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2008年07月24日

初期人類は骨を食べていた!vol.5<番外編>

<初期人類は骨を食べていた vol.1 vol.2 vol.3 vol.4>では、初期人類の食性に関して、紹介させていただきました。今回は<番外編>として「口と手連合仮説」を補足する意味で、他の霊長類の口と手の関係が、いかに食性と関係しているのか 、『人はなぜ立ったのか?』『親指はなぜ太いのか-直立二足歩行の起源に迫る-』島泰三著より、様々な事例を紹介させて頂こうと思います。
外敵のいない樹上生活を手に入れたサルたちも、繁殖したことによって生存圧力は激化し、生き残る為、様々な樹上のニッチ見つけ進化を繰り広げています。今日はそんなサルたちの凄まじい可能性収束の痕跡を見ていこうと思います。
続きを読む前にぽちっとして、今回は人類史より遙かに昔の6500万年の旅に出発してみてください。

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■アイアイの場合
アイアイは、ビワの実ほどの大きさのラミーの果実をもぎとって、果肉をかじり、はぎとり、クルミほどの大きさの種子の固いからを、頑丈な歯で削り穴を開け、その穴に細い中指を差し込んで、梅干の天神様にあたる「仁」をすくい取って食べます。
なんと、果実を捨てて、わざわざ種子の固いからを削って、その中の小さな食べ物をかき出して食べるんです。
な、なんでまたこんな食べにくいものを・・・・
<アイアイの口>
下図のアイアイのとても頑丈な、伸び続ける歯は、このラミーの種子の殻を削り、穴を開ける為の道具なんです。
またアイアイの歯には驚異的な特徴があります。
下あごのとがった前歯(切歯)が左右別々に動くんです。種子のからを削るのは片方の歯だけでやって、その割れ目に両方の歯をそろえて入れて、からの一部をポンと開いて穴をつくるのです。
固い物を削る為には、刃先が薄く鋭い刃物の方が楽だけど、力をかける為には厚くなければ折れてしまいます。
アイアイは「削る事」と「割り開ける事」という、別の作業をひとつの口で出来るのです。
<アイアイの手>
ラミーのからに穴を開けたからといっても中身を取り出すのは至難の技です。
そこで登場するのが、アイアイの手ですが、右図を見ていただくとわかるように、幅1ミリほどの爪がついたアイアイの中指の根もとには、指が回転できる関節あるんです。ちょうど人間の肩の関節のようになっているのです。
アイアイの太い親指は、歯で削る時に小さな種をしっかりと固定する役割を果たしています。


■アンワンティボの場合
さて問題です。アンワンティボのこの手を見て、どんな主食だかわかりますか
ヒント:アンワンティボは体長30cm、体重400g、手の大きさは5cm。握りしめるものの大きさは、最大で直径2cmです。さてなんでしょう
正解は「毛虫」でした。
アンワンティボは毛虫を食べる為に、毛虫の体を両手で10~20秒マッサージします。アンワンティボの向き合った2つの突起は、毛虫の毛をこそぎ取る道具なのです。そしてきゃしゃなあごのわりに大きな臼歯はゴム質の皮をかみ破る道具となっています。
他のサルたちも毛虫を食べますが、アンワンティボは他のサルたちがいやがる、毛がチカチカする毒のある毛虫を食べるのです。

■コロブスの場合
右図を見ておわかりのように、その手は不思議で、親指が「ちぎれた」ようなあとしかありません。コロブスの名前は、ギリシャ語で「ちぎれた」という意味なんです。コロブスは、草や葉を食べる動物で、歯は大きくて丈夫で、胃や腸は複雑で長いため、大きなおなかをしています。
さて問題です。コロブスの主食が木の葉だというのはわかりましたが、なぜ親指がないのでしょう
ヒント:アビシニアコロブスは体重10kgで、手の大きさは15cm。高い木の上で鹿やウサギのようにとび跳ねて、枝を引き寄せて木の葉を食べます。さて親指がないのはなんででしょう
正解は「枝を引き寄せるときに邪魔」になるからなんです。果実を食べるサルたちは、熟した果実を選んで食べなければならないので、親指と他の指で枝をしっかりつかんで枝をひねって果実を探します。しかし、木の葉を食べるときには枝を引き寄せるだけでいい。親指はしっかりにぎりしめて、にぎった物を止めるための道具だから、枝先を引き寄せるだけの為には邪魔になるのです。
密林の木々のいちばん高いところで木の葉を食べるコロブスたちにとっては、枝をひきよせる手には親指はないほうが都合がいいのです。
おそらくコロブスたちが住んでいる不安定な樹上では、飛び降りたり、ジャンプするときに枝やツルを親指とか他の指でにぎりしめると、親指を骨折することになります。他の指と向き合う親指で物を握ると、体の動きを止めてしまうことにもなります。こうしたことで「ちぎれた」ような親指になったと思われます。
*****************************
すいません 😥 、一話で終わらせるはずの<番外編>だったのですが、ちょっと長くなってしまっています。
サルって外敵のいない樹上生活を手に入れたと思われていたかもしれませんが、実は樹上でも生存をめぐり、ニッチを見つけ出し、様々な生存競争が繰り広げられ、様々に進化ている事が少しお解りいただけたのではないかと思います。
ですが、おそらく、原猿や小さなサルはわかったけど、もっと普通のサルたちはどうなん って思われていると思います。チンパンジーとかゴリラとかは別じゃないの って・・・。
ということでvol,6では<番外編2>としてチンパンジーやゴリラをみてみたいと思います。
もうしばらく、直立二足歩行の謎については、お待ちいただいてお付き合いください

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整理ありがとうございます。論理的にもスッキリです。
考古学的な物証+整合する論理で解明していきたいと考えています。
日本人の起源もよろしく♪

  • 2008年10月18日 02:26

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