の間、言葉を使わずに、追求し、継承してきたことになります。

・常にことばを使って思考している現代人からすると不思議な感じがします。今回は、それはどうして可能だったのか、という視点から、なぜ言葉が必要になったのかの入口まで迫りたいと思います。

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2022年03月09日

観念機能とは何か?~言葉化以前の未知探索に夢中な乳幼児~

(※画像はこちらこちらからお借りしました)

 

「観念機能とは何か?」を明らかにするために、言葉の無い世界を探ろう!という今回のシリーズ。

今日は、好奇心の塊である乳幼児に注目してみたいと思います。

乳幼児の特長はいくつかあるのですが、その中で「好奇心」に関連しそうな行動を挙げてみます。

・何にでも興味を持って、手に取り、口に入れようとする。
・何か気になることがあると、時間を忘れてじっと観察している。
・何度も(大人から見ると同じようなことを)楽しそうに繰り返す。
・何?何で?の質問攻撃が止まらない。

 

なぜ子どもたちは、対象に対してこんなにも夢中になれるのでしょうか。
このような時の子どもたちの思考はどうなっているのでしょうか。

 

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2022年03月04日

観念機能とは何か?~脳の機能不全の事例から見る観念の役割~

 

画像はコチラからお借りしました。

 

前回の言葉を持たない部族の事例に引き続き、「観念機能とは何か?」について、言葉の無い世界から探っていきたいと思います。

 

ところで、人間の脳の構造として、観念機能を司っているのは左脳の部分と考えられています。

今回の記事では、人間の左脳と右脳、それぞれに機能障害が起きた場合にどうなるのかという事例などを俯瞰し、人類にとって観念機能とはどういう役割を持っているのか、その切り口を見つけてみたいと思います。

 

まずは、私たちが使う観念機能が無くなったらどうなるのか

過去に本ブログでも紹介している、女性の神経解剖学者ジル・テイラー博士が脳卒中を経験し左脳の機能を失い、右脳だけの働きとなった状況を見てみましょう。

 

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2022年03月02日

観念機能とは何か?~観念の発達していない民族の世界観~

今週からは、再び観念回路の獲得を扱っていきたいと思います。まず、人類だけが獲得した観念機能とは何か?がこれから数回のテーマです。

 

はじめに、「観念」という言葉について、固定しておきましょう。日常では”固定観念”や”観念的”というような、概念や捉え方を指すことが多い言葉ですが、本ブログでは、見ているものの法則や構造を見い出したり、そこから発展して言葉や文字を生み出していった機能を観念機能と名づけ、扱っていきます。

 

以下は、もう少し踏み込んだ定義です。詳しく知りたい人は読んでみてください。

 

■観念機能

恒常的に生存の危機に晒されていた人類は、サル時代に形成された共認機能に全面収束すると共に、不整合な(=未知なる)自然との共認(対話、祈り)に先端収束し、遂に不整合な自然の背後に整合する対象=精霊を措定した(=見た)。人類が万物の背後に見たこの精霊こそ、人類最初の観念であり、人類固有の観念機能の原点である。直面する未知なる世界の背後に精霊を見るのも物理法則を見るのも、基本的には同じ認識回路であり、従って精霊信仰こそ事実認識=科学の原点だとも言える。

なお、観念機能はその後、話し言葉を生み出し、更には書き言葉へと進化してきたが、観念共認へと先端収束した人類はその観念内容次第で進化もすれば退化(あるいは絶滅)もする危険性を孕んでいる。

 

*   *   *

 

今回の記事では、観念回路を獲得した始原人類にとって、言語の無いor発達してない世界とはどのようなものであったのか、いくつか事例をふまえながら、イメージを膨らませていきたいと思います。ひとつ挙げられるのが、言葉をもたない部族の事例です。

 

(1)数字を持たない民族「ピダハン」

ピダハンという民族は数字を持っていません。ある人物が、民族と接触し計算を教えようとしたそうですが、全く数字の概念を捉えることができなかったそうです。

おそらく、彼らには抽象化して、同じようなものを数に置き換えるという考え方はなく、直接経験できるものしか語らない思考をしていると思われます。

また、ピダハンには「色」の概念もありません。色が識別できないわけではなく、かなり具体的に色の違いを認識しているものの、まとめて「赤」と言ったりしないようです。

画像はこちらからお借りしました

 

(2)数字を持たない民族「ドドス」

遊牧民族のドドスは1人で200頭あまりの牛を買っているそうですが、数字を知らないので牛を数えたりすることがないそうです。しかし、牛の特性や家系は全て細かく記憶・把握できているそうです。

 

これらの民族の事例から分かるのは、私達が観念を使って、見ている対象を分類したり、複数の対象の関係性を見出そうとするときに、抽象度をあげていると同時に、多様性をいくつか捨象しているということです。

 

始原人類は、その逆で、例えば同じように見える植物にも全て違う特徴を見つけ記憶・認識するなど、対象を注視する能力の高さから、それぞれを分類されずに別々のものとして捉えていたのではないでしょうか。

 

次回はもう少し、事例を深めながら、観念回路が無い世界のイメージを膨らませていきます。

 

 

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2022年02月25日

一体充足に全面収束した人類~生殖器も変化している~その②

前回は、哺乳類~原猿~類人猿の陰茎を概観しました。

生物界ではヒトの陰茎のように滑らかな形は少数派で、多くの種で陰茎にトゲがあるのは驚きでしたね。進化生物学の世界においては、むしろヒトの陰茎棘を失った方が謎とされているのです。

 

今回は、

ヒトになり陰茎はどのように変化したのか?

なぜその変化がおきたのか?

に迫ってみたいと思います。

 

以下の図は、類人猿の身体の大きさ(Body size)、睾丸の大きさ(Testical size)、胸の大きさ(Breast size)生殖器の大きさ(Male/Female genetalia)を比較したものです。

こちらからお借りしました

このように、類人猿でもかなりの差がみられます

 

ヒト(オス)の陰茎においては、以下が特徴的です。

・陰茎はなめらかで形状が単純化している

・陰茎サイズが類人猿最大になっている

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2022年02月23日

一体充足に全面収束した人類~生殖器も変化している~その①

 

前回の記事では、人類が無毛化したのは、一体充足を高めるためではないかという仮説をたてました。私たちヒトは、祖先である類人猿と比べて、無毛化しただけでなく、柔らかく弾力があり、きめ細やかな素肌になっていること。とりわけ女性や赤ん坊の肌がそうであることから、「触って気持ちがいい」「触れたくなる」方向へ進化したのではないかということです。

 

では一体充足を高めるため、身体的な変化が起きたのは皮膚だけなのか?

男女の一体充足といえば性。となると生殖器も変化しているのではないか?

 

ということで、生殖器の変化も調べてみました。結論からいうとナカナカ変化しています♪

 

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