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2010年05月28日

単一起源説vs多地域起源説を切開するvol.1(起源説の概要)

これまで本ブログでは、「人類の起源」について、婚姻制を中心に、外圧状況・道具・脳容量・何を食べてきたのか・等、様々なアプローチから追求してきました。
過去に追求したシリーズは、『課題の中間整理と今後の展開』にまとめています。
今回は、「単一起源説vs多地域起源説」に焦点を当て、それらの学説に孕んでいる問題に切り込んでいきたいと思います。
第1回目は、人類の起源における「単一起源説」と「他地域進化説」について、夫々の概要を紹介したいと思います。

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現代の人類(新人)の起原をめぐっては、学者たちの間で、1980年代末から激しい論争があり、次の二つの説が対立しました。
●多地域進化説
アフリカ大陸は長らく人類進化の揺りかごだったが、ヒトの祖先(ホモ・エレクトス)は150万年前頃になるとユーラシア大陸へ次々と進出し、各地の旧人となった。「多地域起源説」では、現代人に見られる人種の特徴はその地域で発見された旧人から受けついだもので、人種の起源は非常に古く、人種間では遺伝的な交流が常にあったのだと主張する。異なる地域の旧人の特徴はかなり違うのに対し、現代人では人種間にそれほどの差が見られずむしろ一様に見えるのは、混血のためであると考える。
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●アフリカ単一起源説
「単一起源説」では、現在の人種が成立したのはずっと最近のことで、もともとアフリカにいた現代人の祖先が世界中に広まり、各地域にいた旧人たちの子孫と混血することなく、それに取ってかわったのだと主張する。アラン・ウィルソンは各地の現代人のDNAを取って系統樹をつくり、最も古い分岐を示すのはアフリカ人であることから、単一起源説を主張した。
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2つの説の重要な相違点は、数十万年の時間を隔て「出アフリカ」を果たした旧人と新人の間の混血の有無にある。多地域起源説では「混血あり」を主張するので、現代ヨーロッパ人とネアンデルタール人とのDNAを比べると、両者にはほとんど違いが見られないはずである。一方、単一起源説では「混血なし」を主張するので、両者のDNAは出アフリカの時間差である数十万年分の違いが認められるはずである。ヨーロッパ人とネアンデルタール人のミトコンドリアDNAを比べれば、どちらの説が正しいかが検証できることになる。
そして、最近のDNA研究の結果から、ほぼ「単一起源説」に軍配が上がったいるようだ。

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