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2008年05月21日

「来訪神信仰」~「外者歓待の思想」

民間の習俗には、昔ながらの「神の嫁」の流れを示す生活があった。これが神社などの祭礼などに出てくる「一時上臈(いっときじょうろう)」とか「一夜官女(ひとよかんじょ)」とかいわれる女性である。
大嘗祭(大嘗祭)のときに「五節の舞姫」が舞を舞う。これなども、おそらく儀式化し、形式化する以前は、宴会と舞姫と、まれびとの間に行われた、聖なる結婚を意味する物であったろう。

「性の民族史」池田弥三郎著より
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つまり、日本文化では、祭りの折に、神と聖なる結婚をする巫女を「一夜妻」と呼んだという文化があったと言う。
さらに書籍の中に、折口信夫氏の「まれびと論」と書かれてあり、少し調べてみました。
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日本文化の原点要素→琉球文化→来訪神信仰→まれびと論 →外者歓待の思想
日本文化の源流を求めるとき、琉球、沖縄という島々は、どういうかかわりがあるのか? 琉球の歴史や文化は、日本文化、日本民族の文化の源流を探る上で、かけがえのない素材を含んでいるとして研究してきた有名な人が2人います。一人が、沖縄出身の研究者、伊波普猷です。もう一人は民俗学者の柳田国男です。実際に日本の神話などは、琉球文化との融合ではないかとう説もあります。
ウキペディア「琉球の信仰」によると、琉球は多神教宗教である。

琉球の信仰は、祖霊信仰を核として来訪神信仰、東方(太陽)信仰、おなり神信仰が混成して形成されたものであり、琉球王国時代に体系化された。
原理としては、太陽神をあがめ、守護神や来訪神のいる異界に豊穣を祈るもので、しばしば祭祀のときに集落を訪れる(と考えられる)来訪神と人間の関係は極めて近しい。
また死生観として、魂は神のいる異界ニライカナイ(後述)より来て、死んでまたそこへ帰り、守護神となって集落へ還ってくると考える。
このため祖霊を非常に敬い、死後の世界を後生(ぐそー)と称して、これも非常に現世や生者と近しいものとしてとらえている。

琉球の神は主に「来訪神」と「守護神」に分類できる。来訪神は異界の神であり、平時には人々の集落に存在しないか、御嶽にのみいると考えられる。
しかし祭りの時になると異界から集落や集落の御嶽に訪れると考えられている。・・・・・(中略)・・・・・・来訪する神は世界的に島嶼民族に共通して見られ、一般に海を神聖視するが、これは琉球においても同様である。
これに関連して、民俗学者の折口信夫は「まれびと論」を展開した。

「世界神話辞典」より、折口信夫は「まれびと論」を下記に調べました。

「まれびと」とは、時を定めて他界から訪れる霊的存在である。
これにまつわる民俗儀礼、古典、神話などは数多く見られ、折口信夫はこれに日本人の神観念の祖型を求めた。また、折口学と呼ばれる学問大系の土台となる思考でもある。

この、神が去来するという信仰を古典中に見い出してみたい。
『常陸国風土記』では、祖神が神々のもとを巡行した際に、富士山の神の所まで来て日がくれた。
そこで祖神は富士山の神に宿を乞うたが、「新穀祭を行っている晩でして物忌みをいたしております。そのため、宿をお貸しできません」と断った。
祖神は、呪の言葉を富士山の神に残して、筑波山へ向かった。そこでも祖神は筑波山の神に宿を乞うた。
筑波山の神は「今夜は、新穀祭ですので、物忌みをいたしておりますが、宿をお貸ししないわけにはまいりません。」として祖神を泊めた、すると祖神は喜んで筑波山の神に祝福を与えた、とある。
ここから、新穀祭の晩には、家中が物忌みをして来訪神を待つ、という風習と来訪神を粗末に扱うと、祟り、歓待すると祝福されるという信仰があったことを伺うことができる。・・・・・(中略)・・・・・即ち、外者歓待の思想である。

この他にも神が去来するという信仰を民俗儀礼には、
秋田のナマハゲ、山形のアマハゲ、岩手のスネカ、石川のアマメハギ、種子島のトシドン、宮古島のパーントゥ、八重山のアンガマ、アカマタ・クロマタ、ミルク、マユンガナシ、フサマラー等をあげることができる。
ここで挙げた行事は人が仮面をかぶり、仮装してあらわれる儀礼である。また、盆に帰ってくる先祖も他界からの「まれびと」といえるであろう。
八重山のアンガマは、祖先霊である翁と媼の面をつけ、仮装をし、家々を訪れる儀礼である。そこで、人々と祖先霊の間で機知に飛んだ問答が繰り広げられ、共に踊り、歌うのである。
アンガマがごちそう等を催促する場合もある。先にも述べたが、この、他界から訪れるモノと現世の人間が親しく交流する所に日本人の祭の原点が見えてくると思う

日本文化の、「来訪神信仰」~「外者歓待の思想」の源泉が、琉球の「まれびと」(まれに外部から歓迎すべき人≒神がやってくる)と言う文化を継承しているかもしれないという説は、なるほどと思わせます。

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comments

兄妹婚について、東南アジアでは肯定的に語られ、その他の地域では深い罪悪感を伴う、という違いは興味深いですね。
何故なんでしょう、母系、父系の違いでしょうか。

  • さいこう
  • 2008年8月27日 00:17

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