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2010年12月19日

シリーズ『共同体社会と本源の心』⑤ ~「オヤとコ(柳田民俗学から)」

シリーズ『共同体社会と本源の心』の5回目です。
今日は「共同体の中のオヤコ関係」について触れてみたいと思います。

まずは応援、よろしくお願いします。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2780183/6600727
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るいネット:オヤとコ(柳田民俗学から)より

 日本の農村の半分以上は親類のことをオヤコと呼んでいた。オヤコやイトコのコは家の子のコである。家の子は労働単位であり、これを指揮するのがオヤであった。そのオヤは共同体の作業の頭であった。本物の親よりも長男のことをオヤカタと呼ぶ方言が広く知られているが、それは総領が労働の頭としての機能をもつ名残りであった。親類をオヤコと呼ぶのは、労働のための共同体が今日よりはるかに強大であったことを示している。現在のように家族の父母に限ってオヤと呼ぶことは、かなり新しい現象である。
また、中村吉次氏が『日本の村落共同体』で以下のことを述べているそうです。
真の共同体は「一人が欠けても、一人が多すぎてもならぬ。不分割な一体なのである。そして、それは、生産手段もまた不分割であること、分割してもしょうがなく、分割する要もなく、分割できぬものである」生物的な血縁か非血縁かにこだわらず、共同体を形成する集団は、社会的にまた観念的に血縁の同族組織である。そうした組織の中心がオヤであり、それにしたがうものがコであった。

 上記のような「オヤとコ」の関係は戦前まで多くの農村で残存していたようです。それは、当時の生産手段である農業(水稲)が皆の共同作業無しには成り立たなかったということが大きいでしょう。同じ理由から、このような互助組織は台湾やインドネシアでも見られます。水稲栽培には水の管理が不可欠で、その水路管理、田へ水を入れるタイミングなど自分だけの都合では決められないし、田植えや稲刈りなどは天候を見計らっての労働集約的な作業にならざるを得ません。生産手段が、共同体のあり方を規定する要因となっているのです。
オヤとコ(柳田民俗学から)の続きです。

 私婚を中心とする親と子、特に近代以降の一対婚家庭での親と子は、その紐帯を血縁関係、せいぜい解脱にしか拠り所を求めるしかなくなっています。人として、実は非常に淋しい関係といえます。
外圧を前にして、生産を第一課題として統合されていた共同体内では、成員それぞれに役割・課題も与えられ、オヤとコの関係は解脱・闘争など多重の紐帯で結びついていて、濃密であったと思われます。オヤに対するコの信頼感も今の親と子の関係よりもはるかに高かったに違いありません。また、数十人といった規模の共同体では、成員どうしお互いの関係も多重であり、現在の親子関係よりもはるかに人としての充足感(共認回路の充足)も大きかったに違いありません。

 かつて、日本の各地で見られた「村落共同体」は、ほとんどなくなってしまいました。これは、生産手段が戦後劇的に変化したことによります。農業生産から工業生産へ移行したことで、これまで一体であった「闘争(仕事)と生殖(子育て)の場」が分離され、成員それぞれの役割・課題が希薄になってしまったのです。
しかし、私婚を中心とする親と子を機軸とした関係の中、解脱に拠り所を求めていた人々の潮流も近年急速に変化しています。

>70年代貧困の消滅から90年代の私権崩壊が人々の収束不全を引き起こし、本能を直撃、20年の蓄積を経てまず収束したのが秩序収束である。そこでは若者に代表されるように共認収束を経てまずは人=仲間収束した。
その後、02年以降私権崩壊が決定的になると、仲間収束だけでは納まらず、課題収束を引き起こす。遊びどころではないという状況から仕事や勉強という課題に向かった。しかしそこでの課題収束とは不安発ではなく「役に立ちたい」「喜んでもらいたい」「評価が欲しい」といった充足発である。この充足発の課題収束はしばらく続き、現在の充足基調を生み出し、なんであれ充足したものが勝っていく時代に入ってきている。(るいネット:課題収束を社会空間に広げていくきっかけも「充足」である。)
私たちの根っこには「本源の心」を基調とする充足体験が根付いており、いつでも顕在化するきっかけを待っている状態なのかも知れません。

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