2010年11月16日
共同体の原基構造8~これからは共同体の時代~
こんにちは。シリーズ『共同体の原基構造』の最終回です。
このシリーズでは、人類が極限時代500万年にわたって、自我を封鎖した共同体で生き延びてきたことを振り返り、
「共認充足は、人類とって最大の活力源であり生命線である」
「自己中は共認充足を破壊する=敵である」ということを確認してきました。リンク
今回は、これまで追求してきた人類500万年に亙る共同体の原基構造を土台にして、現在の閉塞状況の突破口を探りたいと思います。
●「豊かさ期待」に換わる、新たな社会意志「本源期待」の登場
9/23のなんでや劇場では、「豊かさ期待は、どのような段階を経て消えていったのか?その段階ごとに、どのような新しい潮流が生起してきたのか?」をテーマに、私権意識の成立過程と、’70年以降の私権意識の衰弱過程を見てきました。るいネットより
そこでのポイントは3点でした。
①近代社会は、豊かさ期待という一つの社会意志によって突き動かされてきた。
②それが
’70年、豊かさの実現によって私権意識が衰弱し始め、
’90年、バブル崩壊によって豊かさ期待がほぼ消滅し、
’08年、世界バブル崩壊によって私権観念が死亡した。
’10年、豊かさ期待に代わって新たな社会期待(本源期待)が生起してきた。
③しかし、新たな社会意志である『本源期待』の中身が未だはっきりとは掴めていない。「日本を守るのに右も左もない」より
そこで、これからの社会を突き動かしていくであろう社会意志「本源期待」とは何か、それを実現していくためにはどんな能力が必要なのか考えてみたいと思います。
応援よろしくお願いします
●ようやく登場した本源的な課題『共認原理による集団形成』
まず、この間の意識状況を振り返ってみると
’85年頃~仲間収束(≒親和共認)が顕著になり、
’02年頃~課題収束(≒闘争共認)が顕著になってきました。
そして現代は、何であれ実現するためには、共認形成が不可欠であり、共認形成を実現するためには、共認充足が不可欠です。従って、何であれ実現するためには、充足関係の形成が不可欠の大前提となりました。
つまり、今や実現方針とは、充足方針に他ならない。そんな段階に私たちは居るのです。
しかし5年以上前から課題収束が顕在化しています。そこから5年経った現在、「充足が全て」という基調が登場したのは何故でしょうか?
それは、課題収束にも私権的なものと、本源的(本能的・共認原理的)なものがあり、5年前には具体的な課題がなかったので、目先の私権的な課題(ex.資格志向等)に収束するしかなかったのです。
そしてようやく『共認集団の形成』という本源的な課題が浮上し始め、それを実現するための「充足が全て」なのではないでしょうか。
つまり、今までの集団は私権統合であった。その集団を共認原理で統合し直す、その最初の一歩が充足関係の形成なのです。
言い換えれば人類(とりわけ日本人)は、原猿段階の親和充足を土台にして、真猿段階の集団形成へと進もうとしており、そのために共認充足の形成が始まったと言えます。
充足だけをキーワードとして考えれば原猿段階で止まりますが、既に次の段階(規範共認の形成)は始まっています。そして、3~5年後には事実共認・観念共認へと向かう流れが顕在化していくのでしょう。
●最終回答は「同化能力を鍛える」
ここまでの流れは、本能次元の秩序収束⇒共認(仲間・課題)収束⇒観念(認識)収束という流れですが、これは本能機能⇒共認機能⇒観念機能という人類の進化過程(実現過程)をそのままなぞっています。
そして、共認収束⇒認識収束の時代に生き残ってゆくために必要なもの、それは、共認充足と(それを母胎にした)実現です。
共認充足を生み出すには、相手に同化する必要がある。実現するためには、対象に同化する必要がある。つまり、今後必要とされるのは、対象に対する同化であり、同化能力こそが現代~近未来の最終制覇力(実現力)であるということになるだろう。言い換えれば、観念力を鍛えるためにも、言語能力を磨くためにも、同化能力を鍛えるというのが最終回答になる。るいネットより
そして、同化するためには、みんな発でなければなりません。
なぜなら、みんな発で課題に同化すれば、みんなが認める事実認識に収束できますが、自分発で課題を対象化しようとしても、自己正当化のための詭弁しか生み出せないからです。
近代は、人びとの「豊かさ期待」が社会を突き動かし、多くの問題を孕みながらも、現在の物的には豊かな社会を実現してきました。
これからは、『共認充足⇒みんな期待の実現』を求める『本源期待』が、人びとの活力を高め、共同体(の時代)を実現していく、そんな時代が到来したのです。
- posted by tama at : 2010年11月16日 | コメント (1件)| トラックバック (0)
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>震災前には日本の若者が生きる目標を失っているとの指摘もあったとした上で、「日本人が以前より力強く、新たな目標を持って立ち上がるだろう」(ソニー会長ハワード・ストリンガー)
> 「近年の日本は若者の引きこもりなど、後ろ向きの傾向が表面に出ていたが、震災への対応で示された団結などは、本来の日本文化に基づいた新しい目的意識を持つ日本の登場さえ予測させる」(ジョージタウン大学のケビン・ドーク教授)東日本大震災で全世界からの日本人に対する称賛より
今の 日本に(特に若者に)必要なものは、本来の日本文化に基づく新しい目的なのですね。
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