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2012年08月14日

シリーズ【共同体の原点(集団)を追求する】10 ~匂い、フェロモン~嗅覚機能と母子関係

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画像は、ここ からお借りしました。
オスとメスが結び付き種を存続させる為のフェロモンや、仲間(同類)を認識したり、縄張りを誇示するマーキングといった、集団の成り立ちにおいて重要な意味をなす“匂い”について探求してみたいと思います。
その前に
前回、前々回にお届けした シリーズ【共同体の原点(集団)を追求する】
8 ~始原哺乳類の獲得機能~
9 ~母子関係と弱オス集団~ 
を併せてみていただくとより理解が深まります。
始原哺乳類が獲得した数々の機能

■体温調整機能/体毛獲得/土中生活 ■授乳機能 ■嗅覚・聴覚・視覚 ■胎生獲得

と、
草食・肉食動物の集団の特徴である

 草食・肉食共通して、集団は母子関係=母系で貫かれています。よって、オスはある程度成長すると、母子関係を中心とした家族的集団を出て、その外側で暮らすようになります。必ず、集団=種を存続させるための「生殖集団=母子関係=母系」が常に中心にあります。

母子関係は、密接に関連し、また、人類にも貫かれています。
そして、“匂い”を探求していく中で、人類への“脳進化”と密接に関連していることが解ってきました。
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【土中という暗闇の中で、匂いによる母子認識を発達】 
哺乳類の嗅覚が発達したのは、圧倒的な外敵である恐竜などが闊歩し、土中に隠れ棲むしかなかった原モグラ時代。視覚が役に立たない暗闇の中で、子供にお乳を与える為には匂い、嗅覚を発達させ母子(及び同類・敵)を嗅ぎ分ける必要が種を保存する(及び生きていく)為の絶対的な条件でした。
【土中という暗闇の中で、嗅覚や聴覚が発達】  
同様に原モグラ時代、暗闇で、視覚が役に立たない逆境の中、嗅覚や聴覚を発達させ、それに伴って脳、特に大脳辺縁系(情動を司る部分)が発達しました。(下記、“匂い、授乳、脳との関係”参照)
【胎内保育→授乳⇔母子間の親和・充足回路の発達】 
胎内保育という始原哺乳類が獲得した機能は、妊娠によって、母親には母性本能が芽生え、そして授乳することで、+(プラス)快感物質が生まれ、母子間の繋がりを緊密にしました。哺乳類が哺乳類たる所以である“授乳”は、母子間に親和・充足回路を発達させていきました。
オキシトシンと哺乳類の集団本能 より

胎内保育を行う上で問題となるのは、体内に侵入した異物を排除する免疫機能である。免疫機能が作動すれば、胎児は『異物』と認識され、排除の攻撃を受けることになる。しかも哺乳類は恒温機能を獲得したが故に、細菌類やウィルスが繁殖しやすくなり免疫機能を一段と進化させている。従って胎内保育を実現しようとすれば、この免疫機能を抑制する必要があり、それを担ったのがオキシトシン系の物質と考えられる。また、このオキシトシン系の物質には、おそらく同類他者と融和する機能も存在する。
このオキシトシンの機能と皮膚感覚の充足回路を結合させることで、哺乳類は母子間のスキンシップの充足機能を作り出したと考えられる。

匂いによる母子認識~哺乳類は胎児の段階から母親の匂いを学んでいるらしい。 より

●母子関係をつかさどるホルモン「プロラクチン」
赤ちゃんを産んだ動物にはどんな変化が起こるのでしょうか? 
母親の体内には出産の少し前から「プロラクチン」というホルモンの分泌
が急激に増え始めます。プロラクチンのよく知られた作用は乳腺に働きか
け母乳を作ることですが、プロラクチンには脳に働きかけ、赤ちゃんを可
愛いと思う気持ちを強くする作用もあることがわかっています。それが可
愛い赤ちゃんを守りたい、育てたいという母性行動につながるわけです。

■匂い、授乳、脳との関係 
授乳によると母子関係は、脳の発達とも大いに関係があります。
脳の発達は、上記で述べたように、土中の中、嗅覚や聴覚の発達によって脳が進化したことによる所もありますが、人類の祖先である原モグラが、土中に隠れ棲むしかなかった圧倒的な外圧→恐怖や不全感に苛まれ、どうする?どうにかならないか?という強烈な探索回路を作動。それが大脳辺縁系の一部で(コブのようにできた)、“情動”を司る“扁桃体”を刺激し発達していったものと考えられます。
更に、胎生、授乳、子育てによって発生するプロラクチンや親和物質であるオキシトシンはそれらの機能を引き出すだけでなく、脳=扁桃体にも働きかけ不全感(恐れや不快)を和らげる(抑制する)働きをもち、その後の、ヒトとしての感情や知性、想像力を司る脳=前頭葉に繋がる部分を発達させていきました。(この部分については、まだまだ追求の余地があるので今後に期待して下さい。)
参考:人はなぜ愛するか・愛情 
図5.二つの嗅覚系 を参考に
        
             逃避、恐れ 快不快、好き嫌い、“情動”へ繋がる
                     ↓↑
フェロモン鋤鼻器→副嗅球→扁桃体(大脳辺縁系の一部)、内側部→視床下部
<鋤鼻系>
ニオイ物質嗅覚器→大脳辺縁系外側部→旧皮質→大脳皮質
<嗅覚系>                  →視 床→     
  
情動 

・情動とは単に、「喜怒哀楽」などの感情だけではなく。思考、学習・記憶、認知機能などと同様にヒトでもっとも発達した高次精神機能の一つである。
・情動とは単なる感情ではなく、自律神経反応や行動が伴われる。
・痛みの感覚的側面は主観的な評価しかできないが、自律神経反応などを対象として痛みの情動的側面の一部を客観的に評価できるとも言える。
・脳の発達段階に応じて、情動は、単純なものから複雑なものに変化していく。
大脳辺縁系は、生命の大原則にとって好ましいものか好ましくないものかを判断する。
○扁桃体は、情動的評価の中心
侵害受容情報を受け、記憶情報に基づいて負の情動(:不快感、恐怖、怒り、不安)と評価し、その結果を情動行動として発現させる。

大脳辺縁系と扁桃体
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画像は ここ からお借りしました。
扁桃体と情動
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■まとめ 
匂いによって、オスメスを引き付けるフェロモンや同類を認識する機能は、哺乳類よりかなり以前に誕生した昆虫やアリにもみられます。しかし、母子を認識し母子間を繋ぎとめる関係は哺乳類にしか見られません。しかも、ヒトへの脳の発達は、母子関係におけるホルモンや親和物質によるところが大きい。
そして、魚類に見られるような単に卵を産み落とすという行為は、“胎生”→“匂い”→“授乳”→“脳の発達”を通して、子供を産み・育てるという行為にまで進化していきました。
■嗅覚の進化(参考) 
★哺乳類に繋がらない系統
○昆虫 
 ・フェロモン系を発達。匂いでオスメスをひきつける。
○アリ 
 ・触覚で臭いを感知。仲間を識別できる。
★哺乳類に繋がる系統
○魚類 
 ・サクラマスは,メスの尿中に含まれるアミノ酸の一種が,オスを誘引する性フェロモンである。
 ・クサフグでは,フグ毒が性フェロモンとして機能している。
 ・魚の皮膚から仲間に敵や危険を知らす警告(警告フェロモン)物質を放出する。周囲にいる他の個体は,この警報フェロモンを受容することによって補食回避行動が誘発される。
○両性類・両生類 
 ・地上に上がる段階で、鋤鼻器が出来た。
鋤鼻器
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○哺乳類 
・マウス:交尾後、他のオスの匂いをかがすと、妊娠が阻止される。
・ヒツジ:1子めは、自分の子供でないとお乳をやらない。分娩直後の羊水の匂いから子供を認知し、その後の子育て行う母性本能が目覚めるように機能を進化させた。母子関係を認識する。
・ヒト:視覚の発達により)鋤鼻器は胎児期あるいは新生児期には存在が認められるが、大人になると退化して、仮に存在しても痕跡程度であるとされています。
次回は、母子関係を母体とした哺乳類の集団形態についてのおさらいを予定しています。

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