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2021年10月22日

仲間との共感機能が知能進化に繋がった仕組みとは

これまでの記事で、「スキンシップによる親和機能を基盤に知能進化させた哺乳類の構造(なぜスキンシップをすると知能が発達するのか)」、更に、「哺乳類からサルへの知能進化(サル以来の知能進化の基盤は ”同一視”)」について扱ってきました。

サル以来の知能進化では、空腹に苛まれ辺境で怯え続けた弱オスたちが、封鎖してきた追従・集団本能を解除することで性闘争本能を抑制。相手の気持ちを掴む(同一視する)ことで、集団を組んで同類闘争するという、高度な知能進化を実現させてきたことがポイントでしたね。

今回は、この「同一視」する機能そのものが、どのように知能進化に繋がっているのか。ここを掘り下げてみたいと思います。

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サル以外の哺乳類では、個体間の連携や、柔軟な集団形態・役割の変化が可能であったり、親子間の真似回路(ミラーニューロン)を持っているため相手の気持ちを掴むことはできますが、「共感」はできません。例えば、不安で怯えている子どもの意識を母親が共感し、不安意識になってしまえば、子どもを安心させられませんよね。

前回の記事で扱ったように、この「共感=同一視回路」は、仲間と集団を組んで同類闘争が必要になったサル以降獲得した機能になります。では、これがどのようにして知能進化に繋がったのか。そのカギとなるのが、前々回の記事で扱った、脳とは別に判断機能を持つ皮膚感覚の発達です。

 

皆さんもそうだと思いますが、「安心している」「気持ちいい」状態の時って、脳が何かを「追求している」という感覚はないですよね。逆に、「なんだか気持ち悪い、不快だ」といった時には、それがなんで不快なのか、どうしたら気持ちよくなるのか、体が動こうと(潜在意識的には追求しようと)していませんか?

このように、皮膚感覚を発達させた哺乳類は、不整合を察知すると、プラスの親和充足を得るために探索回路を作動させます。

 

単細胞生物であれどんな生物であれ、外圧変化に対しての適応本能が備わっており、それは不秩序・不整合の状態のものを秩序化する、もしくは整合させる本能でもあります。同一視することで不全感を和らげ充足感を得ていたサルたちは、この整合本能の構造を活かし、同一視できない状態においても、充足を求め探索回路が働くようになります。

個から集団へと意識する対象が広がることで、「どうする?」探索のバリエーションも求められることになります。より対象が広がる程、本質を見極めていくために探索回路が増幅され、より高度な知能進化を生むことにつながっていくのです。

(写真はコチラからお借りしました)

ちなみに、人類はその対象を同類から、更に万物の自然そのものまで広げたことで、より知能を発達させていきます。その結果、対象を措定し、仲間とその情報を共有するための、言葉・絵などの「観念機能」を生み出していくことになります。

 

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