2019年12月31日
古代人類のDNA系統分類
近年、発見されたデニソワ人について…ネアンデルタール人のアジア型説、ネアンデルタールとサピエンスの混血説など様々な仮説が出ている。 最新のY染色体ハプロタイプの系統樹では、以下のように追加されている。
・A0000デニソワ(ホモサピエンス・アルタイ)、
・A000ネアンデルタール(ホモサピエンス・ネアンデルタールレンシス)
そうなると...
・A00がホモサピエンス・イダルトゥ、アフリカのA系統、B系統はイダルトゥ直系で、CT(ネアンデルタールと交配)以降がホモサピエンス・サピエンスになるの可能性がある!? (現世人類を亜種レベルで分類することを許容さるだろうか?) デニソワ人がネアンデルタール人より上位に置かれたことで、中国の学者が唱えるサピエンスアジア起源説を、欧米の研究者も真剣に考えている可能性がある。近い将来、ホモサピエンス・アルタイは、ホモエレクトゥス・ペキネンシスからの進化とする仮説が出てくる可能性も有り得る。人類の進化については、あらゆる可能性を排除してはいけない。それはまた、未来についてもあらゆる可能性を排除しない。
日本列島で世界最古の局部磨製石斧が作られた4万年前、後期旧石器時代(欧米の一部研究者は日本列島で人類最初の新石器時代の開始されたとしている)には、
・北海道からシベリア方面にC系統(C,C1a2,C1b)のマンモスハンター(のちにCからC2が分岐)、
・太平洋側から海洋に進出したC1系統(日本に留まったC1a1、オセアニアに進出したC1b2)の海洋魚猟民、
・山岳地帯で半ば定住生活を始めたD系統山岳狩猟民(標高600メートル超の野尻湖遺跡など)、
の3グループが日本列島にいた。
D系統もグアムに渡ったり、フィリピンに南下したD2、最終氷期(約2万年前)に大陸と繋がっていた(繋がっていなかった説もある)アンダマンに到達したD1cなど海洋進出したグループも存在している。 現在のチベットに多いD1bの姉妹系統(とは言っても分岐が古いので、現代チベット人と日本人が遺伝的に近いわけではない)D1aは、アルタイ山脈付近でデニソワ人からEPAS1という高地に適応した遺伝子を受け継いでいる。
また、海洋に進出したメラネシア人(C1b2a)、アボリジニ(C1b2b)はデニソワ人(アウストラロデニソワ人?)の遺伝子が濃い(メラネシア、オーストラリアは氷期にはサフル大陸を形成)、一方、アンダマンのオンゲ族(D1c)と日本人、その他アジア人はデニソワ人の遺伝子は薄い。 そして、日本人はネアンデルタール人由来のTLR遺伝子を最も多く受け継いでいる。縄文人の祖先(D系統)は、中東でネアンデルタール人と混血した遺伝子、出アフリカに近い形質、言語を保ったまま、日本列島で暫く孤立していたと考えられる。
【参考】「旅する縄文人15 ~人類アフリカ起源説に疑問!?」(リンク)
- posted by KIDA-G at : 2019年12月31日 | コメント (0件)| トラックバック (0)
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