2009年01月09日
骨が語る古代の家族と社会2 縄文時代
骨が語る古代の家族と社会1 家族・親族の歴史的意義の続きで、いよいよ墓地被葬者の歯冠計測値による分析ではどのような親族関係が得られたか、田中良之著『骨が語る古代の家族-親族と社会』(2008年)より紹介しましょう。今回は縄文時代の分析事例です。ただ著者は古墳時代を主な調査対象にしているので事例は少ないです。
基層をなした双系社会~縄文時代の親族関係
伊川津貝塚(愛知県海岸部)縄文晩期
(愛知県渥美町の縄文貝塚に遺跡の紹介があるので参考に。)
墓地被葬者の内、少なくとも男性に血縁者が含まれていた。よって結婚後も男性が集団にとどまる夫方居住婚か、嫁取りと婿取りの双方が混在する選択居住婚(※)のどちらかであることが分るが、女性同士の有効な値が得られていないので、夫方居住婚と断定することはできない。従って、少なくとも双系の社会であり、父系の可能性を残すという判断になる。
応援よろしく by岡
- posted by okatti at : 2009年01月09日 | コメント (7件)| トラックバック (0)