2009年02月04日
ネアンデルタール人に何が起こったか?
皆さんはネアンデルタール人について、どんな印象をお持ちでしょうか。
最近では、ネアンデルタール人は生物学的にわれわれに近縁の人類であることがわかり、形質的に細かい部分で数多くの特異点をもっているが、それらは小さい相違点であると見なす研究者が多くなっています。
たとえば、ネアンデルタール人が現代によみがえり、身だしなみを調え、きちんとスーツを着れば、ニューヨークの地下鉄の中にいても異質な感じはないだろうとさえ言われているそうです。
彼らは、ほぼ20万年間にわたって、ユーラシア大陸に散らばって暮らしていました。その分布域は今の欧州全域から中東やアジアにまで及び、南は地中海沿岸からジブラルタル海峡、ギリシャ、イラク、北はロシア、西は英国、東はモンゴルの近くまで達していました。
そして2万4000年前まで生存し、最後の9000年は、現生人類(コーカソイド)と共存していたと考えれています。
しかしコーカソイドだけが、ネアンデルタール人と共存していたため、ネアンデルタール人に関する白人の研究には、白人の優位性を主張したい、彼らの価値観が反映されていることがあり、慎重に検討する必要がありそうです。
特に混血があったのかどうか、何故滅亡したのかなどは、私たち日本人が考える以上に切実な問題として捉えられているようです。
ネアンデルタール人を巡る議論がなかなか収束しない。良く分からない点が多いのはそこにも原因がありそうです。
そんなネアンデアルタール人の生活を探り、彼らの滅亡の謎に迫って見たいと思います。
ネアンデルタール人について興味が沸いた方はクリックをお願いします。
<肉体的特長>
ネアンデルタール人の脳容量は現生人類より大きく、男性の平均が1600cm3あった(現代人男性の平均は1450cm3)。しかし、頭蓋骨の形状は異なる。脳頭蓋は上下につぶれた形状をし、前後に長く、額は後方に向かって傾斜している。
喉の奥(上気道)が短いため、分節言語を発声する能力が低かった可能性がある。
四肢骨は遠位部、すなわち腕であれば前腕、下肢であれば脛の部分が短く、しかも四肢全体が躯体部に比べて相対的に短く、いわゆる「胴長短脚」の体型で、これは彼らの生きていた時代の厳しい寒冷気候への適応であったとされる。
男性の身長は165cmほどで、体重は80kg以上と推定されている。骨格は非常に頑丈で骨格筋も発達していた。 彼らはマラソンランナーの持久力とレスリング選手のパワーを兼ね備えていた。
<生活>
道具や武器は、欧州に住みついた現生人類のものと比べると原始的でしたが、その頃アフリカや中東にいた現生人類の技術レベルには決して劣っていませんでした。
後期になるとバイソンなどの大型で狩猟の技術が要求される動物を捕るようになり、崖に群れを追い込んで殺し解体するという事まで行った様です。
このような狩猟方法は、道具も発達していたでしょうが、それ以上に仲間同士の協力と連携が欠かせず、身振り手振りに加え、掛け声など、コミニュケーション能力も相当発達していたことが分かります。
また彼らの多くは骨折したり、負傷していたが、たいていの場合は治癒していた。たとえばイラクのシャニダール洞窟には、左目が失明し体の一部が麻痺し、手のない右腕はやせ衰えていたと推測される男性が埋葬されていた。彼はこの状態で少なくとも数ヶ月は生きていた。仲間のネアンデアルタール人の介護を受けていたと考えられます。
人口については、一時は50万とも言われたのですが、最近では、西ヨーロッパで最も多かった時期でも、その数はせいぜい1万5000人程度だったと推定されています。
次回は、ネアンデルタール人の滅亡の謎に迫るため、彼らと現生人類との違いについて調べて見たいと思います。
- posted by tama at : 2009年02月04日 | コメント (3件)| トラックバック (0)
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マサイ族は、掠奪部族の成れの果てと言えそうですね。女は、掠奪する「モノ」であって、充足存在とは言えないような…。
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