2009年08月13日
中国支配者層の作る国家とは?
今回で、シリーズでお届けしています「近現代の世界の婚姻制度の変遷」 の「中国編」も第4回です。
①「中国の結婚事情」サイト名
・現代の中国の婚姻制は、一人っ子政策に端を発して混乱中である事を見てきました。
②「中国の同化政策=婚姻政策とは? ~ウイグル紛争より~
・ウイグル民族が、同化政策にて消滅させられている事を知りました。
③「中国の同化政策=婚姻政策とは?~漢民族という幻想~」
・中国の漢民族は、同化・融合して大きくなるアメーバ民族である事をしりました。
と見てきました。
今回は、「中国の支配者層の作る国家とは?」です。
・中華人民共和国の支配者は、強烈な権力で国を引っ張っています。
「一人っ子政策」や「ウイグルへの同化政策」など家族構成の根幹までつよく介入してくる中華人民共和国の支配者は、どのような思想で集団を形成して行こうとしているのでしょうか?
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一つの興味深いブログ記事を紹介します。
“target=”_blank”>[searchina]『意図的に作られた格差社会―中国の「戸籍」とは何だったのか』
写真は、mas>産経ニュース>西安郊外の農園で黙々と働く農村住民(桜井紀雄撮影)からお借りしました。
国内の「農村国」と「都市国」の国籍
国内の他地域で働くのに“就労ビザ”がいる――と聞いたら、奇妙だと思われるだろう。でも中国の農村部の人々にとっては、それはごく日常的なことである。
・・・・・(中略)・・・・・・中国の戸籍制度とは、日本のものとは相当に概念が違う。どちらかと言えば「国籍」のような存在に近いものである。
中国の戸籍制度では国民を「農業(農村)戸籍」と「非農業(都市)戸籍」に分けている。
・・・・・(中略)・・・・・・計画経済の時代、農村に生まれついた人間は勉強ができて、当時は進学率2~3%という大学に合格するか、軍隊に入って将校にまで昇進するぐらいしか農村から脱出する方法はなかった。
たとえて言えば、中国の社会には事実上、国内に「農村国」と「都市国」の2国があって、それぞれ別の国籍を持っているようなものだ。
現在でも「農村国」の人々は旅行で「都市国」に行くのは“ノービザ”で構わないが、働いたり、移住したりするには「都市国」政府に申請して許可を得なければならない。国籍のような存在と言ったのはそのためである。
最近、一時的な“就労ビザ”発給の要件はだいぶ緩和されてきたが、「農村国」の人が「都市国」に「帰化」して、その「国民」になるハードルはまだまだ非常に高い。先進国に密航や不法就労する中国人が絶えないように、中国の大都市には不法就労している「農村国」の「国民」がたくさんいる。
大紀元日本12月21日>女性の自殺問題が深刻な農村=写真は、2006年10月、貴州省黔東南苗族トン族自治州従江県の村で>からお借りしました。
戸籍の狙いは「農民の搾取」
現在につらなる中国の戸籍制度が確立したのは1958年、「戸口管理条例」という法律が制定された時のことである。社会主義中国の建国は1949年だから、建国10年後ほどで制度が確立したことになる。
なぜ、当時の中国政府はこのような国内にまた別の国を作るようなことをやって、「二元統治」と呼ばれる仕組みを構築したのだろうか。
それは簡単に言ってしまうと、国におカネがなかったので、国家建設に必要な資金を捻出するために農民から搾取することにしたのである。
その背景には、当時の中国の置かれた状況がある。建国当時の中国は国民党との内戦に勝って国内を統一したとはいえ、いつ反攻を受けるかもしれず、1950年の朝鮮戦争では米国とぶつかり、政治的、軍事的に非常に危うい状態にあった。しかし当時の中国は農業国で、軍事力増強に不可欠な重工業は非常に遅れていた。そのため当初はソ連に習って急速な重工業化を図ったが、50年代後半には頼みのソ連との関係も怪しくなり、社会主義中国は外国の援助に頼らない自前の発展戦略を模索せざるを得なくなった。
問題はそのための資金をどこから捻出するかだ。とにかく当時の中国では、一定の生産力があるのは膨大な農民を抱える農業しかない。中国の権力者がおカネを生み出そうと思えば、農村から取り立てるしかなかった。何のことはない、要は歴代の王朝と同じことである。
「国家に捨てられた」人々
つまり、極端な言い方をすれば、中国という国は国内の「都市国」が「農村国」という広大な植民地を支配し、そこからの搾取で得た資金で工業化を推進してきた。考えてみれば、これは植民地が国内にあるか海外かの違いはあるが、先進民主主義諸国が歩んできた道と同じである。
中国の「農村国」と「都市国」では税制も、教育を受ける権利も、衛生環境も、社会保障制度も、土地の所有形態も、まるで違ったし、今でも相当に違う。
・・・・・(中略)・・・・・・
極論すれば農村戸籍に生まれついた人間は、ごく一部のエリートコースに乗れた人を除いて、「労働力」以外には期待されていなかったと言っていい。やや過激な表現をすれば、「国家に捨てられた」のである。この「二元統治」政策は権力者の極めて冷静な戦略的思考の下に進められたもので、まったく意図的なものである。そして、当然ながらその帰結として、中国では都市部と農村部で、所得・生活水準、教育レベル、保健衛生、価値観、生活様式など、さまざまな面で圧倒的な格差ができた。
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<以上引用>
◆中国共産党は、大衆の味方だと思っていましたが、全く違っていました。
彼らは、国家維持(≒中央集権による自らの権力維持)の為に、大多数の農民を切り捨てるような政策を取ってきた。
都市部に住む一部の層(多分は共産党関連)が、特権階級化して多くの国民を搾取している。
その結果、中国の大衆は、お互いが信用できない個人集団の集まりである。
cf.中国は儒教の国なので、他人に思いやれる人々だと思うと怪我をします。
<引用続き>
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労働力不足で緩和された戸籍の制限
1978年から改革開放が始まり、90年代前半から中国経済は本格的な成長軌道に乗った。海外からの投資が呼び水になって国内の産業も興り、都市部とその周辺を中心に大量の労働力が必要になってきた。当初は都市部の人口だけで足りていたのだが、80年代後半には人が足りなくなり、農村戸籍の人を都市部に移動させないと立ち行かなくなってきた。
そのため都市部では、一定の条件をつけたうえで農村戸籍者を受け入れ、労働力として活用できる仕組みを作り始めた。
・・・・・(中略)・・・・・・
現在では、農村から上海や北京などの大都会に出てきた農村戸籍者は、固定した職場と住居を確保していれば、所定の手続きを経たうえで都市に暫定的に居住して合法的に仕事ができるようになっている。また、都市によっては、市内の企業で10年程度勤続し、適正に納税し、不法行為のない農村戸籍者に対して、正式に都市戸籍を与えるといった制度を設けるところも出てきた。
・・・・・(中略)・・・・・・
中央の政府も昨年3月、都市戸籍と農村戸籍の区別をやめて一本化し、40年以上続いてきた「二元統治」の仕組みを正式にやめることを決定し、発表している。すでに河北、遼寧、山東、広西、重慶など内陸部を中心にした12の省(自治区・直轄市)では、二元的な戸籍区分を試験的に廃止し、「住民戸籍」に統一した。これらのケースの成り行きを見つつ、大都市にも広げていく予定だ。
近年、中国社会の貧富の格差が拡大していることが最大の問題だと唱える人が多い。確かにそれは問題なのだが、計画経済時代の農村戸籍の人々の悲惨な境遇―― 一方的に搾取され、そこから抜け出すことも、自分の可能性を試すこともできない ――を知るにつけ、格差は本当に昔より大きくなったのだろうか、仮に経済的格差は広がったとしても、昔よりはるかにマシではないのかと思わざるを得ない。
現在の中国政府は本気でこの二元統治システムを改革し、都市部と農村部を一体化して発展させようとしている。過去の政策の誤りを公式に認めた訳ではないが、現在の政権がこの問題の重大性を深く認識し、農村対策に必死に取り組んでいることは間違いない。
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<引用終わり>
◆中国は市場開放によって、農村戸籍の人々の悲惨な境遇を、一部改善しようとした。
しかし、ここに来て、世界的な経済不況で立ち往生している。中国支配者層は、また、逆戻りの政策(農民戸籍者の農村の中への縛りつけ)などの政策を、強行する可能性は高いと思う。
- posted by koukei at : 2009年08月13日 | コメント (3件)| トラックバック (0)
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comments
江戸時代は、「お盛ん」だったんですね。
元来ニッポンは性的に開放的な文化だったんですよね。
地方の祭りで、男性や女性の性器をかたどった石や木を拝んだり、身に着けながら行進したりする映像を見た事が有ります。
また、近代文化に犯される前のタヒチは、女性の性は部族民なの共有物で、女性も男性に喜んでもらう役割を性役にて尽くしたようです。
「性」を恥ずかしい秘め事にしてしまってから、本来の楽しめる「性」が歪み始めたように感じます。
その辺りの因果関係をズバリ解説して頂けると有りがたいです。
性が「恥ずかしいもの」となって、人前で話せなくなったのは何故でしょう?
しかし、最近は、建前こそ上記のままですが、実態は結構江戸時代並・・・・とまでは行かなくとも、結構おおらかになって来ているようにも感じます。
それでも建前にこだわるのは何ででしょうね。
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