2006年10月04日
オランウータンの生殖戦略
1000万年前、類人猿の一部がアジア(中国地方)へ流れました。
さらに南下し東南アジアへ移動し、現在のオランウータンとなりますが、そのオランウータンの生殖について少し紹介します。
(2歳)
「オランウータン」
分類: 脊索動物門 哺乳綱 霊長目 ショウジョウ科
東南アジアのボルネオ島とスマトラ島だけに分布する大型の類人猿。
それぞれの島の個体群は亜種とされ、ボルネオ島のものがボルネオオランウータン(P.p.pygmaeus)、スマトラ島のものはスマトラオランウータン(P.p.abelii)と呼ばれます。日本では、ボルネオオランウータンの方が多く飼育されているようです。
オランウータンに見られる性行動は戦略的なものだった?
以下引用です。
>近年の飼育下および野生下での研究から、オランウータンのオスは「二型成熟」という哺乳類では非常に稀な性成熟の様式を示すことが明らかになりつつある。オトナのオスは社会的優劣関係に基づいて、顔形態を大きく変化させる。社会的に優位な個体は顔の両側が大きく張り出し(Flange)、喉袋が発達するが、劣位な個体ではこの張り出しがなく、喉袋も小さい。どちらのタイプも性的には成熟しており、繁殖も行う。これらの2タイプのオスは、
優位(12歳)
劣位(10歳)
※3枚の写真のオランウータンは、全て同じ個体「hitoshi」です
・Flanged-Maleは大きな体で、ロングコールという音声を発して、メスが来るのを待つ
・Unflanged-Maleは小さな体でこっそりメスを探して歩き回る
>というそれぞれ異なる繁殖戦略を用いている、と言われている。本発表では、オスの二型成熟に関する最近の研究成果と、このような特異な性の様式が進化してきた要因に関する仮説を紹介する。
> さらにオランウータンには、ヒトとだけ共通していて(チンパンジーを含む)他の霊長類とは共有されていない、性に関わる特異な形態、生理、行動がある。主なものとしては、
・外見からはメスの発情周期がわからない
・発情周期に関係なく、いつでも交尾が可能である
・レイプ(メスの同意のない、オスによる強制的な交尾)が可能であり、珍しくない
(レイプするサル――オランウータンの性行動と繁殖戦略 久世 濃子(東京工業大学))
引用終わり。
優位なオスが居なくなった途端に、頬パッドが急に発達した・・・という事例が分かり易いですが、年を取っても頬が発達しないオランウータンも居るようです。
それは群れの中の第一位のオスからの同類圧力によって、頬を発達させられなかったという事です(弱オス?)。
生殖形態が単雄複雌であることから、性闘争圧力は高くその差別化も「肉体改造」という明解なものとなっているところが興味深い。
しかし、オランウータンはあまり群れを形成しない(主に♂+複数♀)事から、性闘争圧力がどの様に働いていたかに疑問が残ります。
(ミネ)
- by member
- at 01:25



comments
頬パッドが発達し出すと半年~1年で別人(別サル)のような顔になるそうです。すごい肉体改造ですね。
オランウータンの性闘争圧力ですが、単雄複雌型の生殖集団の周りには、生殖年齢に達して追い出されたオスたちがごろごろ居ます。大型で凶暴なので、性闘争圧力は極めて強力だったと想像できます。それゆえにボスであることを誇示する肉体改造まで行った。
ところで、オランウータンとヒトの性は共通しているとされているが、全く違うと思いますが…。
オラウータンって、すごいですね~!!雄の優位と劣位の顔の変化に驚きです!!今回、この記事で初めて優位と劣位の存在を知り、優位の顔を見ました(*0*)(いままで、テレビで見たことあるのは、劣位のほうばかりでした。)
>レイプ(メスの同意のない、オスによる強制的な交尾)が可能であり、珍しくない
って、すごい。でもなんで、同意なく交尾するのですか?なんのために?教えて下さい☆
>レイプ(メスの同意のない、オスによる強制的な交尾)が可能であり、珍しくない<
のは、
>発情周期に関係なく、いつでも交尾が可能である<
からに過ぎないように思いますが…。 単雄複雌婚であれば、性闘争圧力は、本来かなり強いはず。ボス以外がメスを掠め取ることが可能なのは、外圧の低下等、何らかの環境の変化があったからなのではないでしょうか?
>レイプ(メスの同意のない、オスによる強制的な交尾)が可能であり、珍しくない<
のは、
>発情周期に関係なく、いつでも交尾が可能である<
教えてください!そもそも>メスの同意のない、オスによる強制的な交尾が可能であり、珍しくない<はボスオスと縄張り内のメスの関係ですか?それならいつでも交尾ができるのは当然のようにも思えます。それとも弱オスと縄張り内のメスの関係ですか?
え~!?
全然別人(猿?)じゃないですか!!
同類圧力によって、頬パッドが発達したりしなかったりするなんて・・びっくりです!
>レイプ(メスの同意のない、オスによる強制的な交尾)が可能であり、珍しくない<
同意なし‥ってゆうと何か変な感じがしますが、
生殖の目的以外で、オス発でセックスするってことですよね?
基本的に、性はメス(女)発って聞いたのですが、どうなんでしょう?
みなさんコメントありがとうございます。
まだまだ勉強不足で全ての疑問には答えられませんが、参考として「るいネット」の投稿文を紹介します。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=1985
原チンパンジーはより集団統合を強化する方向に。一方で、ハヌマンラングールやゴリラ等の制覇種は、ボス集中(単雄複雌)をより強化する方向に進んだ生態の違いが分かります。(オランウータンは後者?)
外圧状況のイメージとそれを突破する戦略が種によって根本的に違い、絶滅種なのか否かもイメージできます。
オランウータンのレイプはるいネットでも紹介されていました。サルでもオランウータンだけのようです。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=19041
日経サイエンスでも、1970年東南アジアの熱帯林で発見された事例が紹介されています。思春期に達した後数年間は成長がストップするが(この状態をサブアダルトという)、その後成体の雄の大きさになり、成熟した雄の特徴(第二次性徴)を獲得するのが一般的らしいが、中にはサブアダルトのまま成体にならないものが居るらしい。このサブアダルトが繁殖期に強硬手段に出るようだ。
体が小さく雄同士のひどい争いに巻き込まれないが、その分幼稚(な自己中)で規範意識が貧弱ということだろうか。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0209/orangutan.html?PHPSESSID=c7a602546400eca77298f2b121a95bb4
岡さん、ありがとうございます!
早速るいネット、日経サイエンス見てみました。
>レイプという行為は、本能的には、メスが応じなければできなかった行為を、無理矢理やってしまえばいいのだという、高度な知識から発生したもの (るいネットより)
なるほど~。
今まで、レイプって、どちらかというと”本能的に抑えきれずにしてしまうもの”かと思っていたのですが、実は高度な知識なんですね!だから、メス発じゃないんだ。
(ボスザルに対しては、メスは収束している→これは、メス発ですよね。)
それから、これも、驚きです↓
>体が小さく雄同士のひどい争いに巻き込まれないが、その分幼稚(な自己中)で規範意識が貧弱ということだろうか。
サルにも、自己中がいるんですね(*'0'*)!
自己中になるのも高度な知識が必要なんでしょうね。自然界には自己中なんていなさそうですもん。やっぱり、共認機能を獲得したサル以降の特徴なんでしょうね。
ありがとうございました♪
これからも楽しみにしてまぁす☆