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2010年04月09日

日本婚姻史1~その9:これまでのまとめと今後の可能性

今回は、「日本婚姻史シリーズ1」のダイジェスト版です。これまでの流れをまとめると共に、今後の可能性を探っていきます。

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画像はこちらからお借りしました

その1:縄文の婚姻性の根底部にあるもの~期待応合
人類の誕生は500万年前に遡ります。肢の指の先祖返りによって、樹の上に棲めるというサル時代の最大の武器を失ったのが初期の人類です。想像を絶する逆境に適応するため、人類は哺乳類以来の性闘争本能を完全に封印し、「期待応合の共認圧力」を男女の紐帯として、婚姻関係や集団を形成していきました。

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その2:日本人の原型を形作った縄文人を取り巻く環境
その3:縄文時代の婚姻制を探る
人類は観念機能の進化⇒弓矢の発明によって、約1万年前、洞窟を出て地上に進出します。
東アジアの黄色人(モンゴロイド)をはじめとして、世界人口の過半を占めていた採集・漁労部族は、仲間の解脱収束→性欠乏の上昇に対して、皆が心を開いた期待・応望の充足を更に高める方向を目指し、部族内を血縁分割した単位集団(氏族)ごとの男(兄たち)と女(妹たち)が分け隔てなく交わり合う、総偶婚規範を形成します。
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その4:日本の交叉婚の特殊性
世界史的には、総遇婚の婚姻形態は他の氏族と交叉する交叉総遇婚に移行していきます。この交叉総遇婚は、兄妹婚のタブー(勿論父・娘もタブー)をもって成立します。しかし、日本は複数群のヒロバでの共婚であり、(恐らく同類圧力が弱かったことにより)兄妹婚黙認の総遇婚を維持していきます。
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その5:弥生時代前期の婚姻制度【持ち込まれた私婚制】
その6:弥生時代後期の婚姻制度【支配層内で萌芽した私婚制】
弥生初期、戦乱期の中国・江南からの渡来人が「私権意識と私権制度」を持ち込みます。その結果、母系の「妻問婚(対遇婚)」が、次第に拡大していきます。
但しその過程は、被征服者の共同体は破壊せずに存続したまま自己の祭祀圏にくみいれたり、妻問婚を通じて相手の一族を擬制同族化し同盟氏族にする形態をとります。
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その7:大和時代以降の婚姻制度【嫁取婚(父系制私有婚)の登場】
平安時代までは、私権統合国家の支配階級も、妻問婚~婿取婚という対遇婚に移行しながら、母系氏族を生活拠点とする母系制的婚姻制が継続されます。
そして、鎌倉~室町時代に至り、嫁取婚(父系制私有婚)へ転換していきますが、その後長らく嫁取婚は武士階級だけにとどまり、農村部では総遇婚の流れを汲む夜這婚が昭和初期まで残り続けることになります。
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その8:日本人はどのように恋愛観念を受容したのか?~明治編
明治時代になると、武士階級の家意識を下敷きにした民法(貞操観念)が制度化されます。さらに近代思想(自由、個人、恋愛)⇒市場経済の拡大によって、総遇婚の培ってきた村落共同体が破壊されていくことで、個人(自我・私権)を原点とした恋愛至上主義が蔓延していことになります。
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以上、これまでの日本婚姻史シリーズをまとめてみました。
しかし70年代以降、豊かさの実現とともに私権獲得の活力が衰弱していき、現在ではセックスレスの蔓延、非婚・離婚の増大など、婚姻制が揺らいでいます。
男女関係、婚姻制度の突破口はないのか?その可能性を示唆する記事を紹介します。
『日本を守るのに右も左もない』より
なんでや劇場レポート(3) 私権追求に代わる集団の目標は周りの充足、そして男女の共認の輪が認識収束の母胎

国家も企業も、みんなの役に立つことを目標にしないと成り立たなくなっている。では、最後の集団=家族はどうだろうか?「周りを充足させる」ために「自分たちは結婚します」というような理屈はとうてい成り立たない。つまり、一対婚家族では周りの充足という目的など成立しようがない。これは、もはや現在の一対婚家族は変革不能であり、抜本的に新たな婚姻制度に変えるしかないことを示している。おそらく、現在の家庭には共認収束の可能性がないことを、若者も薄々わかっているから結婚しない男女が増える一方なのだろう。
ところが、婚姻制度は社会の最基底部にあるので変革には長い時間を要する問題である。打つ手はないのか?

そこで、もう一つの概念「女原理の充足基調」の潮流を基盤に据えて考えてみたらどうか?少なくとも、その潮流が来るべき新たな婚姻制度の土台になることだけは間違いないと考えられる。では、女原理の充足基調と男原理の闘争基調はどう結びつくのか?(この結びつき方が来るべき婚姻制度の土台となる)
婚姻制度が社会の最基底部にあるのは、哺乳類では雌雄の引力が最大の引力(活力)であるからだが、全文明史を覆すほどの今回の社会の大転換も、男女の引力を基盤にした社会変革というスタイルになるのではなかろうか。言い換えると、男女の問題を捨象している政権交代や社会派とは無関係な、偽ニッチを吹き飛ばすような、もっと根底的な変革になるということだろう。
今回の変革の土台となるのは男女共認である。そして、男女共認の核となるのは、充足存在という女規範、闘争存在という男規範である。この男女規範を認め合うことが男女共認の原点(卵) である。∵女(男)だけが充足存在(闘争存在)と思っていても無意味。そして職場において男女共認の輪を広げていくこと。これが主軸。副軸となるのが感トレをはじめとする女共認の場(男共認の場)。これが最初の共認形成⇒認識収束の形である

女原理による充足基調の基、女規範(=充足存在)と男規範(=闘争存在)を、職場(=生産活動の場)で共認形成していくこと。これが、男女関係・婚姻制度の土台となるという点が論旨です。
今回のシリーズ1では、主用には支配層の婚姻形態(男原理)に主軸を置きましたが、女原理の可能性を探るべく、シリーズ2では民衆側の婚姻姓を追及していきます。

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hermes zwickau 共同体社会と人類婚姻史 | シリーズ「私婚関係から私権の共認へ-Vol.2」 ~実現論 第二部:私権時代より-⑨~

共同体社会と人類婚姻史 | シリーズ「私婚関係から私権の共認へ-Vol.2」 ~実現論 第二部:私権時代より-⑨~

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