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2011年06月14日

シリーズ「モンゴロイドの歴史」7~中国における社会統合原理の劇的な大転換~

東日本大震災は、日本に多大な爪痕を残しました。原発事故も目に見えない放射線に対して、今だ事態収束の途にたっていない状況です。これは改めて社会の仕組みを再考しなければいけないことを示唆し、社会が転換の時代を迎えていることの表れなのではないでしょうか?
このシリーズではあるべき社会を再考するための礎として、我らモンゴロイドの歴史を紐解き、人類史におけるモンゴロイドの社会転換と可能性収束の歴史を追っています。
1.人類史を追求する意義と視点
2.人類の出アフリカとモンゴロイドの誕生
3.原モンゴロイドの北上
4.南方モンゴロイドの拡散
5.新しい北方適応モンゴロイド=新モンゴロイドの登場
6.モンゴロイドが北方適応形質を獲得したのはいつか?
500万年前にアフリカ大陸で誕生した人類は、気候変動に伴う環境変化でアフリカ大陸出て、東へ進路を取りました。そして、ユーラシア大陸を北上していく原モンゴロイドや、スンダランドに適応するも温暖期の到来により再拡散するスンダ・モンゴロイドを紹介してきました。前回は牧畜・遊牧を始めた【新モンゴロイド(O3)】について紹介しました。
今日は、1.4万年前に海岸沿いを江南地方から中国全域に移動したグループ(シナ・モンゴロイド×中亜モンゴロイドの混血)の、【原中国人(O1・O2)】(=初期農耕文化の担い手)~4000年前【夏王朝誕生】までの、<中国における社会統合原理の劇的な大転換>を紹介したいと思います。
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(↑クリックすると大きくなります。上図の赤囲いが今日の登場人物達です。)
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■1.4万年前~4000年前までの劇的な気候変動
約7万年前から最終氷期(ヴュルム氷期)が続きましたが、1.8万年前ごろから長かった氷河期が終了し始め、1.4万年から温暖期に入りますが、グラフでもお分かりのように非常に劇的な気候変動が数千年にわたって繰り返すことになります。この逆境の中で、人類は社会統合原理の大転換を余儀なくさせられるのです。
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(↑1.8万年前~現在までの年間平均気温の変化グラフ)
14000年前~12000年前  小寒冷期(ヤンガードリアス期)
8200年前~ 7500年前   寒冷化
7500年前~ 5500年前   温暖期(気候最適期、ヒプシサーマル期)
5500年前~ 5000年前  寒冷・乾燥化
5000年前~ 4200年前  温暖期
■中国の初期農耕文化の担い手【原中国人(O1・O2)】
1.4~1.2万年前のヤンガードリアス期(小寒冷期)は、気候の寒冷化が-6℃/100年,温暖化が7℃/50年。この劇的な気候変動の中では植生も急速に変化して行くこととなります。このような劇的な環境変動の逆境において、人類は農耕という人為的かつ安定的な生産様式を徐々に獲得して行くことになります。
【原中国人(O1・O2)】母系の農耕文化を開花させていきます。
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(↑Y染色体亜型の中国移動分布図)
(【原中国人(O1・O2)】【新モンゴロイド(O3)】は青線で表現しています)
■モンゴル高原で家畜を始めた【新モンゴロイド(O3)】の南下
8000年前頃~5500年前にかけて次第にモンゴル高原で家畜を開発した【新モンゴロイド(O3)】が南下して、【原中国人(O1・O2)】に文化的影響を与えるようになります。
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(↑1.4万年~5千年間の中国のモンゴロイド分布図)
★長江流域
温暖期の9000年前(or8500年前)、長江下流域では【原中国人(O1・O2)】による彭頭山文化(稲の栽培跡)が興ります。
7000年前には、長江下流域の河姆渡文化(7000~5400年前)において、水田稲作農耕が発達、またブタ、スイギュウなどの家畜を行うようになります。長江中流域では、大渓文化(7000~5000年前)につながっていきます。
★黄河流域
寒冷な気候に入る直前の8500年前、黄河中流域~下流域に裴李崗文化、及び後李文化が登場する。原中国人によるものと考えられるこの文化では、粟の耕作やブタの飼育が始まったと考えられています。
7000年前からは、黄河中流~上流域で【原中国人(O1・O2)】(orミャオ族O3)による仰韶文化(~5000年前)が興ります。黄河下流域では、【原中国人(O1・O2)】(or南下してきた【モンゴル族】)による大汶口文化(6300~4600年前)が興ります。
モンゴル高原から南下してきた【新モンゴロイド(O3)】は、ブタなど家畜由来の強力なウィルスに対する免疫機能を獲得した。この【新モンゴロイド(O3)】は他(CやD)を徐々に駆逐し、制覇途上にある。
この時期には、【新モンゴロイド(03)】(【トルコ族】、【モンゴル族】、【ツングース族】)遊牧を営んでいたと考えられています。
■【新モンゴロイド(03)】の南下とチベット族の侵入によって母系から父系へ転換
5500年~5000年前は寒冷・乾燥化の時期であり、母系氏族社会から父系氏族社会への過渡期だと言われており、黄河流域と長江流域で防御性の高い城堡(城と砦=敵を防ぐための構造物)が出現します。
これは新モンゴロイド(トルコ族、モンゴル族、ツングース族)の南下による影響及び、タリム盆地からチベット高原に進出してきた印欧語族の遊牧部族によって押し出されて、黄河上流へ進出してきたチベット族の影響と考えられています。
黄河上流域の馬家窯文化(~4700年前)、長江上流域の三星堆文化(5000年前~3000年前)には【チベット族】の影響
黄河中下流域の龍山文化(4800年前~4000年前)には【モンゴル族】の影響
紅山文化(5400年前~4300年前)には【ツングース族】の影響
が考えられます。
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(↑1.4万年~3千年間の中国のモンゴロイド分布図)
★長江流域
長江上流域には三星堆文化。長江中流域の勢力(ミャオ族?)は北方に勢力を拡大(7000年前からの大渓文化→屈家嶺文化→石家河文化)。長江下流域の良渚文化(5200年前~)には、権力の象徴である祭壇と貴族墓地が出現
★黄河流域
黄河上流域には馬家窯文化。黄河下流域の大汶口文化は強力で西に向かって中原へと勢力拡大。仰韶文化は凋落し、仰韶の住民は西に逃げて行った(チベット族と混血か?)。その後、さらにモンゴル族が南下し、黄河中下流域に龍山文化(4800年前~4000年前)
★中国東北部
中国東北部では、ツングース族?による紅山文化(5400年前~4300年前)が登場。玉信仰と女神信仰を合体させ、更に龍信仰を体系付けたとされる。
■私有制を伴う父系氏族社会へと移行
5000年前~4200年前の温暖期には、私有制を伴う父系氏族社会へと移行します。婚姻制は一夫一婦制の族外婚で、男が私有財産を掌握・継承。
黄河流域と長江流域は相次いで首長制の都市国家的な原始国家へ移行城塞が林立し、酋邦の間には常に略奪性の高い戦争が発生した。
こうして、一方では父系転換と私有制が強まり、他方では、戦争圧力が強まる中、いわゆる中原地域において夏→殷→周の王朝が誕生し、中国私権文明の歴史が幕を開けることになるのです。
1.4万年~4千年前にかけての劇的な気候変動に伴い、初期農耕文化の担い手【原中国人】は、北から中国に入ってきた【新モンゴロイド】の影響を受け、牧畜文化を取り入れていきます。そして、部族間の圧力が高まったことにより、中国は共同体的母系氏族社会から私有制を伴う父系氏族社会へ大転換を遂げていきます。父系転換と私有制の強まりは、戦争圧力を生み出し、覇権争いの歴史をスタートさせたのです
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参考記事:
’10年末なんで屋劇場レポート5~中国文明の起源
モンゴロイドの歴史④ 1万年前~6000年前 新モンゴロイドの誕生と拡散
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次回は、夏王朝から始まる『中国の覇権争いの歴史』を、お送りします。
乞うご期待ください

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