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2022年04月05日

ことばが生み出されるまでの道のり~未明課題と仮説ー2 ことばが生み出される契機

前記事につづき、ことばが生み出されるまでの過程での未明課題、追求ポイントを出し、考えるきっかけとしての仮説を挙げてみます。今回は、ことばが生み出される契機について考えてみます。

画像はこちらからお借りしました。

現在わたしたちが使っているようなことばが生み出されるのには重要なきっかけや目的意識のようなものがあったのでしょうか。

概念の発達は、多様な音声を発することができて初めて可能になりました。それは、鼻腔、口腔、喉の構造、姿勢や骨格の変化、さらにそれがDNAに刻印される必要があるので、それと連動して、数百万年という長い時間がかかったと思われます。その結果、ことばを使うことで思考や共有できる内容の幅が広がり、今起きていない災害などの危険な事象や住処を移動するときなど、未知課題への適用が可能になったと考えられます。

つまり、なにかをことばにしたくて、ことばをつくり出したというより、だんだん複雑で、高度な表現ができるようになっていったと考えます。

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★火の使用はどのようにして可能になったのか?

画像はこちらからお借りしました。

ヒトが何百万年も、真似再現を追求してきたのは、対象と一体化するという充足感、それを仲間と共有できるという充足感が直接的な原動力です。その奥底には、何も武器を持たないひ弱な人類が、本能も共認もほぼ通用しない外圧状況の中で、可能性収束先として、万物に可能性を見出したことにあります。その契機は、万物の背後に見出した「精霊」のような存在感。それと一体化することに可能性を見出したことにあります。

最初は顕在意識には無い、おぼろげな感覚。それが、二元化類型化概念化を重ねることで精霊の実像が少しずつ掴めるようになり、明確な精霊を措定することになります。そのあたりになると、現代でいう「擬人化」の段階になっています。精霊の仕業を凝視し、差異や類型化により、背後にある法則性を感覚的に掴めるようになります。そこまでいけば火の使用に到達できます。

 

★再現力やことばは脳のどこにどのように蓄積されるのか?

現象や事物を形や音で表した記録は、脳回路網に蓄積されます。それが塗り重ねられ、一番重なったところに音(声)を当てられることで概念が固定化します。そう考えると、ことばの記憶は運動領域や感覚領域で形作られ、それが新皮質に転写されて形成されるのではないでしょうか。その格納場所として左脳が充てられ、拡大していったのではないでしょうか。それとも、直接新皮質に記録?されるのでしょうか。

 

★ことばを生みだす契機は?

人類が現在のようなことばを話せるようになったのは、骨格や舌の構造などから数十万年前ごろには確実といわれています。人類の歴史からすると比較的新しいことになります。飛躍的に発達した時期があったのかもしれません。

ことばが生み出されると、これまで身振り手振りや声を使って再現していた内容は、それらを表わす音声≒ことばだけで一瞬で共有できます。このスピードアップは魅力です。

人類にとって、そのスピードが活かされるのは、少なくとも洞窟を出てからではないでしょうか。つまり、多様な自然外圧に晒され、未知課題の連続となり、それに対応した即時の判断が求められたからだと考えられます。

だとすると、それ以前には特別な契機のようなものはなく、ただひたすら再現を追求し、音声の発達とともに、が増え、その組み合わせで語彙が増え、音声で表すものを増やしていったら、文章のようなものになっていったと考えられます。

その原動力は、やはり万物と一体化することで充足したからです。ことばの必要を出発点にすると、危機にしろ、移動にしろ、その緊急性に対応できません。やはり、日常的に徐々に発達していったと考えるのが自然です。さらに言えば、それを発達させた種が、進化し、現代のヒトにつながったと考えられます。

しかし一方で、ことばによって事象、事物が抽象化されることで、豊かな再現性は薄れていったかもしれません。

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