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2008年08月30日

「日本の婚姻制度は、どのように変遷してきたのか?(江戸~明治~大正~昭和~平成)Vol.3 大正編」

😀 シリーズでお届けしています「日本の婚姻制度の変遷」ですが、今回は「大正編」です。
「明治編」では、政府による法制化がすすめられ、男女の性関係が「良妻賢母」「貞操観念」などの観念によって、次第に窮屈なものへとなっていきました・・・。
その記事はこちら http://bbs.jinruisi.net/blog/2008/08/000420.html
ではその後、大正時代に入りどの様になっていったのでしょうか?
仲間で調べ、議論してみました。
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「モダンボーイ」
三つぞろえのダブダブのズボンに蝶ネクタイ、イギリス紳士ふうにコウモリ傘を持った二人
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大正時代は、明治と昭和にはさまれ15年と短い時代でしたが、国内外が激動の時代でした。特に二度の戦勝(日清・日露)後、経済の自由化を背景にして工業技術が著しく発展し高度経済成長を促しました。
そうしてもたらした好景気は、都市部を中心に「成金」に代表される富裕層が登場することになります。当時の新聞報道ではそれらを頻繁に取り上げられていました(参考:読売新聞HP)。
・・・まさに「大正バブル」ですね。

文明開化を経て封建主義や鎖国の影響も影をひそめ、欧米から近代文化がどっと流入する。農村村落の風景は変わらないものの、明治の45年間をかけて、徐々に町や都市の基盤が形づくられた時期である。録音や活動写真そして印刷技術などの発達による新しいメディアの出現もあり、文化・情報の伝播がいっそう促進された時代でもある。「大正デモクラシー」つまり民本主義が台頭(民衆と女性の地位向上)し、西洋文化の影響を受けた新しい文芸・絵画・音楽・演劇などの芸術が流布して、思想的にも自由と開放・躍動の気分が横溢し、都市を中心とする大衆文化が花開いた。かつてはそれぞれ孤立していた地方農村にも、鉄道の発達や自動車の出現による人々の移動や物資の流通増加にともない、このような都市の状況がいち早く伝わるようになった。
(中略)
自由恋愛の流行による事件も数少なくなかった。知識人においては個人主義・理想主義が強く意識され、新時代への飛躍に心躍らせながらも、同時に社会不安に通底するアンビバレントな葛藤や心理的摩擦もあった。昭和の時代にかけて、作家や芸術家のあいだに薬物や自傷による自殺が流行するのも、この頃からである。

「Wikipedia」からの引用です。
ところで、私達が一般的にイメージする「大正時代」とは、ロマン主義の影響を受けた(かどうかは別途追求するとして・・・)華やいだ時代のイメージをしてしまいます。
しかし実際は、経済成長は都市部が中心となっていたため、当然の事ながら地方の一般庶民や農村ではこの近代的な恩恵を受けることはまれで、貧富の差は開く一方でした。・・・格差社会ですね。
要するに、華やいだイメージはほんの一部の世界であり、一般庶民にとってはあこがれの的であり誰もが目標にしていたもの・・・というのが正しい認識の様です。
男性は「ホワイトカラー」「モダンボーイ」にあこがれ、女性は「主婦」「モダンガール」にあこがれる。加えて、男女共通して恋愛観念も広がり「自由恋愛」へのあこがれが強まりました。
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こちらは「モダンガール」
この様に、 戦争特需から得られた経済成長は格差社会をつくり、 法制化による「おおらかな性」関係は規制されているという状況を考えると、 私権闘争、 恋愛幻想共に欠乏は高まる構造にある事が分かります。
ホワイトカラーにあこがれるが・・・・・、 実際はブルーカラー
恋愛はあこがれであるが・・・・・、 実際はお見合い結婚
(心中が多かったこともこれを物語っていると思われます。)
🙄 結果、男女の関係はというと、統合階級は「自由恋愛」が新しい男女のかたちとしての『恋愛(結婚)』に流れ、一般庶民は「良妻賢母」「貞操観念」という半ば法制化された中に身を置き、『お見合い(結婚)』という婚姻形態を取っていたと思われます。
(※農村や田舎では、「若衆宿・夜這い」等は残り続けます・・・)
次回は「昭和編」です。お楽しみに・・・。

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