2009年05月08日
南方起源説1
北方起源説に対して、今回は南方起源説を追求してみたいと思います。
南方起源説は、骨や歯の形態学的研究にたずさわる人たちが主張していおり、代表的な研究者には埴原和郎とC.ターナーがあげられます。
・埴原和郎説 ・・・縄文人と弥生人の骨格比較
(二重構造説) 港川人の骨格検証
犬やネズミのDNA分類による地域検証
・C.ターナー説・・・モンゴロイドの歯の型(歯列)の分類と地域検証
今回は、ターナーの歯列研究による南方起源説を取上げます☆
●ターナーの南方起源説
アメリカの人類学者C.ターナーは、歯の形態的特徴から、モンゴロイド集団はスンダ型歯列(スンダドント)と、中国型歯列(シノドント)の2つの群に明瞭に別れることを発見しています。
歯の形態には、出現頻度をパーセンテージで示せるような特徴がいくつもあり、代表的なものは「シャベル型切歯」です。
☆ここで皆さん、上あごの切歯(門歯)の裏側を、舌の先で探ってみて下さい・・・。
人によって、えぐれたようにくぼんでいる場合とそうでない場合があります。くぼんでいるものをシャベル型といい、中国型歯列の特徴を示します。
国立科学博物館 『日本人はるかな旅展』より
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・中国型歯列は、複雑な歯列であり、アメリカ大陸・シベリア・モンゴル・中国・本土日本の現代人に多いとされます。
・スンダ型歯列は、シンプルな歯列形態であり、インドネシア・ポリネシア・メラネシア・東南アジアの現代人と古代人・南西諸島人・アイヌ・縄文人が含まれます。
ターナーのよれば、2万年前、東南アジアに住んでいた南方モンゴロイドが大規模な移動を開始して、環太平洋に拡散。スンダ型歯列を持つ港川人や縄文人も、その流れにあるとの見方を示します。
他方、拡散したモンゴロイドのうち、内陸ルートで北上し、北方適応した集団の中から中国型歯列が発生し、シベリアを経由してアメリカ大陸にも拡散→北方適応したモンゴロイドのうち、2,000年前に日本に移住した一派が渡来系弥生人の先祖であるとしています。
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読んでくれてアリガトウ。
次回は引き続き、南方起源説の根拠になっている港川人を紹介します。
by 世界のマツヒデ
- posted by matuhide at : 2009年05月08日 | コメント (3件)| トラックバック (0)
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comments
みんなの「女」を一人の男性が独占する事が許せない。その様な意識
からか、結婚式に婿が集団からいじめられる儀式がたくさんありま
す。「初夜権」も、その名残ですよね。
嫌がりながらも(?)集団から「女」が出て行かざる得なかった当時
の状況は、どうだったのでしょうか。
日本の「共有するおおらかな性」が、一対婚の「独占される性」に変
質していく過程の史実が日本にはたくさんあり、とても興味深いです
ね。
アンニョンさん、コメントありがとうございます☆
おっしゃるように、みんなの充足関係から離れて一人の男の下へ嫁ぐのは、どういう心境だったんでしょうね。。
それを補うかのように(?)、毎年祭の日は無礼講とか、未亡人になったら再び夜這いの対象になるとか、とにかく「性の充足」が途切れることはないようなシステムに、村落共同体はなっていたようですが…。
これからも色々紹介していきますので、お楽しみに☆
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