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2008年08月17日

霊長類の群れ社会の進化(3)~霊長類群れ社会の5つの社会型

『霊長類を見る視点』<前編> <後編>に続いて、現在の霊長類の群れ社会の「5つの社会型」を紹介します。
群れ(集団)を考える場合、まず雄と雌がどのような形で結びついているかが基底部となります。それをもとに現存するサルたちの集団のあり方(社会型)をみると「5つの社会型」に分類できます。
霊長類学者の河合雅雄著『人間の由来』(小学館1992)を参考に紹介します。
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【霊長類集団の5つの社会型】
 原猿が誕生したのは今から6500万年前の暁新世といわれ、原猿の祖先(原霊長目)は樹上適応した食虫目だと考えられています。
T047753A.jpg【ツパイ】分類:哺乳綱ツパイ目ツパイ科
食虫目から原猿への進化の中間形態を現在のツパイに見ることが出来ます。ツパイは、リスに似た姿の小型哺乳類。霊長類と食虫類との中間的な形態をもち、原始的なサルなどの祖先型に近い動物として注目されています。ツパイは基本的にオスもメスも単独行動です。したがって、霊長類の群れ社会の進化は、始めは原猿の単独社会から出発したのだと考えられます。


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 5つの社会型とその代表的な種は次のようになっています。実際には同じ社会型であっても種により群れ社会は様々です。
1.単独生活社会(単体型)
  原猿:アイアイ
  真猿:オランウータン
集団をつくらず、雄も雌も独立して一頭で暮らしている社会。独立とはいっても、雄と雌が一緒になり交尾をする必要がある。社会的な接触が行われ、個体間には社会的な行動が発現し、性を通じて社会関係がつくれる。
2.ペア型社会(単雄単雌型)
  原猿:インドリ
  真猿:テナガザル
雄と雌のペアによる集団。子どもは成長すると息子、娘とも巣離れする。
3.単独雄社会(単雄複雌型)
  真猿:(母系)ブルーモンキー、ハヌマンラングール  (父系)ゴリラ
一頭の雄と複数の雌及び子どもかなる集団。
4.複雄群社会(複雄複雌型)
  真猿:(母系)ニホンザル、サバンナヒヒ (双系)アカコロブス (父系)チンパンジー
複数の雄と複数の雌及び子どもからなる集団。
5.重複社会
  真猿:(母系)ゲラダヒヒ (父系)マントヒヒ
基本的な社会単位である集団が複数集まって上位の社会集団が形成された重層社会。人間社会に例をとると、家族という基本的社会単位があり、それが複数数集合して村落をつくる、その村落が重層社会。地上生活というサル類の中では、数少ない生活形をもっているヒヒ類の仲間だけに見られる。
  参考:河合雅雄著『人間の由来』(小学館1992)


◆この5つの社会型以外に、論理的には「一頭の雌と複数の雄」といった一妻多夫のような集団も考える事ができますが、サルの社会にはないといってもいいようです。また、哺乳類全体を見ても、だいたい1~5の社会型を見出すことができるようです。
原猿の群れは1と2の社会型および3の社会型の原型、真猿の群れは多様になり1~5の社会型を形成します。5の社会型ほど集団は複雑化・重複化しているので、原猿→真猿への進化とともに、群れ社会も進化していると言えるかも知れません。
ただし、進化系統樹上で後の時代に分化している類人猿には5の社会型がなく、1~4の社会型に区分できます。このことから、必ずしも形態(本能)進化と群れ社会進化は完全なパラレルではないようです。おそらく外圧状況に応じて群れ社会の構造も変化するのだ思われます。
◆ここで、霊長類学者の河合雅雄氏の「家族の起源」説を簡単に紹介しておきます。
河合説によれば、初期人類の集団は、チンパンジーのような「複雄群社会(複雄複雌型)」、もしくはヒヒのような「重複社会」を原型にした集団である可能性が示されています。現在の類人猿で「重複社会」を持つものはいませんが、「重複社会」を持つ類人猿が人類の祖先だったとも考えられるそうです。
また、初期人類は母系か、父系か?この点について河合氏は「母系」「双系」「父系」のどれになるのかは外圧状況によって変化するとし、したがって初期人類は「母系」「父系」のどちらの可能性もあるとしています。
河合氏は、現段階では確定仕切ることは出来ないとし、一定の可能性の示唆に留めています。霊長類学にもさまざまな学説があり、どの説も決定打に欠けるのが現状で、まだまだ追求過程にあるようです。


 群れ社会の進化とは、群れ社会の成立構造の塗り重ねであり、初期人類もまたそれまでの成立構造を基に集団を形成したはずです。したがって、霊長類の群れ社会の進化を見る上で重要なのは「社会型」そのものではなく、どのような外圧状況の下でその社会型が形成されたのか?また、その社会型を形成した成立構造(オス・メスの関係や群れの成員を繋ぐ紐帯など)は何か?などを解明することではないかと思っています。
『霊長類の群れ社会の進化』(1)~(3)では、「霊長類を見る視点」「霊長類群れ社会の5つの社会型」といった全体的な視点で見てきましたが、いよいよ次回から霊長類の群れ社会を具体的(マニアック?)に紹介したいと思います。(さいこう)

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comments

すご~~いですね。
「性の交流」と言う行為は、まとまりが無くなって統合できなくなってきた集団同士を、和合させると言う、「最先端兵器!」だったんですね。
関係が良くない小集団同士が、関係改善に一緒に楽しく「祭り」でもしたのでしょうか。そして、模索しているうちに最良の関係を良くする方法が、「性」の交流と成ったのかもしれません。
それにしても、集団崩壊を阻止する為に、使われた手法が「性の交流」であったと言うのは、「性」のエネルギー、可能性を集団の武器として活用したと言う事。現代人は「性」を「個人の性」に押し込めて矮小化しているよな気がしてきました。

  • 猪飼野
  • 2008年11月16日 13:09

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